江戸時代の空にクリスタル・サウンド

2012-02-19 | 日記

  

窓からの午後5時半の夕景。さっきまで雪が断続して降っていたけど、この時間、空が晴れて気持ちいい。視界が遠くまで届くようで、雪の晴れ間はこころも晴れる。冷めたインスタント珈琲を捨て、熱いお茶を啜りながら板チョコを一枚頬張って、昔懐かしいスウェーデンのエレキグループ、ザ・スプートニクスのCD 『 霧のカレリア 』 を聴く。すっかり日が長くなって、夕陽が杉木立のシルエットを美しく描く。

当時、ベンチャーズの音楽よりも、スプートニクスの不思議なほどに透明感のあるクリスタルなサウンドが好きだった。特にロシア民謡の 「 トロイカ 」 をフィーチャーした 「 霧のカレリア 」 という曲を聴くと一気に時間が遡行する。たまにはこういう音楽に浸ることもそう悪くないナ、夕陽が見えなくなるまで、辺りが一層暗くなるまで。屋根だけが見える雪に埋もれた集落はなぜか江戸時代の空間を思わせて、その空にはもうオリオンが光る。今夜は蕪村の句集でも読んで眠ろう…。