京都で、着物暮らし 

京の街には着物姿が増えています。実に奥が深く、教えられることがいっぱい。着物とその周辺について綴ります。

KIMURAの読書ノート『決定版 猫語大辞典』

2015年03月03日 | KIMURAの読書ノート
『決定版 猫語大辞典』
今泉忠明 監修 学研 2012年

2年半前に我が家に息子(猫)がやって来て以来、家族全員でまさに猫かわいがりの状態で今日まで続いている。
それまでの我が家は犬派だったので、まさに改宗。
それ位、息子の存在は我が家に大きく影響をもたらしたということである。
その上、息子が来たことによって私の読書の幅も大きく広がった。
「猫」という単語がつくと、ふらっと手にしている有様。
「飼い方」からはじまり、「写真集」、「エッセイ」、「小説」に至るまで、ありとあらゆる「猫」に手を出している。

そして、今回も思わずつかんでしまったのが、本書である。「猫語辞典」というのは、猫業界ではさして目新しいものではなく、あちこちの出版社から刊行されている。たいていの内容は、鳴き方、しっぽの立ち具合、耳の動きによって、それぞれ猫の気持ちが分かるよというものである。しっぽが立ってS字に曲がっていれば、ご機嫌で相手にして欲しいというのは、常識であり、何冊読んでもさして変わり映えはしない(それでも、つい読んでしまうのだから、息子の魔力は恐ろしい)。しかし、今回あえて本書を取り上げたのは、監修が今泉忠明氏だからである。

著者は動物学者であり、数々の動物に関係する著書を上梓している。それだけでなく、たいていの小学校の教科書で動物を扱う単元では、彼の文章が採用されている。そのような意味においても、動物学者の中では幅広い年代に名前が知れ渡っている一人ではないだろうか。更に、彼は熱烈な猫ファンで、そちらの業界でもかなり有名であり、伊豆高原のねこの博物館の館長でもある。そのような人が監修とあらば、他の「猫語辞典」とはどこか一線を画するのではないかと、期待が増幅してしまうのは、当然であろう。

実際読みごたえがあった。と言っても、多くが猫の画像で埋め尽くされているため、猫好きでなければ、「どこが……」と一蹴されるであろう。しかし、そこそこ「猫辞典」を読みつくしている私としては、心もお腹も満たされほんわかした気持ちを抱くことができた。まず、その画像が多いわりに、それぞれの辞典らしく、それぞれの表情をきちんと読み取れるものを使用しており、一つの気持ちにおいても幾つかの猫を登場させている。そして、『決定版 猫語大辞典』
動物学者の真骨頂。これらだけでなく、それぞれの章の終わりにあるコラム(猫学入門)が素晴らしい。人との比較や、他の動物との比較。これもまた、イメージ画像ではなく、きちんと文章に沿った画像で表されており、より具体的に知識として得ることができる。そして、何よりも最終章となる「シーン別不思議行動Q&A」はこれまでにない試みである。タイトル通り、猫の不可解な行動の質問に対して、本書が応えているものである。この質問が、なかなか他の著書では取り上げられないものであった。例えば、「Q:フードを必ず左から食べるんですか?」とか、「安い肉や刺身には見向きもしないのに、高いものだと食いつきます」やら、「ぬいぐるみの鼻のにおいを嗅いでいます」。「わたしの脇に顔をうずめて、ペロペロなめたり悶えています…」に至っては、回答だけでなく、においフェチ猫、集合!として、匂いを嗅いでいる猫たちの萌える画像が!どれも「猫あるある」であり、日常的に見られる行動であるが、その理由をあえて問われると応えることはできないだろう。そのような「猫あるある」をあえて質問として取り上げているところが、この本の楽しさである。

猫に興味のない人にとっては、どうでもいい本ではあるのだが、恐らく猫好きにはたまらない1冊になることは間違いないだろう。

                 文責 木村綾子
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