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アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

チャイコの第4・5・6番を一挙に・・

2015-07-12 21:00:00 | 音楽/芸術

今日は、ロシア国立交響楽団の演奏会を友人とともに聴きに行ってきた。

30年来の友人からのお誘いを受けて出向いた訳だが、その友人曰くプログラムが凄い。チャイコフスキーの後期のシンフォニーを一挙に演奏するというのだ。一日のプログラムで、チャイコの交響曲を2曲、つまり前半と後半とに分けて演奏することも稀に思われるが、3曲となると、今までそんな馬鹿げたプログラムはあっただろうか?アントンKが知る限りなかったのではないかと思う。チクルスとして、何日かで演奏したことは、かつてスヴェトラーノフも日本の来日時にやっていたし、珍しいことではなかったが、1日で3曲とは聴く方も中々体力がいる。まして、ロシア国立交響楽団は、かつてのソビエト文化省交響楽団のことで、強烈なパワーオーケストラであるから、演奏内容によっては、演奏者も聴衆もフラフラになってしまうだろう。

ある意味覚悟して出向いてきたが、結果としてはちょっと様子が変わっていて、チャイコフスキーを正面から楽しめた内容であった。演奏によっては、もっと力づくになって耳がつんざける位の音量で、聴衆を圧倒する演奏も可能なオーケストラだろうが、今日の内容は、ちょっと拍子抜けをくらったくらい内面性の高いものだったように思う。

第4番から始めて第5、第6と進めて行くが、やはり演奏者の体力の温存のためか、後半に向かって管楽器が鳴っており、これは明らかに今日のプログラムのために構成されているように感じてならない。確かに、管楽器奏者も曲により入れ替えでバランスをとっていたようだが、(Ob,Fl,Cr,Tp)第6の第1楽章の音量とオケのバランスは、それまでとは明らかに異なっていた。特に展開部から再現部に向かうホールを圧倒するクレッシェンドは、今日の聴きどころのトップ3に入るくらい凄まじかった。また第3~第4楽章についても、ここへきてオケが全開になっており、本来のこのオーケストラの力量が発揮されていたように思われる。

もし今日のようなプログラムではなく、通常のようなプロで構成された日に、今日聴いたような第4や第5だったら、アントンKは興ざめしていただろう。今にして思えば、あまりにもオケが鳴っていないから・・・

最後に聴いた第6で、少し自分の中のうっ憤は晴れたが、元来アントンKは、その日のプログラムにより、演奏内容を制御するやり方を好まない。交響曲を3曲続けるからといって、自分の解釈を変えるやり方はいかがなものかと思っている。まあ、演奏者たちにとってもまだコンサートツアーは始まったばかり・・・長丁場の体力維持に必死なのかもしれない。日本全国を廻るようなので、是非とも各地で良い演奏を繰り広げて頂きたいと思う。

最後になってしまったが、今回の指揮者であるポリャンスキーだが、なかなか個性的な解釈で面白かった。プログラムで演奏内容を替えているなら、ちょっと根本的に違う人になるが、指揮振りを見ていわゆるロジェヴェン~スヴェトラーノフの系統を継ぐ指揮者のように思えた。指揮台を使わずの、大ぶりな指揮は豪快であった。

2015-07-12

ロシア国立交響楽団 2015 日本ツアー

チャイコフスキー 交響曲第4番 へ短調op36

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横浜みなとみらいホール