「晴らせぬ恨み
晴らします~」
必殺仕事人、必殺仕掛人などでは、藤田まことさんの当たり役「中村主水」が何といっても印象に残っている。殺陣も素晴らしいが、裏稼業の夜の顔と昼行燈のような表の顔、そのギャップが何といっても素晴らしい・・・最高であった。

「ムコ殿・・」と呼ぶ、“菅井きん”さん演じる姑・せん。その娘で妻・りつの白木万理さんの名コンビは、一服の清涼剤の感がしたものである。白木万理さんは、昔の日活アクション映画、特に渡り鳥シリーズではお色気のある悪女役がハマっていた。小林旭・宍戸錠・金子信雄・浅丘ルリ子・白木マリ(当時の芸名)さんたちの顔ぶれが思い起こされる。

八丁堀の同心である先輩格の中村主水、そのモチーフを将来は受け継ぐよう設定されたものか、2007年、2009年、2010年、2012年と「必殺仕事人」シリーズに東山紀之さん演じる八丁堀同心「渡辺小五郎」が登場。
渡辺小五郎にも中村主水同様に手厳しい姑・こう(野際陽子)と妻・ふく(中越典子)がいる。その姑・こうの口癖も中村せんと同じく・・・「ムコ殿・・」
「必殺仕事人」の2010年版制作準備中、中村主水役の藤田まことさんがお亡くなりになったので制作中止も考えられたらしい。ところが、藤田事務所から是非とも制作を・・との懇願、それを何よりも藤田さんが喜ぶと。
そのような経緯もあって、完成したとのこと。それから数えて今回が3作目のスペシャル版らしい。

先日、録画していたもので、昨日、時間をとって・・・時間はいつでもあるが。じっくりと観賞。とにかく、新しい時代劇の制作が少ないもので、久しぶりに“必殺”シリーズを見た。その後、よく調べるとこのシリーズが、年1本程度の間隔で制作されていたことを知る。
若い役者さんたちに混じって、超ベテランの里見浩太朗さん、歌舞伎界から中村獅童さんが加わっており・・・時代劇らしさが出ていた。映画「最後の忠臣蔵」で素晴らしい演技をみせていた桜庭ななみさんがシジミ売りの娘役で出演。
サラリーマンNEO組の生瀬勝久・田口浩正さん、あっ、中越典子さんも・・・。
と、多彩なメンバーが集結

本日、「徹子の部屋」に出演される左とん平さん。悪徳の廻船問屋・辰巳屋又右衛門役で存在感のある演技。恐らく、「徹子の部屋」ではその話がでるものと思っている。
ストーリーは、ともかく若い役者さんが懸命に時代劇を盛り立てようと頑張っている姿が・・いいね。渡辺小五郎役の東山紀之さん、映画「小川の辺」(原作・藤沢周平)を見て以来であったが、時代劇俳優としてハマってきており・・・故藤田まことさんの中村主水を受け継ぐことができつつあるね。

ちょっと、正統派の時代劇と違ってはいるが、必殺シリーズはこのようなものと思っており・・・楽しめたからいいか。
鬼平シリーズなどで何度も出てくるロケ地、でも場面が明るすぎた。不評を買ったNHK大河「平清盛」(当方は本物らしくて良かった)のような撮影の仕方が似合っていると思いつつ・・・最後まで見入った。



