Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中のミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館展に足を運びました。ペッツォーリ美術館は貴族ペッツォーリ家による収集物を邸宅美術館として公開しているものです。ミラノには二度訪れたことが有りますが、この美術館には行っていないですし、出品作品ほとんどが日本初公開ということに魅かれました。
世間的に誰もが知っているような作品はありませんが、イタリア美術、特にルネッサンス期の作品が好きな人は楽しめます。看板作品のポッライウォーロの《貴婦人の肖像》の繊細で気品ある横顔には見とれてしまいますし、ボッティチェッリの《死せるキリストへの哀悼》は代表作《春》(フィレンツェ、ウフィツィ美術館)の女性的な穏やかさとは真反対のアクの強い作風で興味深いものでした。小さな作品ですが、ルネッサンス期のドイツ(神聖ローマ帝国)の画家ルーカス・クラナッハの作品があったのも嬉しかったです。
≪ボッティチェッリ「死せるキリストへの哀悼」1500年ごろ≫
武具、彫刻、タペストリーなど、いかにも西洋貴族の収集品という品々も展示されていますので、ゆったりとした雰囲気の中で贅沢な気分を味わえます。週末でしたが、上野の企画展などよりはずっと空いていました。5月25日までですので、興味があって未見の方はぜひ。