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〔 温泉地巡り 〕 八塩温泉

おおまぬけにも、八塩温泉のうえに磯部温泉を上書きしてしまったので、
現在、八塩温泉の再UP版は消失しています。
そのうち書き直しますので、しばらくお待ちくださいませ。

テキスト版のみUPしておきます。

ひじょ~に地味ながら通ごのみ(?)な温泉地です。やませみさんの貴重な情報もレスでいただいています。

〔八塩温泉について〕
<プロフィール>
西上州では磯部に次ぐ規模をもつ八塩温泉には、「神水館」、「ヤシオカン」、「鬼石観光ホテル」の3軒の湯宿があります。
3軒とも東西に流れる神流川支流の沢沿いに立地していますが、国道が南北に走っているために動線が分断され、温泉地としてのまとまりはありません。一軒宿が3つ点在しているイメージです。

周辺には「桜山温泉センター」や、お湯に定評のある「白寿の湯」、「金井の湯」があり、さらに神泉温泉も開業準備中と日帰り温泉のメッカです。それらの影に隠れてしまっているからか、歴史や規模のわりに知名度は低く、地味な温泉地となっています。ただ、これだけ知名度が低いのになお3軒の湯宿が成り立っているので、意外に根強い固定ファンがいるのかも。

近くには三波石峡や桜山公園などの観光地がありますが、東京方面から楽勝の日帰り圏内にあるので日帰り客がメインです。八塩温泉のある鬼石は花の郷で、三波川の桜、法久のおみなえし、桜山公園では、早春の河津桜、寒緋桜、彼岸桜、春の染井吉野、八重桜、初冬には天然記念物として名高い冬桜が開花します。桜と紅葉を同時に楽しめる冬桜は逸品。ロウバイや椿も楽しめます。鬼石町は平成18年1月1日をもって藤岡市に編入されましたが、藤岡もフジで有名なので、”花&温泉”をテーマに売り出せば、意外に人気エリアになるかもしれません。さりげに史跡も豊富で、近くにある浄法寺は、伝教大師最澄が訪れ、東国仏教布教の拠点とされた古刹として知られています。

<歴史>
古い歴史をもつわりに情報がほとんどとれませんでした。
古くから「塩の湯口八ケ所」(これが転じて”八塩”となったらしい)と呼ばれており、塩気の強い鉱水がでることは知られていたようです。一番の老舗と思われる「ヤシオカン」が創業120年とのことですから明治19年の創業。(「神水館」は昭和6年創業)

また、八塩鉱泉煎餅本舗「あぶらや」のHPに「明治の初期当地の八塩鉱泉に幾多の効能があることが知られました。(中略) 江戸末期安政年間に創業、二代目真下千代松の創案により「煎餅」作りを試す時に明治初期当地「八塩鉱泉」現在でも有名な名湯八塩温泉の鉱泉水が幾多の効能があることが知られ・・・(以下略)」とあるので、鉱泉地として知名度があがったのは明治初期と思われます。
戦後の一時期はかなり賑わったらしく、東京や埼玉の”奥座敷”的に使われていたような気もしますが、確たる資料は見つかりませんでした。


【写真 上(左)】 「神水館」の源泉槽
【写真 下(右)】 神水館源泉


【写真 上(左)】 「八塩館」の飲泉所
【写真 下(右)】 八塩館源泉?


【写真 上(左)】 「鬼石観光ホテル」の浴槽
【写真 下(右)】 「鬼石観光ホテル」の泉源?

<温泉>
takayamaさんの「群馬の温泉ページ」に掲載されている県薬務課作成の温泉統計(平成11年度温泉利用状況)によると、八塩温泉で源泉総数3(自噴、内 利用源泉3)となっており、おそらく3つの湯宿の自家源泉がこれに該当するものと思われます。今回、沢沿いの「八塩あじさいの里」周辺で3つの泉源らしきものを発見できました。
「塩の湯口八ケ所」というのは泉源が8あったというよりは、おそらく数多くの泉源があったことを示すのでしょう。

このあたりから磯部にかけての西上州エリアは全国でも有数の濃い源泉が出るところで、しかも重曹分が非常に強いのが特徴です。「神水館」のHPによると”化石海水”とのことですが、南関東の化石海水泉とはひと味ちがうクセのあるお湯が味わえます。
炭酸(遊離二酸化炭素(CO2))の含有も多く、3源泉いずれも温泉法規定の250mgを上まわり、神水館源泉は療養泉規定も上まわって炭酸泉の泉質がついています。またメタほう酸の含有量も日本有数と思われます。

「神水館」をのぞく2軒には現況源泉槽はなく、冷鉱泉の希釈加温循環使用となっています。
各宿が冷鉱泉の自家源泉をそろえているという、関東では希有な温泉地なので、某掲示板でtakayamaさんが指摘されていたように療養泉として売っていくのもありでは?
源泉には有無を云わせぬ力があるので各宿が源泉槽を用意し、”冷鉱泉浴の聖地”として売り出せば意外に人気がでるかも・・・。「神水館」の云われは不明ですが、まさに”神の水”といってもいいほどきわだったものなので、なんとか実現できないでしょうか。

■神水館源泉
含Co2-Na-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 17.3℃、pH=6.3、湧出量不明、成分総計=18.64g/kg、Na^+=5080mg/kg、K^+=615、Mg^2+=68.5、Ca^2+=261、Fe^2+=0.73、Cl^-=6600、HCO_3^-=3170、Br^-=19.5、陽イオン計=6030、陰イオン計=10500、メタけい酸=473、メタほう酸=490、遊離炭酸=1150 <H6.7.7分析>

■八塩館源泉
Na-塩化物強塩冷鉱泉 14.0℃、pH=6.7、湧出量測定せず(掘削自噴)、成分総計=29.0g/kg、Na^+=8770mg/kg (88.57mval%)、Li^+=19.8、Sr^2+=20.6、Cl^-=11500 (75.19)、SO_4^2-=1180 (5.70)、HCO_3^-=5000 (19.00)、Br^-=35.2、陽イオン計=10030 (430mval)、陰イオン計=17720 (431mval)、メタほう酸=722 <H17.6.15分析>

■鬼石観光ホテル源泉(おにの湯)
Na-塩化物強塩冷鉱泉 7.3℃、pH=6.6、湧出量不明、成分総計=29.05826g/kg、Na^+=8120mg/kg (85.75mval%)、K^+=990、Mg^2+=170、Ca^2+=383、Fe^2+=0.35、Cl^-=11523 (75.64)、SO_4^2-=1123 (5.45)、HCO_3^-=4953 (18.90)、Br^-=35.2、陽イオン計=9664.45 (411.65mval)、陰イオン計=17599.81 (429.54mval)、メタほう酸=774、遊離炭酸=995 <H5.3.31分析>
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