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■ 堂ケ島温泉 「晴遊閣 大和屋ホテル」 〔 Pick Up温泉 〕



<堂ケ島温泉 「晴遊閣 大和屋ホテル」>
(神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下66、14:00~16:00時間確認要(予約要?)、2,000円、0460-82-2261)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

室町時代の臨済宗の高僧、夢窓国師(夢窓疎石)の開湯伝承をもつ箱根堂ヶ島温泉の二軒の老舗宿のひとつ。
R1東海道の宮ノ下の手前からすこし早川寄りにおりたところのPに停め、自家用ロープウェイ「夢のゴンドラ」で早川の谷底にある宿までおりていきます。
定員5名のかわいい「夢のゴンドラ」は、高低差60mを2分30秒かけて下っていきます。
ちなみに堂ヶ島のもう一軒の宿「対星館 花かじか」(日帰り不可)は、自家用ケーブルカーでのアプローチです。


【写真 上(左)】 大和屋ホテル全景 (「対星館」庭園より)
【写真 下(右)】 看板

乗り場に操作員のおじさんが番人のごとく待ちかまえていました。
「今日は貸切露天は予約一杯で入れない」とか「日帰り入浴は1人2,000円する」とか「ほかにも安い日帰り湯がある」とかいうので、「底倉や宮ノ下じゃなく堂ヶ島のお湯に入りにきた」というと、「お湯は『太閤湯』とおなじ」となかなか手ごわい ^^;)
なんとなく、日帰り客を入れたくないというか、ロープウェイを動かしたくない様子。


【写真 上(左)】 ロープウェーのりば(上)
【写真 上(左)】 かなりの傾斜です

自遊人パスポ利用とはいえ1人は正規料金、しかも平日にあらかじめ電話予約までしてきているのでさすがにカチンときて、「事前に電話で予約しているし、貸切露天に入るつもりはない。底倉からの引湯でもかまわない。」と強めに出るとあっさり動かしてくれました。
どうやら予約なしで強行突入をはかる客が多いようで、基本的には「ご入浴とお食事プラン」優先のような気もしました。


【写真 上(左)】 緑のなかに赤屋根
【写真 下(右)】 ロープウェーのりば(下)

堂ヶ島のふかい渓谷に向かってゆっくりとおりていくロープウェイは雰囲気のあるもの。
見下ろすと一面の緑のなかに旅館の赤い屋根が鮮やか。
3分弱で到着、さらに階段をおりると赤い橋の向こうに重厚な玄関を構える風格あるアプローチ。


【写真 上(左)】 趣ある館内
【写真 下(右)】 早川の渓流沿いにあります

扉をあけると番頭さんがお出迎え、帳場で女将が受付。
自遊人パスポがでて間もなかったので、女将はしげしげとパスポをながめつつ、「こんどはお泊まりでいらしてくださいね・・・」(笑)、でも応対は悪くなかったです。
堂ヶ島温泉は子供の頃なんどか「対星館」に泊まったことがありますが、ここははじめて。


【写真 上(左)】 浴場へのアプローチ
【写真 下(右)】 「大閣夢の岩風呂」入口

浴場は、男性大浴場「大閣夢の岩風呂」、女性大浴場「大閣夢の岩風呂」、男女交替制の「長寿野天風呂」、「女性用野天風呂」と貸切野天風呂「ねねの湯」(日帰り別途料金、予約制)、さらに家族風呂「茶々」「薬師」「利休」(たぶん日帰り不可)と多彩です。
当日は「大閣夢の岩風呂」と「長寿野天風呂」、連れは「大閣夢の岩風呂」と「女性用野天風呂」(つながっている)に入りました。

廊下を渡り階下におりたところに大浴場「大閣夢の岩風呂」(男女)、階段をのぼって屋上テラスを抜けた奥に「長寿野天風呂」があります。


【写真 上(左)】 「大閣夢の岩風呂」
【写真 下(右)】 「大閣夢の岩風呂」から早川の渓流

「大閣夢の岩風呂」はいかにも老舗らしいゆったりと落ちついたもの。
すぐ眼下には水量ゆたかな早川の流れ。
さしものR1の喧噪もここまでは及ばず、瀬音のみが耳に涼やかな癒し系浴場です。
カラン5(温泉)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日13時で独占~2人。


【写真 上(左)】 「大閣夢の岩風呂」大浴槽
【写真 下(右)】 「大閣夢の岩風呂」大浴槽の湯口

大浴槽(岩枠タイル貼20人以上、熱め)と小浴槽(同10人程度、ややぬる)の2槽があります。
大浴槽は、豪快に組み上げられた岩の湯口から20L/minほど投入+側面注入で上面排湯。
小浴槽も、岩の湯口から10L/minほど投入で上面排湯。
ともに湯口には石膏系の白い析出が盛大に出ています。
また、小浴槽の湯口をのぞくと3本のパイプが入っていました。


【写真 上(左)】 「大閣夢の岩風呂」小浴槽
【写真 下(右)】 「大閣夢の岩風呂」小浴槽の湯口

「長寿野天風呂」は、休憩用東屋と巨大な石灯籠を配した豪勢なもの。
「秀吉入湯 源泉太閤湯」という立て札が立っています。
岩枠石敷10人以上の浴槽に岩の湯口から25L/minほども湯滝状に投入で上面排湯。
別に木の湯口がありますが投入はなし。湯温はやや熱めです。


【写真 上(左)】 「長寿野天風呂」-1
【写真 下(右)】 「長寿野天風呂」-2

お湯は露天と内湯で大差ありません。
かすかににごりを帯びたお湯には少量の茶色の湯の花がただよいます。
口のなかで上滑りするような特有の芒硝味に芒硝臭。わずかに薬品っぽいとんがった臭いも感じましたが、これは芒硝臭かもしれません。
とろみとヌルすべが明瞭な、箱根らしいやわらかくやさしいお湯です。
よくあたたまり浴後は肌がしっとりと落ちつく、なかなかに味わいぶかいお湯です。


【写真 上(左)】 「長寿野天風呂」の湯口
【写真 下(右)】 内湯の湯口

ロケといいお湯といい、いかにも箱根の老舗らしいしっとりとした落ちつきが感じられ、好感がもてました。

くだんの操作員おじさんですが、かえりは愛想よく動かしてくれ、「お湯はどうでした?」と尋ねるので、「どうやら『太閤湯』とはちがう源泉みたいだけど、お湯はよかったですよ。」と応えると、ニヤりと笑っていました。(けっこう詳しそう・・・ ^^;)

Na-塩化物泉 53.6℃、pH=8.1、70L/min自然湧出、成分総計=1048mg/kg、Na^+=279mg/kg (83.97mval%)、Ca^2+=30.8 (10.69)、Cl^-=376 (75.44)、SO_4^2-=81.0 (12.03)、HCO_3^-=93.3 (10.89)、メタけい酸=137、メタほう酸=15.0 <H8.2.2分析> (源泉名:底倉、宮ノ下温泉(太閤湯)台帳番号 元温泉村第25.26.41.43.65.102号混合泉)

■自遊人の記事には「6つの源泉(掘削自噴5、掘削動力揚湯1)を混合」とあります。
分析書の源泉地は宮ノ下字堂ヶ島92,93,86-3,95、底倉字底倉266,254-7、源泉名は「底倉、宮ノ下温泉」とあるので、やはり底倉方面からの引湯があると思われます。
ちなみに元温泉村第25.26号泉は、かつて「太閤湯」でつかわれていた源泉のようです。

■館内掲示には「源泉は室町時代からのものと当館で持ったもの等5本ありまして、無色透明弱アルカリ泉や弱塩類等それぞれ異なりますがとても良質で美しくきらきら光っているものもあります」とありました。

<温泉利用掲示>(大閣夢の岩風呂、長寿野天風呂)
 加水:あり(浴槽洗浄後のみ) 加温:なし 循環装置等使用:なし 消毒処理:なし

■ブランドグルメ
〔菜の花の箱根のお月さま〕
温泉まんじゅうは箱根湯本の名物として有名ですが、なかでも人気の高いのが、「菜の花の箱根のお月さま」。
徳島の和三盆糖蜜、沖縄波照間の黒糖、北海道低農薬有機小豆など素材を吟味し、自家の井戸水で晒して飽和蒸気で蒸し上げる(以上HPより)手間ひまのかかった温泉まんじゅうで、とくに女性に人気があります。

〔 2009/12/05UP (2006/8入湯・2008/05/23レポ) 〕


E139.3.56.310N35.14.28.530
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