夕方の画廊から

2013-10-05 | 日記

  

ギャラリー部分に飾った絵を撤去して、写真を撮って見た。手前に自作の椅子を置く。この椅子は11年前に、建築家にして家具デザイナー・G.T.リーフェルト ( 1888-1964 ) のレッド&ブルー・チェアーの図面を元にして作ったもので、読書の時に愛用している。ウォール・ペーパーの写真は、実はエドワード・ウェストン ( 1886-1958 ) の “ NUDE ” ( 1936 ) である。彼の写真集からパソコンで拡大して分割して貼ったものである。こんなのを貼って、ギャラリーとしてはどうなんだろうと思って見たが、でも自分がやることなので実験的にやって見たが、まあそんなに評判も悪くはなかったので、これはこれで面白かった。何かの本で見たパリのカフェのインテリアに、ヘルムート・ニュートン ( 1920-2004 ) の巨大なヌード写真を使っていたのが気になっていたのだった。これも引用の一つである。椅子といい、文章といい、それに写真といい、僕はどうも引用が癖である。勝手に引用させていただき、引用させていただいた先生方に感謝申し上げます。そういう意味でも僕は、無能・無芸な単なるディレッタントに過ぎないのである。一個の淋しき存在であると思う。芭蕉 ( 1644-1694 ) にこんな有名な句がある。

            うき我をさびしからせよかんこどり

思えば、僕にとって引用とは、ひとつの 「 かんこどり 」 であるのだった。言ってみれば、この 「 かんこどり 」 と向き合う時に、僕にとって、静かで大切な 「 さびし 」 い時間が訪れるのである。