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アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

あれから24年~碓氷峠の残照EF63

2021-05-25 17:00:00 | 国鉄時代(カラー)

今月は、信越線の横川駅ちかくにある碓氷峠鉄道文化村でのイベントに合わせて蒸気機関車が走った。蒸機運転そのものは、週末を中心に実施されているようだが、文化村関連での運転は珍しい事かもしれない。

もと横川機関区の跡地を整備して出来上がった鉄道文化村は、ここの主として長年君臨していたEF63の展示や体験運転など、今でも行っているようだが、去年からのコロナの影響で、来場者も減少してしまっていると思われる。アントンKもかつては何度か出向いたことがあるが、雨ざらし状態の展示車両の無残な姿を見て、とても気持ちが辛くなった思い出がある。かつて国鉄末期の頃、大宮工場の片隅で、廃車解体を待つ車両たちを思い出してしまうのだ。塗装は褪せて白く粉が吹いているし、赤錆も痛々しくて、鉄道ファンには耐えられない場所に思えた。車両の展示ではなく、まるで墓場に感じてしまったのは、アントンKだけではないはず。コロナ時代になり、この文化村の将来を益々案じてしまうのであった。

ここでは、まだ碓氷が廃止になるなんて思いもしない、国鉄時代のEF63を掲載しておく。廃止が決まり鉄道ファンに溢れた碓氷峠の印象も深く残ってはいるが、貨物列車が行き交い、まだ綺麗に整備されたロクサンこの時代の雄姿はいまだに忘れ難い。物干しざおのようなアンテナの無いロクサン重連、特急「あさま」。189系12両で、これが本来のあるべき姿だろう。急坂を下る時こそ低速で、空気ばねを潰した痛ましい走行音は、まだ耳から離れないでいる。

1986-09-14   3012M    EF6317 特急「あさま」  信越本線:横川付近


「国電」の走るTOKYO~103系 & 113系

2021-05-24 17:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

鉄道を撮影したことがある方なら、一度は訪れたことがある駅、田町。この駅の東京寄り先端は、大昔から気軽に列車の撮影を楽しめるポイントとしてファンの間では有名だった。その昔、月刊誌等で度々ブルートレインの写真が掲載され、アントンKにとっては憧れの地でもあったことを思い出す。

掲載写真の日も、夕方下る寝台特急の撮影に出た時のもの。東京発16:30の「さくら」からスタートする下りのゴールデンタイム。諸先輩方の写真を参考にしてホームの先端に立っていた。これは、フィルムのコマ順からして、そのゴールデンタイムより前に撮影していた当時の国電。山手線、京浜東北線の主力は、ご存知103系電車。上り下りどちらも離合しているところへ、東海道線がアウトカーブから迫ってきたシーン。同一画面に4列車を入れて撮影しているが、見苦しい画像も当時の腕を考えればこれが限界だろう。モードラも無く、旧い200mm単レンズを構え、もちろんマニュアルフォーカスでピントを追った。こう考えると、何て現在は楽勝でシャッターを切っているのだろうか。技術の進歩はやはり偉大なことに思えてしまうアントンKなのだ。背景に写る「ナショナル」の看板も懐かしいが、ここでも大きなダブルクロスポイントが画面の真ん中に鎮座している。やはりポイント、当時から好きだったのかもね・・・

1975-09-26    335M クモユニ74ほか113系    東海道本線:新橋-品川


美しき斜光線///~DD51

2021-05-22 20:00:00 | 国鉄時代(カラー)

今年は、五月晴れに出会うことが無かったように思う。東京ではどんよりした梅雨空が続いている。

すでに梅雨を迎えているような、不安定な空模様・・

せめて気持ちだけは明るく前向きで、日々過ごしたいところだ。

 

この日は、一日中晴れ渡り、気分よくカメラハイクした思い出がある。

地方に遠征して天気に恵まれると、昔から一気に撮影意欲が高まったもの・・

日没寸前のタイミングで、乗車する列車を本日締めのカットでパチリッ!

昔も今も、一番好きな時間帯。

1985-10-19   鳥取県/ 山陰本線:下市

 


「音楽の力を信じたい!」~新日本フィル/アルプス交響曲

2021-05-21 17:00:00 | 音楽/芸術

長年クラシック音楽を聴いてきたアントンKだが、その大部分はオーケストラの奏でる管弦楽曲を中心に鑑賞してきた。近年こそ、いつもここでご登場願っているヴァイオリニスト崔文洙氏のおかげで、クラシック音楽でもソロリサイタルや、あるいは室内楽曲にまで鑑賞の幅は広がりつつあり、新しい音楽の魅力の再発見にワクワクする日々を送れている訳なのだ。

いつもは、大編成のオーケストラ楽曲こそコンサートホールへと足を運び、生演奏を聴くべきだと思ってきたが、最近ではその考えも変わりつつある。もちろんベートーヴェンの第九を筆頭にその考え自体は変わらないが、編成が小さくなればなるほど、演奏者自身を演奏から感じることが可能で、まさに一期一会の時間空間を共有することができることがわかった。

昨年から世の中が不安定となり、現状の何ともやり切れない気持ち、そして先を見据えるとさらに鬱々と成りがちな心の葛藤との付き合い。アントンKの場合、一時でも趣味に没頭することで、何とか今まで乗り越えてきたように思える。線路端で友人達と交わす他愛もない会話で救われ、そしてまたコンサートホールでの一時の心の集中と解放で、次の一歩を踏み出せる気がしてならないのだ。目に見えない空間芸術だからこそ、音楽には無限のエネルギーが存在するし、アントンKには今後も無くてはならないカテゴリーであり続けることだろう。アントンKは生涯音楽の偉大なる力を信じたいのだ。

そんな気持ちにさせてくれた、今回の新日本フィル定期公演。入場制限も大幅にされながらも大変素晴らしい演奏だった。前半に演奏されたモーツァルトは、二人のピアニストの個性が演奏から垣間見えて、それに付けるオーケストラの柔軟さが伝わってきた。これには、指揮者の秋山和慶氏の演奏経験が生かされていたのか。明快な解釈で優美な演奏に思えたのだ。そして後半の「アルプス交響曲」は、しばらく大オーケストラ音楽の醍醐味を忘れかけていたアントンKが一撃を食らわされたような衝撃的な演奏だったと書いておきたい。10年以上前、大植氏が大阪フィルを東京まで引き連れて演奏したアルペンも強烈な印象が残っていたが、今回はそれ以上か?近年稀に見る内容ではなかったか。この音響のスペクタクルとでも言うべき、多彩な音色をきっかり明確に描き出した指揮者秋山氏の技量も大したものだったが、それにとことん付いていったオーケストラの”ここぞ”の場面の力量は凄いものがあった。それは、単に爆音だとか轟音といった疲れる音ではなく、あくまでも音楽的な筋の通った音色として聴衆を魅了していたのだ。バンダを含めたホルンの主張は痛快であり、それにも負けじと弦楽器群の大健闘が嬉しかった。語れば切りが無いくらいだが、最も印象的だった部分は、嵐が去った後の部分。安堵感と静寂な空気感、日没で夜を迎える空の色合いが目に見えるようで、こんな光景、去年からしばらく見ていないと思うと、一気に目頭が熱くなってしまったのだ。遠くの方からオルガンの響きが聴こえ、ホルンが雄弁に語った後の崔氏率いる弦楽器群の気持ちの籠もった回想シーンは絶品であり、全体の白眉に感じたのである。

新日本フィルハーモニー交響楽団的演奏会 ジェイド

モーツァルト     2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K365

R.シュトラウス    アルプス交響曲  OP64

指揮者        秋山 和慶

ピアノ        伊藤 恵

           小菅 優

コンマス       崔 文洙

2021年5月20日 赤坂サントリーホール

 


復活蒸機の立役者C57 1~SLやまぐち号

2021-05-20 14:00:00 | 国鉄時代(カラー)

現役蒸機運転を知らないアントンKだから、山口線に蒸機が復活すると聞いた時にはぶっ飛んだ。当時、周りの鉄チャン仲間は、ほとんどが現役蒸機経験者であり、蒸機撮影のウンチクを多々教示されたもの。そんな話だけの世界から、生きている蒸機をこの目で見られるという幸運に胸躍ったものだった。あれから40年以上の時間が経ち、一時はほとんど姿を消してしまった蒸気機関車は、ほぼ全国で見られるようになった。これはある意味凄いことで、観光資源としての新たな役割を蒸機が担うようになってからも久しくなった。

しかし昨年からのコロナ感染症の影響を受け、鉄道会社はどこも経営が大変な状況下に陥っている。アントンKもここまで長引くとは思ってもみなかったが、このままだと元通りの回復はおろか、目を覆う事態に成り兼ねない。何しろ蒸機の維持、管理そのものは、大変な額の費用が発生すると聞く。本当に困ったものだ・・・

掲載写真は、山口線の「SLやまぐち」号運転初日の晴れ姿。当初は集煙装置を付けられ、ちょっと不格好に思えたC57だった。客車もオリジナルの12系客車で運転され、どこか時代を物語っている。今ではD51 200号機の仲間も増えて、今後の活躍にますます期待したいところだ。

1979-08-01  9522ㇾ   C57 1  「SLやまぐち」運転初日     山口線:津和野-船平山