海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

2011-09-29 08:48:23 | 短歌



裏山のあまたの竹が満月をつかまえようと手を伸ばす夜

紅色の褪せたる衣突き破り月夜の竹が空へ伸びゆく

迷ひ入る篁の奥乾きたる葉を踏む音が足にまつはる
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芒野

2011-09-29 08:38:01 | 短歌


吾亦紅その深き赤さびしくて花野を進む道見失ふ

芒野にやがて隠るる旅人の背を追ひてゆくものたちの影

もうやめてもいいかい夜のかくれんぼ芒の中に影たちの声

この家に鏡はあらず訪れる人を待つのみ風を聞きつつ

愛されし罪ならままよ芒野の野ざらしの骨がからから笑ふ

夜ごとの草葉の露が野ざらしの眼窩に涙のごとく流るる

我を供養してたまはれと風が泣く安達が原の芒の上に
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