アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

変わりゆく郷土の景色~ED76

2022-02-18 18:00:00 | 鉄道写真(EL)

東京生まれ東京育ちのアントンKにとって、学生時代には故郷に帰省する友人達がとても羨ましく思ったものだった。当時は、今のように高速道も繋がっておらず、大概鉄道を利用して移動していたはずだが、休み明けに聞くお土産話が楽しみだったことを思い出す。

時が経ち、アントンKにも家族が出来たが、その愚妻が長崎出身だったことは偶然だった。九州ブルトレでも「さくら」は一番身近に感じていたし好んで乗車した列車だったことも懐かしい。当然ながら異国情緒の残る長崎の街には、よく出向くことになったわけだ。坂の多い街並みは、独特の雰囲気があり、路面電車が肩を揺らして走っている光景は、時の経つことを忘れさせる。そんな長崎にも、来年新幹線がやってくるという。それに伴い、在来線も大きく様変わりしてしまい、昔の面影は皆無らしいのだ。新幹線開通は、昔から長崎市民の悲願だというが、果たして本当に必要なのだろうかと首を傾げたくなる。ここ数年、長崎どころか、九州にも行けていない。コロナ感染症の沈静化を待って、早く出向きたいといつも考えているのである。

掲載写真は、長崎駅で出発を待つ44列車、特急「さくら」東京行き。車止めの並ぶ構内に、歴史を感じるプラットホームが昭和時代まで時が遡る。やけに低いホームが地方線を思わせたが、もうすでにこのホームも跡形も無くなり、現在は近代的な高架線ホームに切り変わっているらしい。いつか新しいホームに降り立った時、どんな想いに駆られることだろう。

2004-10-23   44列車  特急「さくら」  ED76 61    JR九州/長崎駅


全国で懐かしの旧塗色復活!~381系

2022-02-17 19:00:00 | 国鉄時代(カラー)

近年の電車といったら、どれもステンレス車体のシルバーボディにカラーラッピングというスタイルが定着してしまい、アントンKにはどれを見ても同じに見えてしまうのが正直な感想だ。かろうじて残存している国鉄時代からの車両達も、厚化粧に身をまとい、当時の面影はなかなか蘇ってはこないものだ。

そんな昨今、全国のあちらこちらから、現役で走っている車両を昔の旧塗色に戻すという発表があった。JR北海道のキハ183系が民営化直後の塗色に一部の車両を戻すとの発表があり、続けて今度はJR西日本の国鉄型特急電車381系を当時の特急色で復活させるという。これもコロナ感染症の影響で大打撃を受けた収支を回復させるという意図があるのだろうか。鉄道離れが加速している昨今、少しでも明るい方向へ進んで欲しいものである。鉄道開業150年の今年、こんな傾向がまだまだ継続するようで目が離せなくなってきた。

今回は、国鉄時代の伯備線特急「やくも」。今でこそ目にしなくなってしまったが、当時は特急電車と言えば、この色を指した。でも今更ながら、この塗色が一番日本の風土に溶け込み、ベストマッチだと思えるのはアントンKだけか。低重心の381系電車もスマートでカッコ良い。

1985-10   L特急「やくも」   山陰本線:米子-伯耆大山にて


新たな時代を感じた大阪フィル東京公演

2022-02-15 19:00:00 | 音楽/芸術

大阪フィル東京公演を聴いてきた。

昨年の東京公演は、感染症の影響を受け中止となり2年ぶりの東京公演となった。一昨年はエルガーの協奏曲とブルックナーの第3番が演奏され、第3が好きなアントンKとしても印象に残った演奏会だった。第3を実演奏で聴けること自体に幸せを感じるアントンKであるからそう思うのかもしれないが、実に的を得た立派な演奏だった。指揮者が尾高忠明に代わって、どんな内容なのか興味を持っていたが、やはりそれまでと同じような生真面目で奇てを狙わない演奏内容だった印象が残っている。言ってみれば昔鑑賞したN響とのブルックナー第8番の延長線上にある演奏とでも言えるかもしれない。ある意味教科書的であり、何百何千と聴いてきたアントンKにはオーソドックスに映る。目隠ししたら誰の演奏なのか解る自信がない演奏。尾高氏の演奏はそんな印象だった。

しかし今回鑑賞したブルックナーは、今までのそうした印象を払拭してしまい、新たな境地へ進んだように感じたのである。これは、現在音楽監督の大阪フィルだからこそ可能になった演奏なのかもしれないが、今までに経験したことのない演奏だったことは明らか。誰とも異なる独自性の高い尾高氏のブルックナー第5がアントンKに迫ってきたのである。

朝比奈時代に体験した大阪フィルの重厚な音はいまだ健在で、ましてや第一楽章冒頭の全奏が鳴ると昔が蘇るように感じたのだが、演奏内容はまるで異なりアントンKには度肝を抜かれた想いになったのだ。インテンポ演奏が基本であると感じていたブルックナーは、かなりの緩急を伴った激情的な表現であり、管楽器群の明瞭な響きや打楽器の強打は最高。指揮者尾高氏が意図して求めている響きであることが、面白いように分かった。全体的にも手際のよい演奏で、次々と場面を変えていくのだが、第1楽章のコーダで急にテンポを落ち着かせ、弦楽器の旋律を強調しながら突っ込んでいく、あの解釈は素晴らしく、アントンKに強く響いてしまったポイントだった。そして第5では問題となるフィナーレの演奏だが、金管群を補強することなく、かなり早いテンポで終結を迎えたのである。

今回のブルックナーは、アントンKにとっては問題演奏となった。それは今までの定説を覆し、全く新しい演奏スタイルで、この巨大な第5に挑み、今まで経験のない新たな感動を与えてくれた演奏だったからだ。その感動要因は、弦楽器群の力量にあったことを記しておかなければならない。とかくブルックナーは、金管楽器に注目されがちだが、実は楽曲を支える弦楽器にこそ命綱があると思っている。第1楽章の二主題に出るピッチカートの瑞々しさ、副次主題のビオラの雄弁な響き、そして何と言っても楽曲全体を占める弦の刻みの分厚さは比類なく、コンマス崔文洙氏をトップに繰り広げられた弦楽器群のパフォーマンスは、アントンKの心に熱く響いたのである。尾高忠明氏のブルックナー、今までとは同列に扱えなくなった。さらに期待して次を待ちたいと思う。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第54回東京定期演奏会

ブルックナー 交響曲第5番 変ロ長調(ノヴァーク版)

指揮    尾高 忠明

コンマス  崔 文洙

2022年2月14日 東京サントリーホール

 


いつも憧れた「博多あさかぜ」の豪華編成~EF66

2022-02-12 16:00:00 | 鉄道写真(EL)

夜行寝台特急、いわゆるブルートレインが消滅して約6年以上の月日が経った。(2015年8月23日着 8008列車「北斗星」が最終日)アントンKは幸いにも、これらブルトレを20系から、14系、24系、25形と時系列に体験し記憶することができたが、その体験の中で一番印象的だったのは、24系客車がリニューアルして内外装を一新し、二往復していた内の1往復、つまり博多-東京間の「あさかぜ」に使用されたことだった。もちろん、純粋にブルトレの中では、20系客車が今でも最高だと思っているが、この20系時代から、博多行き「あさかぜ」は、個室A寝台車を連ね豪華編成だった。24系客車に代わってからも、ゴールド3本ラインの外装になり、他の編成との差別化を図ったようであった。以後、ブルトレそのものの衰退とともに消えてしまったが、急行「銀河」の続行で、颯爽に上がってくる「あさかぜ4号」は、アントンKにとって当時から別格に思えたのである。

ここでは、その「あさかぜ4号」、冬至間もない時期に富士付近で撮影したものを掲載しておきたい。今の機材ならまだしも、フィルムカメラでは、限界を越えた暗さ。日の出直後はわかるが、さすがに画面を潤すだけの力が生まれたての日光には無かった。被り付いて気持ちだけでシャッターを押した渾身の1枚となった。

1989-12-12   10列車 あさかぜ4号 EF66 47      JR東海/東海道本線:富士付近


白い首都圏、またもお預け・・D51 498

2022-02-10 20:00:00 | 鉄道写真(SL)

何日も前から雪、雪、雪と繰り返されていたが、ふたを開けてみれば長雨の様相を呈した。これから日が落ちて気温が下がってくるとどうなるのかまだ判らないが、やはり都市気候、温暖化の影響なのか、確実に東京で降雪は減ったと感じている。目に馴染んだ自宅の景色が、一夜にして別世界に代わる、あの感覚は昔から好きだった。そんなほどほどの雪景色がまた見てみたものだ。

この冬は、雪中撮影に挑もうと張り切っていたが、未だに実現出来ていない。まだチャンスはありそうだが、どうなることやら。昔を思い出して、90年代のこの時期、よく行っていた磐越西線の蒸機撮影の画像から1枚。雪中撮影は、イメージだけがどんどん先行して、結局思うようにはならないことがほとんど。この画像もそんな失敗作だろうか。特に蒸機撮影は、風の影響をもろに受けやすく厄介に感じる。この時も雪が止み、一時的に視界が利くようになったところに現われたデゴイチだったが、シャッターポイントでいきなり煙が風にあおられ、無残な画像に終わってしまった。一瞬で崖から突き落とされたような感覚。これだから、沼にハマるのだ。鉄道撮影は辞められないのである。

1996-02-03  9224 SL磐梯会津路号   JR東日本/磐越西線:更科信号所-翁島