没後90年 ムッシュー・プルースト

2012-02-24 | 日記

                                       

                   マルセル・プルースト ( 1871-1922 )

「 一人ひとりの読者は、本を読んでいるときに、自分自身の読者なのだ。作品は、それがなければ見えなかった読者自身の内部のものをはっきりと識別させるために、作家が読者に提供する一種の光学器械にすぎない。 」 ( 『 失われた時を求めて 』 より ) というのはつまり、僕がある作家の本を読解することは、自分自身の内面の問題を読解するということなのだろう。顕微鏡や望遠鏡のように、自身をよりよく知るための、本と言うのは一つの道具であろう、ということである。やはり人は道具がなければいい仕事ができないから、本は、自身をより知ろうとする人の必需品でもある。

 


のうてんジャーナル

2012-02-23 | 日記

            

21日(火)午後6時から大手通り十字路近くの老舗飲み屋・十字路にて 「 一枚文学の会 」 の集まりがあった。車だったから飲めなかったけど、上戸の方々からお料理をたくさん勧められてフィジカルに胃袋が小さすぎて、そうとう残ってしまったからもったいなかった。

この小冊子は、集会の都度発行している 「 のうてんジャーナル 」 で、会員全員の作品が掲載されている。一人800字厳守。僕のは連載形式をとっていて、 「 文子の手紙 ( 2 ) 」 を書いていますが何回まで続くか…、チョットワカラナイ。

ところで、自宅が栃尾滝ノ下の佐藤秀治氏 ( 鬼の研究家にして古物蒐集家 ) を送っていく車中で、彼から興味深い話を伺った。栃尾・中ノ俣出身の金内焦丘 ( ?-? ) と言う俳人が面白い句を遺している、というのである。彼の句は見附の松岡茶山 ( 1794-1861 ) により選句され、世に言う 『 常盤集 』 という本に掲載された、ということであった。その復刻された 『 常盤集 』 は山谷ヤス子翻刻編集、源川徹郎校訂になるもので、これはぜひ読んで見たい。山谷ヤス子氏は見附市歴史研究会 」 の方で見附市釈迦塚在住、ということも佐藤さんからご教示いただいた。オリジナルの 『 常盤集 』 は天保13年 ( 1842 ) - 文久元年 ( 1861 ) 松岡茶山刊行、全20編19冊の合本、ということも教えていただいた。江戸時代後期の漢詩人、俳人には興味がそそられる。松岡茶山はどういう人物だろうか。

                         ( 拡大用に見て下さい )

 


ブクブク交換会

2012-02-22 | 日記

夕方、 「 まちなかキャンパス長岡 」 にて講座がありました。講座というのは、新潟市からツルハシブックスという古書店の西田氏を招いての 「 ブクブク交換会 」 というものでした。本に興味のある方々が参集し、一人3冊くらいの自薦の本を持ち寄って、なぜお薦めの本なのかを開陳し、持ち寄ってこられた本の中に気に入った本があれば、意見が一致すれば、それぞれ持ち主の方と本を交換する、というものでした。今回、知り合いの図書館司書の方に紹介していただき参加して見ました。

異分野の面白い本との出合いがあったように思いましたし、本の持ち主の方々との交流はとても有意義なものであったように思いました。 「 交換会 」 のアイディアを提案された西田氏もユニークな経歴の30歳台の青年でした。中にはこの書店のファンという方もいらっしゃいました。

僕が頂いた本は写真掲載の2冊です。もっとも僕は2冊しか持って行かなかったので、2冊の交換なのでした。もっとたくさん持ってってたくさん交換したかったですね。ザンネンでした。今回募集の定員は20名ということでしたが、この広い長岡市内で応募された方は10名だったそうです。多いのか少ないのか…なんとも言えませんが…。10名全員出席で、西田さんの差し入れで一人当たり3個分のサンキュウー・シュークリームが供されました。異分野交流の場でありましたし、名刺交換会でもありましたから、今後共よろしくお願い致します。20歳の学生から僕のようなオジンまでの交流でありました。

                

          なんと昔懐かしい 「 旺文社文庫 」  ( 図書館司書の方の本を get )

 

              

            これは小説です。( 映画好きのご夫婦で見えられた奥様の本を get )

 


リー・クラズナーの作品

2012-02-20 | 日記

     

抽象表現主義のアメリカの女性画家 リー・クラズナー ( 1908-1984 ) のいいカタログはないかな。ポロックに付き添いつつ、前衛の平面絵画を追求し続けた画家・クラズナーはジャクソン・ポロック ( 1912-1956 ) 晩年10年間の良妻だった、という。クラズナーの絵画はポロックと違い、理性的であるような気がする。それよりむしろ、冷静と言った方がいいかも知れない。彼女の伝記か何かあれば読んで見たいナ、なぜポロックの芸術に惹かれたのか。4歳年下の彼は44歳で死んだ。この大雪が落着いたら来月には 『 生誕100年 ジャクソン・ポロック展 』 を見てみたい。

僕はアメリカの女性画家を好む。クラズナーは勿論、アグネス・マーティン ( 1912-2004 ) 、ヘレン・フランケンサーラー ( 1928-2011 ) 。マーティンもまた生誕100年である。

     

 


江戸時代の空にクリスタル・サウンド

2012-02-19 | 日記

  

窓からの午後5時半の夕景。さっきまで雪が断続して降っていたけど、この時間、空が晴れて気持ちいい。視界が遠くまで届くようで、雪の晴れ間はこころも晴れる。冷めたインスタント珈琲を捨て、熱いお茶を啜りながら板チョコを一枚頬張って、昔懐かしいスウェーデンのエレキグループ、ザ・スプートニクスのCD 『 霧のカレリア 』 を聴く。すっかり日が長くなって、夕陽が杉木立のシルエットを美しく描く。

当時、ベンチャーズの音楽よりも、スプートニクスの不思議なほどに透明感のあるクリスタルなサウンドが好きだった。特にロシア民謡の 「 トロイカ 」 をフィーチャーした 「 霧のカレリア 」 という曲を聴くと一気に時間が遡行する。たまにはこういう音楽に浸ることもそう悪くないナ、夕陽が見えなくなるまで、辺りが一層暗くなるまで。屋根だけが見える雪に埋もれた集落はなぜか江戸時代の空間を思わせて、その空にはもうオリオンが光る。今夜は蕪村の句集でも読んで眠ろう…。