少し前に、1.0000... = 0.9999...の事実が無限小の感覚に役立つのではないか、との考えを書きましたが、それと似たような議論が最近の一般向け数学啓蒙雑誌に出ていました。しかし、最近になって、別の解釈の説明を偶然発見しました。
ネットで「グレイコード」で検索すると今も出てくると思います。割と古い論説です。
グレイコードは整数の表現の一つで、グレイは人名とのこと。普通の二進数では桁上がりの際に多数のビットが同時に変化しますが、グレイコードでは必ず1ビットずつしか変化しません。この特性を利用して、ロータリーエンコーダなどに応用されています。
論理ICのTIのTTLシリーズでもごく初期からグレイコードのエンコーダ・デコーダICは用意されているので、ロータリーエンコーダ以外でも何らかの用途があるのだと思います。
その論説では、グレイコードは小数点以下にも応用することが出来て、桁の順序が逆転してしまうので、1.0000...と0.9999...の...の部分が最初に来てしまう、のだそうです。いや、応用が利かなそうに思えたのでまともに読んでいません。ただ印象が残っただけです。
つまり、1.0000...と0.9999...は同じ数の別表現だ、との説明です。これがグレイコードだと...ではなく、1と0の違いとなり、それを同じ数だと解釈します。
その説明で言うと、別表現の実数は無数にあり、おそらく連続体濃度でしょう。
現在の所、任意桁の整数を2個組み合わせた分数で任意精度の計算をすると思いますが、上述のグレイコードによる表現でももしかしたら出来るかもしれません。何かきっかけが無いと調べる気にはならないのがやや弱い点です。昨今のAIブームによる多数決素子とかベイズ計算機とかと相性がよいとか、もしもあれば、…私の思いつきです。