10月に入りましたが、この時期に台風とかやめてほしいです。気温の上下もあり、最近、秋が無い様に思います。
車検と点検、一部修理でお預かりです。点検から始めます。
前後タイヤですが、フロントは純正同サイズですが、少し小さめになっているので、ブリジストンやダンロップ製よりは、少し細く小さいと思います。また、リアはワンサイズ太いので、リム幅に合っておらず、少し丸くなっています。アメリカン用のタイヤのようでスピードレンジがHレンジですので、タイヤ剛性がVレンジより低いと思われ、パワーをかけたり、スピードを出す走行には向かないと思います。スピードレンジが違うと、タイヤの回転数とそれに伴う遠心力が変わってきます。実験したことがありますが、設定されたスピードレンジ以上の回転数で回すと、空気圧が規定値でもタイヤが変形し、縦方向に延びます。条件が悪いとバーストしかねません。設計時に設定されたスピードレンジのタイヤを装着した方が安心です。また、逆にスピードレンジや荷重設定が高いタイヤを装着した場合は、タイヤがうまく変形せず、曲がりにくいことがあります。
フォークのエア圧チェックです。気温により変化し、空気圧によってフロント側の車高が変わるので、要点検個所です。
前後キャリパーは、作動とパッド残量の点検のみです。
各フルードは、量と色の点検みです。
エアクリーナーは、K&N製でした。ダイヤフラムの回転や作動不良も無さそうです。
スパークプラグは、デンソーのイリジウムプラグです。少し燃焼温度が低いようです。プラグキャップは、他車のダイレクトイグニッションのようです。プラグコードが無いので、効率が良いですが、内部抵抗値が純正のイグニッションコイルと比べて小さすぎると、流れる電流が違いますので、純正イグナイターを分解したことがないので、正確には言えませんが、点火用のトランジスタの許容電流を確認しないと破損する可能性もあるので、要注意だと思います。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無さそうなので、平気そうです。リザーブタンクにゴミ等が浮いていますが、ラジエターに塗られている塗料が剥がれているように思います。ラジエターキャップ部には、オイルの付着等は見られません。
オーナーのご希望ですが、ギアケースを触った際に、ドライブシャフトを抜いてしまい、うまく戻せないので、ギアケースからドライブシャフトを抜き、先にエンジン側のジョイントに差しておき、ギアケースをドライブシャフトに差しながら装着したので、オイルシールの状態を確認してほしいとのことでしたので、分解してみました
通常ギアケース側にドライブシャフトを差し込んでから、アッセンブリで装着します。ドライブシャフト側にオイルシールがあり、ドライブシャフトとカップ奥のボルトの間のスプリングでドライブシャフトをエンジン側に押す構造なので、取り付け順番が違うとオイルシールが所定の位置まで入らず、最悪の場合、ギアケース内のオイルがスイングアーム内に漏れることがあります。
写真は、カップ内部ですが、潤滑用の穴が2カ所あり、ギアケース内のオイルをギア内部に送っています。ですので、漏れ防止に、ドライブシャフト側にオイルシールが装着されていますが、構造上ドライブシャフトが少し斜めに回る関係で、柔軟性のあるオイルシールになっています。今回は、オイルシールの破損は無さそうでしたが、位置が浅く少し斜めでしたので、所定の位置まで押し込んでから、アセンブリで、装着しなおしました。別件の修理例で、ギアケース内のオイルがスイングアーム内に漏れて、ミドル側まで流れて、ミドル側のゴムブーツの下側の穴からオイルが出ていたケースがありました。スイングアームとギアケースの合わせ面からオイルが滲んでいる場合も要注意です。
ガソリンタンク内はサビもなくきれいでした。バッテリー付近も確認しました。
バッテリーの電圧と容量の点検です。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
エンジンオイルは点検のみで、エンジン始動前と始動後の液面です。
各部点検し、多摩陸事に継続検査に行きました。
24か月点検と必要な整備(ドライブシャフト確認及びメーター交換によるニュートラルランプの不具合)と継続検査まで終了しましたので、一旦終了です。オーナーにご連絡し、追加があれば、別途作業いたします。
2020.10.04 作業担当 ヤダ(矢田)