風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

E.G.P.P.版「真夏の夜のJAZZ」/JAZZ on a Midsummer's night at E.G.P.P.

2006-08-21 23:50:18 | コラムなこむら返し
 Step61は八月のしょっぱなだった(4日)。今回のテーマに戦争はなかったのだが、さすがにというかエントリーした何人かが戦争をテーマにしていた。おもとさんのひとり芝居、やまさんそれに北村イエスさえも……。
 もちろん、戦後世代の提示する戦争ゆえに、そのリアルさも説得力もないかもしれない。しかし、戦後世代が戦争体験の精神のリレーの中継ぎをしなかったら、だれが伝えるのだろう。
 それにしても、風化したとはいえ、今回の「靖国問題」のような(靖国問題は首相の靖国神社8・15参拝ということにとどまらない、A級戦犯とその合祀の問題、分祀できるのか、そもそも靖国神社とは何なのか、靖国とは別に施設が必要なのかなど、問題は多様であるが、その在り方も含めてたくさんある)左右に分かれての論争が起ってみると、参拝するのは「心の問題」どころか、「靖国神社」をこれまでタブーにしてきたものは誰なのかと言う事を問いたくなる。

 ともかく、この日のテーマは「真夏の夜のJAZZ」であった。MCとともにDJとしてゆったりと間をとって、またエントリ-者の表現にあいそうな曲をチョイスして、クラブのりで進行した。なにしろ、ボクの大好きなジャズである、そう、スピリチャル・ジャズのオンパレードだった!

 この日、ボクはダルマ舎(平山)さんを「E.G.P.P.のJJ氏」と呼んだが、コルトレーンの「ole(オレ!)」に合わせて一気呵成に読んだダルマ舎さんの詩は、スピード感もあってなかなか素敵だった。この日のために書き下ろしたものらしい。あと10分ほど書き足せば「ole」を完走できるだろう!

 やまさんは、病気入院で痩せて精悍になっていた。アンコールがでるほどの熱唱だったが、一番うれしかったのは、古巣に帰郷した思いと言う感想だった。しかし、ボクも初めて聞いた山本ハジメチトセの歌は元ちとせファンのボクにも新鮮でした。

 そのやまさんが敬愛してやまないおもとなほさんは、「夏の思い出」という唱歌と戦争と言う記憶をお盆にふさわしいような語り口で語る芝居だった。ボクはそれに阿部薫のアルトサックスのソロのBGMをつけた。

 bambiさんの話術には、いつも感心させられる。というのも、この日、なんの用意もせずに、実に見事に話をまとめ、そしてちゃんと主張があるのだから……。
 
 ほかに久しぶりにPARAさん、コボリさんがエントリーしてくれました。DJとしては気持ち良く流させてもらいました。その分、MCがおろそかだったかもしれませんが……。

 ひとつ印象深い事を書いておきたい。オーディエンスで、このイベントの場所(大久保「水族館」)を「ジャズ喫茶」と信じて遊びに来てくれてた女性がいた。きっと、この日「『水族館』がJAZZ喫茶になる!」とうたったボクのキャッチ・コピーのせいだったかもしれない。彼女は映画『初恋』を見て、そこでえがかれたジャズ喫茶『B』に憧れ、検索してボクのこのブログにたどりつき『初恋』の感想のくだりを読み、さらにこの日のイベントを知ったらしい。いま、このようなジャズ喫茶に憧れ行ってみたいと思うひとがいた、ということだけでもボクは嬉しかった。
 映画『初恋』には、たくさんの女子高校生が制服姿のまま見に来ていた。おそらく自分達と年齢も近い主演の宮崎あおいのファンなのだろうが、その中のひとりでもジャズ喫茶をカッコイイと感じてくれるひとが登場する事を祈る。わずかなりと残っているそんなジャズ喫茶にそんな若い娘が通ってくれれば、それにつられて男も通いだすだろう。そうしたら、ジャズ喫茶は復活し、ボクも通います(笑)。

 次回、STEP62は9月1日(金)の防災の日に行われます(笑)!
 近日中に告知します!