旧型Vmaxの場合、最終型でも生産後10年を超えているものが増えてきました。今回、お預かりした車両も最終型ですが、不動車だった期間があるので、痛んでいる部分があります。
コンディションレベルチェックAと油脂類交換でお預かりです。外装を外し、点検から始めます。最終型で実走行距離のようです。エアクリーナーは純正新品でした。
ダイヤフラムは、回転も無かったので平気そうです。パイロットスクリュー部の圧入栓が入ったままですので、抜いて点検です。4気筒ともパイロットスクリューは回ったのですが、1番気筒(左後)が反応しません。負圧を見るとズレていましたので、4気筒の負圧の同調を行ってから再度、1番気筒をチェックしましたが、反応がありません。キャブレターのドレンボルトを開けてもガソリンが出てきません。フロート室内には、ガソリンがあるようなので、ドレンボルト部のツマリです。一旦、パイロットスクリューを外してキャブレタクリーナーで掃除してみましたが、スロー系統のつまりは治りませんでしたので、1番気筒はキャブレターの分解清掃が必要です。
クーラントへのエンジンオイル混入は無かったのですが、サーモスタット部からクーラントが漏れています。ポンプの穴からもニジミ跡がありますが、ポンプ側は、酷くないようです。
ガソリンタンクは、新品に交換されています。キャブレターを外した際、アクセルワイヤーのガイド部が曲がっています。おそらくキャブレターがダメで分解したようで、チョークのリンク部のEリングが無くなっており、チョークを使うと抜けてしまいます。
液式バッテリーですが、電圧、容量とも平気そうです。液面も上限まで入っています。エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
リアアクスルシャフトをスイングアームに固定しているボルトがありません。リアブレーキホースもクランプから外れています。
バイザーを装着した際に、ホース類の通し方がおかしくなっています。フロントフォークもトップキャップが錆びていたりエアバルブが少しおかしくなっているので、フォークオイルはしばらく交換していないようです。エンジンオイルは入っていますが、レベルが下限ですので、加速時にオイルランプが点灯します。
スパークプラグは、NGK製JR8Cです。1番気筒のプラグは、ガソリンが出ていないせいで全く焼けていません。ステムベアリングは、規定トルクより緩かったです。
キャリパーは清掃した方が良いと思います。パッドは、まだ残量があります。ローターは、フロント側が若干ゆがんでいると思います。
リアサスは、左右とも内側と外側が反対です。バンプラバーはまだありますが、劣化しています。リアバンクのプラグコードは緩んでおり、右側は、抜けかかっています。
リアフェンダー部ですが、過去に外した際に、センターのボルトナットが無く他のボルトナットは上下逆になっています。
フルードは、3カ所とも色が違います。クラッチ側は、エンジン側で熱が掛かるので、劣化が早いです。
一応、組み上げて試乗です。車体は、各部緩んでいたので、増し締めを行いました。タイヤは、フロントが新車時の物で摩耗しており10年物、リアは1回交換しており、溝が約半分で5年物です。前後交換した方が良いと思います。エンジンは、1番気筒がほぼガソリンが出ていないので、3気筒状態です。1気筒死んでいると結構遅いです。後ほど、ご連絡致します。よろしくお願いいたします。
2017.12.19 作業担当 ヤダ(矢田)