スマホから、けたたましい警告音が鳴り響き、恐怖をあおられている。8年前の震災の光景が目に浮かんでしまうくらいの切迫感のある音が鳴り、気持ちが暗く沈んでしまった。多摩川が増水で氾濫の危険性が高まっているらしい。まだこれから台風が近づいてくるタイミングで心配この上ない。
今の時代、情報だけが先へ先へと急いであおりまくられ、まともに信じたお年寄りなど、かえって危険なのではないだろうか。この時間、近所の鉄道は運休、幹線道路も車は嘘のように少ない。大都会東京は、文字通りマヒ状態に陥った。何事もなく、また真っ青な秋空が見たいものだ。
昔、東横線の窓から、増水した多摩川を見て驚嘆したことがある。その時は、普段あるはずのグランドは消え去り、土手いっぱいにあふれ出た濁った川の水量に言葉を失ったのだが、こんなでも電車は動いていた記憶がある。安全に勝るものは無いが、必要以上の危機管理であおりまくり、災害を最小限にというやり方は、その線引が難しいところだ。
多摩川を渡るEF10直流電気機関車。ちょうどこのポイントの上流に、東急東横線の鉄橋がある。昔から多々思い出が多い場所だけに、無事の願いをこめて掲載しておく。ヒサシはなく、のっぺらとした端正な顔立ちで迫りくるEF10は、東京機関区のカマ。ステップの白塗りがその証。遠い夏の日の思い出の1枚。
1976-08-10 単5580ㇾ EF1030 品鶴線にて