醒ヶ井に行った帰りに大阪駅を経由して帰るので書店に立ち寄った。
短歌コーナーで一番多いのは相変わらず河野裕子の関連の本。
それも純粋に河野裕子の評論ではなく家族を絡めた手記的な本が多い。
皆たくさん売れているのだろうな。
それの最新の本をほんの少し立ち読みした。
26日にNKHで河野裕子とその家族のドラマがある。
それの原作だそうだ(タイトル忘れた)。
河野裕子の病気が解かって闘病の日々、そして再発後の日々、そして死まで。
かなり赤裸々に今まで知らなかった出来事が書いてあった。
病気がわかって不眠のためハルシオンを服用していたが、その副作用で異常に攻撃的になったときの家庭内の様子。
永田和宏がある女性のことを褒めたら(勿論何の個人的関係もない)河野裕子が嫉妬でさらに激しい様子とか。。
ほんの全文をきっちりと読んだわけではないので、断定的なことは書くべきでないが・・
ここまで書く必要があるのだろうか?
河野裕子は家庭内の様子・家族ことをストレートに歌にしてきた。
だからずっと彼女の歌を読んでいるとまるでTVの「子沢山家庭のドキュメンタリーシリーズ」のように
実況中継的に家庭のことがイメージされる。
これが親しみや共感を呼び河野裕子のファンの裾野が広い理由だのだが。
私に限っていればこういう本を読んでいると歌人としての河野裕子のことを知るというより、段々週刊誌的興味で自分が読んでいることが解かってきて自己嫌悪に陥りそうだから、専門誌の河野裕子特集までは読むが、この手の本をわざと避けてきた。
商業ベースから言えば河野裕子の特集の本は確実に売れる。
いつも短歌コーナーの前に横積みされている。
短歌論よりも残された家族に<手記>を書かせてという意図が見える。
それに今<絆>というのは一番よく売れるテーマだ。
亡くなった人の思い出を綴ることはその人を供養することであり、ふたたび心の中に生かすことだ。
永田和宏は頭のいい人だから出版社の意図は十分解かっていて、それでも書かずにはいられないだろう。