今年は、十数年振りにEF5861との再会を果たした年でもあった。あまりに月日の経つのが早く、ずっと前のような、ついこの間のような何とも記憶が定まらないくらいの出来事だった。ロクイチに関して色々な逸話話や数々の噂が湧いてきては消えていき、うんと時間が経ってしまった。特別この機関車に固執している訳ではないが、EF58を長年見て感じて、そして撮影してきたアントンKとしては、やはり数あるゴハチと同一線上には語れないだろう。幸運にも、過去にロクイチの本業ともいえる御召仕業にも何度か出会うことができ、あの時の感動があるから、どうしても他の機関車とは同じに並べないのだろう。
どんなに並んでも、暑くても、もう一度この目で見たいと思っていたEF5861だったが、すぐにでも動き出しそうなたたずまいで、僕等の前に威風堂々と姿を現していた。ただそこに止まっているだけで、過去の数々なシーンが蘇ってきた。ちょうどLPレコードに針を落とし、大好きな楽曲を耳にした、あの感動だった。きっと、あの場所に集まった全ての機関車ファンは、そんな気持ちで満たされていたことだろう。平成も30年、そして来年は新たな元号へと移っていくが、願わくば、もう一度だけ走る姿を拝みたい。今年は特にそんな思いが沸いてきた年だった。
掲載写真は、そんなEF5861のものから1枚。102ㇾ急行「銀河」の回送列車をEF5861がけん引した時のシーンを。品川までの短い回送シーンだから、思い出多い田町で迎撃。晴れれば逆光となり見苦しくなるが、もう二度と無いシーンだからと思いリバーサルを切っている。
2002-08-02 回102ㇾ EF5861 24系25形x9 JR東日本/東海道本線:田町にて