ここのところ、普段から撮影している電気機関車から少し離れて、以前から気にかかっていた電車ばかり乗ったり撮影したりしている。東急をはじめ、京王、小田急、アルピコ、長電、そして秩父や東武鉄道と、今年になってから、いつになくカラフルな画像が溜まってきた。
昔よく乗車した電車を撮影したり、乗ってみたいと思いながらそのままだった電車に身を委ねたり、好き勝手に思いつくままの行動だ。列車を待つ間、そして乗車して外をボーッと眺めて過ごすひと時が、とても貴重で有意義に感じる。たった数十分でも現実逃避できて、どこかリフレッシュ出来ていることに気づかされる。大切な時間。アントンKには、音楽鑑賞と同じくらいこんな他愛もない時間が必要に感じている。
もう20年以上の時間が流れてしまった、583系電車の引退。実際には、6両という583系らしからぬ姿で、臨時仕業で活躍し延命を図っていたが、アントンKには、その姿が痛ましく見えあまり好まなかった。掲載写真は、いよいよ東北特急「はつかり」から引退してしまう世紀末2000年の正月臨を狙いに、強行軍にて向かった奥中山で撮影した583系特急電車。月光型と呼ばれデビューした581系だが、アントンKには、やはり東北特急「はつかり」や、夜行寝台特急「ゆうづる」と呼んだ方がピンとくる。最後はどうしても東北本線最難所である雪の十三本木峠で撮影したかった。夜明けとともに線路端に立ち、日も差さない峠道で、狙いの列車を待つ時の辛さは忘れない。何で正月早々、こんな所に来たのか?何度も自問自答を繰り返して、その時を待つ。3条のシールドビームが現れた時、それまでの邪念が全て無になった。
2000-01-04 8033M はつかり 583系 JR東日本/東北本線:奥中山-小繋