風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

タヌキは寝入ることもできない(転生人悟道断)

2005-07-13 22:40:39 | トリビアな日々
racoon_dead
死に親しくなると言っても、こんなに畳み掛けると引かれてしまうかもしれないが、もうふた月ほどの時間がたってしまったから忘れられてしまったかも知れない。ボクは秩父にいった時、吉田町塚越の「山の花まつり」を見学し、秩父困民党の足跡を訪ねたのだった。その際、家族サービスで立ち寄った「苺刈り農園」に向かう途中でその死体を見つけた。どうやら、県道をまたごうとして車に跳ね飛ばされたタヌキのようだった。腐敗しかかって、異臭もしていたがそんなに日が経ったものとは思えなかった。

ボクは、何故か動物などの死体に遭遇することが多い。で、それも放置されているものを弔って欲しいからだろうと思い定めて、なるべくなんらかの処置はしてあげることにしている。この時の、タヌキの死体も埋めることは出来なかったが、県道に横たわっているものを草むらに移動してあげた。しかし、それだけでもボクの身体には死臭がまつわりついて、その日の夕刻、「道の駅」のひとつで温泉に入るまで、メシを食べている時も、歩いている時もボク自身の死臭のように、その腐敗臭はまつわりついてはなれなかった。

しかし、長い間、里山を人間と共有してきたタヌキにしてみれば、この数十年来のアスファルト道路の縦横な開通は身の危険を増やしただけだった。事実は、タヌキにしてみれば「タヌキ御殿」どころかタヌキの生息地も脅かされているのである。かっては、町中に営巣し親しかったツバメといい(それは「幸」をもたらす鳥と言われて、かっては営巣をひとびとは歓迎したものだった)、里山に伝説がたくさん残っているように、ひとびとにとって親しみのある野生動物だったタヌキなどの動物たちの生息環境がますます失われていっている。絶滅危惧種というレッドデータブックに掲載された時は、その野生動物はわたしたちの前にはもう二度と永遠に姿を表わすことはない。

わたしたちは、このような野生動物に苛酷な試練を課している状況を憂いるだけでなく、かれらの環境を回復する手段でもある私たち自身のたましいの「故郷(フルサト)」である里山を積極的に作っていく(トラストもひとつの手段だが、植林によって回復していくことも重要)ことにもっとこころを砕くべきではないだろうか。

本日の、「転生人悟道断」(生まれ変わってのち、ひとは悟るがそれは後のまつりであるの意←言っておきますけど、創作です。こんな言葉はありません!)である(笑)。

※現在の主な絶滅危惧種(日本版レッドデータブックによる)
哺乳類 ツシマヤマネコ、オガサワラオオコウモリ他
鳥 類 シマフクロウ、ノグチゲラ他
爬虫類 キクザトサワヘビ、イヘヤトカゲモドキ、セマルハコガメ他
両生類 アベサンショウウオ、イシカワガエル、イボイモリ他
魚 類 ミヤタナゴ、リュウキュウアユ、メダカ他
植 物 コゴメキノエラン、サギソウ、カクレゴケ、マリモ他
ここにあげたものを含め693種の野生動物が日本だけで絶滅の危機におちいっています。
ちなみに、世界では6,721種の野生動物がリストアップされています(2004年IUCNによる)。


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3 コメント

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伊豆で釣り船のお仕事してる叔父が居るんですがお... (ユミ)
2005-07-14 12:29:26
伊豆で釣り船のお仕事してる叔父が居るんですがお客さんを乗せた海でヒトに出会った事があると聞きました。
みんなで船に引きあげて連れ帰り、警察を通じて親族に連絡が行き大変感謝されたそうです。当然の事、それだけのことですが、叔父を深く尊敬しました。
何でもない事のようにそれを話す叔父は自然と関わって生きて来たリアルな存在として初めて私は認知されたのでした。敵わないです。
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最期ミスタイプしてます。私が認知されたのではな... (ユミ)
2005-07-14 12:32:01
最期ミスタイプしてます。私が認知されたのではなくて私が認知したのでした。「に」が抜けました失礼。
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そういえばヒト科ヒト目は絶滅危惧種ではないので... (フーゲツのJUN)
2005-07-14 16:56:35
そういえばヒト科ヒト目は絶滅危惧種ではないのですね。
ユミさんの叔父さん、ご立派ですね。勇気があります。オイラは人見知りなもので、ヒトの死体はどうも……。
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