MSXは私は途中から追いかけていなくて、特にゲーム系に関してはほとんど知りません。
ハード規格はオリジナル、MSX2、MSX2+、MSX turboの4種類があって、後にゲームカートリッジを動作させるための復刻計画の1chip MSXというのがあって、FPGAで実現されていました。ハードのエミュレータというだけで無く、公式にMSX BASICとMSX-DOSが使えて、私はMSX2の3倍クロックモードが気に入っていました。
1chip MSXの出力はPC/AT互換機の15pinアナログモニタが使えたので、極めて鮮明な絵が出てきます。しかし、元来のMSXの時代は一貫して普通にはモニタはアナログテレビでしたから、細かい表示はとても無理です。
なので、MSXにも日本語ワープロがあったと思いますし、原理的には普通に実現できるはずですが、主流にはならなかったと思います。
日本語ワープロというのは日本独特の家庭/オフィス用の専用ハードで、現在のPCのキーボードに類似したキーボードと、白黒液晶のやや広い、16×16ドット漢字が横40文字、縦15文字程度は表示できて、サーマルプリンタが内蔵で、24×24ドット程度のかろうじてまともに見られる漢字が印字できて、用の無いときにはコンパクトにたためる、アルファベット圏のタイプライターに相当する装置でした。富士通OASYSで検索すると当時の日本語ワープロの典型的姿のいくつもが出てくると思います。
そういえば、その当時だったかオフィスコンピュータと呼ばれる、これも多分日本独特のコンピュータが流行したと思います。ミニコンは日本では高価でしたし、技術を持った専用オペレータが必要ですし、まともに稼働させるならば空調がガンガンに効いた専用EDPSルームが必要でした。なので、東京下町の木造モルタル二階建ての事務所などでも使えるコンピュータに一定の需要があったそうですが、残念、私はとんとオフィスコンピュータについては知りません。COBOLが動くかどうか微妙、の程度の装置と思います。
おそらく多分もしかして、そういった昔の日本語ワープロとかオフィスコンピュータはインテル80286/80386クラスのCPUとMS-DOSのような基本ソフトがベースにあったと思います。
ただし、経済性が求められるので、目的達成ぎりぎりの設計がされたと思います。なので、汎用機としては当然いまいち。当時から見れば、現在のコンピュータの使い方はものすごく贅沢だと思います。
うむ。米国のコンピュータに掛ける情熱には恐れ入りますが、日本でも結構七転八倒していた、ということ。我が国がのし上がって行くために大型機の科学技術計算は当然必要でしたが、事務系では漢字の扱いが必須で、それにはなぜか8bit機では能力不足で16bit機が必要だったのです。
多分、次回にご期待ください。