天気

2012-02-05 | 日記

久し振りの太陽光線が雪景に真っ白く反射する。そして夕方になって巣守神社の杜に、凍石のような月が出た。歩くたびに雪道がバリバリ音を立てる。

今朝、フトンの中で 『 文芸別冊 総特集小林秀雄 』 ( 2003年 河出書房新社刊 ) を開く。その中で文芸評論家・秋山駿と誰かの対談を読んでいたら、彼は面白いことを言っていた。 「 『 本居宣長 』 は、長谷川泰子が蘇っているんだよ。女の問題だよ。」 と言うのである。なぜなら文学は昔から 「 恋が主題で。文学はそういうものだった。 」 そして宣長と言えば 『 源氏物語 』 で、源氏は 「 女が描いた女の世界じゃないか 」 と言うのである。面白い読み方があるものである。

長谷川泰子は当時、グレタ・ガルボに似ていたという女優の卵で、年下の中原中也の恋人だった。しかし小林と知り合うに及んで、小林の女になった。その後小林は、泰子で苦悩し彼女から逃亡するが、 「 女は男の成長する場所である 」  ( こういう言葉だったか? ) という名言を吐いた。

昔、学生時代の頃、小林の訳でランボー詩集 『 地獄の季節 』 を読んだ。以来、青春は斜めになった。未だに引きずっているようである。日曜日、フトンの中の、 『 失われた時を求めて 』 である。