目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

暑寒別岳~暑寒沢コース

2014-08-10 | 山行~北海道

001img_7701_2 002img_7702 標高 1491.6m 北海道増毛山地

2014年7月24日(木) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 暑寒荘5:16--6:10 2合目6:15--6:54 4合目6:59--7:53滝見台8:03--9:05 9合目9:11--箸別コース分岐--9:42暑寒別岳山頂(昼食)10:30--11:44滝見台11:52--13:00 2合目13:07--13:50暑寒荘駐車場

23日は留萌のビジネスホテルを出て、コインランドリーで洗濯、ショッピングセンターで買出し、黄金岬や千望台の景食ハウスなどで時間をつぶし、暑寒沢コースの登山口である暑寒荘を目指した。舗装されたきれいな道を順調にあがってきて、駐車場手前で2台の車(1台は管理人さん?)とすれ違う。林道終点の駐車場に15:00前に到着した。何台か車があるかと思いきや、1台もない。しかも着いたとたんに虻の襲来を受けた。ここはアフリカの奥地かと錯覚するほどの大量の虻がわが愛車に群がった。こんな経験は初めてだ。車を停めてみたものの、外に出るのをためらうほどの数。意を決してドアが開けると、周囲を飛び回るだけで、人を襲う気配はない。車の中に入ろうとする虻も少なく、ひとまずは安心した。

 

02img_7676 01img_7673
左:暑寒別岳暑寒ルート登山口の駐車場 右:暑寒荘

暑寒荘に山の神とザックや食糧を運ぶ。広々とした山小屋にはだれもいなかった。一部屋を山の神と私で占領し、小屋の布団や毛布を運んだ。そのうちワゴン車が1台やってくる。山小屋にやってくると思っていたのだが、車中泊だった。車に荷物をとりにいったときに声をかけられ、その御仁いわく、いつも車中泊。それが気楽なんですと。

その後もう1台車が来た。しかし駐車場でそのままUターンして去っていった。虻の大群の洗礼は容赦ない。この車に乗っていた方々とは、翌日山頂で会うことになる。おじさんいわく、登山口まで偵察に来てびっくりした。あれじゃあ外には出られない。すぐに防虫ネットを買いに行ったよと。

03img_7679 04img_7681
左:白樺も生える雑木林。すごい蚊だった 右:森林限界近く

24日朝、車中泊の方のバタンとドアを閉める音で目を覚まし、3:40頃起床した。朝食をとり、山小屋から撤収する。車に荷物を運んでいくと、車中泊の方がお先にといって、ちょうど出発していく。さあ、われわれも早く出発しよう。愛車のドアを開けると、昨日の虻が車内で静かにとまっていた。早朝はまだ活動していないのだ。手でつまみだす。ザックや帽子に防虫のパッチを貼り、虫除けのスプレーを腕に吹きかけ、つぎに手のひらにスプレーをかけて薬剤を溜め、顔や首筋にもまんべんなく塗りこむ。完璧だ。

そして山の神と私は、5:16駐車場を出発した。虫除け対策は完璧だと思ったのはつかの間だった。ぷ~んと耳の周りを容赦なく蚊が飛ぶ。どこから湧いてきたのかというほど、蚊や蜂や虻の類が身体中にまとわりついてくる。ひっきりなしにこいつらを追い払う羽目になり、自然と足早になった。薬剤が少ないところには、そのうち平然ととまるようになった。2合目で虫よけスプレーをもう一度かける。

足早に来たのがたたってか、4合目で山の神がバテて休憩にした。そこからだいぶ歩いて雑木林を抜けた頃、ようやく虫の数も減ってきた。

05img_7689 06img_7693
左:6合目のロープの張られた急登。山の神が写真中央にいる 右:滝見台

森林限界を過ぎた辺りから、見晴らしがよくなる。振り返ると留萌の海岸が見える。遠くにはうっすらと利尻らしき姿も見える。

6合目のロープの張られた急な上りを越えてハイマツ帯に入ると、なにやらコケをぶちまけたような緑色の紙状のものがあった。なんだこりゃと思いながらもどんどん登ると、ヒグマの巨大糞が落ちていた。しかも真新しく、草食なのか緑色をしている。先ほどのコケをぶちまけたようなものは、糞が雨でバラバラになった状態だったのだ。地図にヒグマ注意と書かれているが、この辺りは完全にヒグマの生息地、活動域だ。

糞の先に、展望のきく滝見台が現れた。7:53

003img_7697
扇風岩。左奥に登山道が見える

緑の山に一筋の生命線のように登山道が延びているのが見える。しばらく気持ちのいい道が続く。

もうすぐ山頂だが、いっきに行くには長い。9合目でいったん休憩をとることにした。山の神と行動食をつまんでいると、日本海側(西側)から大量の白いガスが流れてきた。一昨日に続いてまたかよ。このままというのは勘弁してほしいなとぼやきながら、最後の急登を上がっていく。

004img_7711
暑寒別岳山頂から雨竜沼湿原(左奥)、南暑寒別岳(右手の雪渓のある山)を望む

箸別コースとの分岐で、車中泊の方が前からやってきた。もう下山なのだ。すこぶる健脚な方だ。山頂にいたらガスってきたので、下りることにしたと。

白いガスの中、9:42暑寒別岳の山頂に到着した(冒頭写真)。昼メシを食べているうちに、ガスはとれるんじゃないかと希望的観測をしつつ、山の神と腰を下ろす。そのうち反対側の登山道、南暑寒別側から年配の単独行の方が現れた。雨竜ゲートパークを4:00に出たという。この方もかなりの健脚だ。途中稜線から見えるところにヒグマが一頭いたとか。多いね、この山塊は。

ふいに僥倖は訪れた。少しずつガスがはれて、雨竜沼湿原が見え隠れしていたが、さあっと一気にガスが流れ、南暑寒別岳も全貌を現した。ツキに見放されてはいなかった。大展望、大パノラマだ。一昨日歩いたところが遠くに見えている。

005img_7699 007img_7714006img_7713 008img_7725
左上から時計回りに:チシマギギョウ、ミヤマアズマギク、エフデギク、ウメバチソウ

昼食をとり、10:30下山開始。帰途は、余裕綽々で花を愛でながら歩いた。上の写真の花は、ほんの一部だ。オトギリソウの群落や名を知らぬお花畑もあった。花を愛でられたのは、朝ほど蚊に遭遇しなかったおかげだろう。そういえば、場所によってはトンボも多くいて、私の目の前で、虫をキャッチしていた。弱肉強食の世界を至近距離で見られるのも、虫が多すぎるということか。

駐車場には、13:50到着。午後になって虻がまた活発に動き始めていた。

「増毛山地~エピローグ」へ
「北海道 増毛山地へGO!」へ戻る
「神居尻山」へ戻る
「南暑寒別岳」へ戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南暑寒別岳

2014-08-09 | 山行~北海道

001img_7635 標高 1296.4m 北海道増毛山地

2014年7月22日(火) 小雨のちくもり

メンバー 山の神と私

コースタイム 雨竜ゲートパークキャンプ場4:57--白竜ノ滝--5:50休憩5:57--7:24旧展望台7:34--8:34ハイマツ帯休憩8:45--9:16南暑寒別岳山頂9:19--9:45ハイマツ帯(昼食)10:23--11:20旧展望台11:30--12:22展望台12:32--13:41キャンプ場

予報は晴れだったのだが、朝3:50起きだしてみると、小雨が降っている。そのうち上がるだろうと、タカをくくり、山の神と早い朝食をとる。雨はあがらず、しかたなく雨具をつけ、4:57キャンプ場をあとにした。熊よけにラジオをつけ、熊鈴も鳴らしながら、恐る恐る歩き始めた。吊橋を渡り、しばらくいくと白竜ノ滝。登山道からは見えないだろうと思っていたのだが、滝を示す標柱のそばから覗き込むと、しっかりとその姿を拝める(右の写真)。

2つ目の吊橋を渡るといっきに上りが始まる。山の神が水分補給をするというので休憩。そろそろ雨は上がらないのかと空をうらめしそうに見上げても、いっこうに雨が上がる気配はない。

01img_7636でも、わずかながらに空が明るくなっていないか。山の神に話しかけるも反応はにぶい。そのうちまたガスが濃くなってくる。

沢沿いに歩いていくと、アヤメが現れて、雨竜沼湿原に入った。ここからしばらく木道歩きになる。木道周辺では、エゾカンゾウが目に付き始める。一見ニッコウキスゲなのだが、別種なのだろう。ガスは濃くなるいっぽうで、薄暗くなり、やがて普通に雨になった。

絶望的な気分になりつつも、心の中ではまだまだと思っていた。しかし山の神はだんだん不機嫌になってきている。

そこへ先行してキャンプ場を出発していた年配の方が向こうからやってきた。どうにもならん、引き返すという。私たちは南暑寒別までは行きますといってはみたものの、引き返していく姿を目の当たりにするとちょっと気持ちは揺らぐ。それでも先へ進むことにした。しばらく耐えていれば、雲が切れてくるはずだとまだ期待をもっていた。

 

02img_7643 03img_7644
左:道標。南暑寒別岳まではまだ3.3Kmもある 右:雨と濃霧に包まれた湿原の木道

湿原を抜けて、山道を少し登高すると、旧展望台が現れた。ベンチがあって、ここで休憩をとることにした。雨は相変わらず天から落ちてくる。当然展望はない。山の神と私以外の登山者はいない。

04img_7645 002img_7648003img_7649
左:チシマザサが刈り払われ広げられた登山道 右:南暑寒別岳山頂

旧展望台からは、チシマザサを刈り払って広げられた登山道を進んでいく。地元の方が整備されているのだろうか。頭が下がる思いだ。でも、この道は非常に単調で、ガスっているせいもあろうが、行けども行けども同じ風景だ。場所によっては、まっすぐこの道が延びていて、迷宮にでも入り込んだような錯覚にとらわれる。同じところを繰り返し歩き続けているのではないか、デジャ・ヴかと。

そのうちハイマツ帯やお花畑が出てきて、ちょっとだけなごむ。山頂には9:16に到着した。予想通り人影はなく、強風が吹き荒れていて、ガスも濃い。山の神が風の来ないところで休憩しようといったが、少し戻ったほうが風は避けられるからと、踵を返した。これで今日予定していた暑寒別岳までの大ピストンは完全になくなった。

004img_7652
下山中。ガスが突然とれ、振り返ると山が姿を現した

ハイマツ帯まで下り、9:45昼食にした。火は使わずに簡単に昼を済ませる。

下り始めると、山の神と私をあざ笑うかのように、雲が切れ、お山が姿を現した。しかしそれもつかの間再び白いガスに視界は閉ざされた。

下っていくと、年配者の3人パーティとすれ違った。登っても、白くて何も見えませんよ。そんな私の言葉など意に介することなく、彼らは縦走するといって足取り軽く南暑寒別岳への道を登高していった。

 

005img_7656
湿原はだいぶガスが減っていた

11:20旧展望台に戻って、雨具を脱ぐ。もう雨の心配はなさそうだ。単独行のおじさんがぽつねんと一人いるだけだったが、あとから登山者が続々とあがってくる。

湿原に入ると、早朝に通過したときよりも、だいぶガスがとれていた。湿原の奥行き、広さに驚かされる。ただ花の少なさが気になる。下山してから聞いた話だと、5,6年に一度花の最盛期が巡ってくるらしい。ふつうはこんなものだと。

006img_7657 007img_7658
左:トキソウ 右:ヒツジグサ

それでもちらほらと咲く花を見つけては、咲いている咲いてると山の神が歓声を上げる。ひっそりと一輪だけ咲いているトキソウを見つけた。池塘にはかわいらしいヒツジグサが真っ白い花をつけていた。尾瀬では大人気の花だ。

008img_7660 05img_7662
左:エゾコウボネ 右:今にもクマが飛び出してきそうな沢

エゾコウボネも黄色い花を水面から突き出していて、その存在をアピールしていた。湿原内では、ハイカー、登山者があふれていた。雨もあがって、散策に出てきたのだろう。展望台で休憩をとり、山の神と私は一路キャンプ場へ向かう。

009img_7664 010img_7666
左:吊橋を渡る山の神 右:南暑寒別荘

吊橋を渡ると、もうキャンプ場とは目と鼻の先。13:41キャンプ場に戻った。

道々山の神とは、明日は雨の予報だから停滞、あさって、反対側の暑寒荘から暑寒別岳に登ろうと相談していた。当初は、今日は暑寒別岳までのピストンのロングコースを歩き、再びここに泊まるつもりだったのだが、南暑寒別岳で引き返したこともあり、まだ時間は早い。今晩激しい雨になるとの嫌な予報も聞いていたので、予定を変更しテント撤収。今日のうちに留萌へ移動してどこかビジネスホテルに泊まることにした。

「暑寒別岳~暑寒沢コース」へつづく
「北海道 増毛山地へGO!」へ戻る
「神居尻山」へ戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神居尻(かむいしり)山

2014-08-05 | 山行~北海道

001img_7600 標高 947m 北海道増毛山地

2014年7月21日(月・祝) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:40森林学習センター登山者用駐車場8:00--Aコース--8:47林道出合8:54--9:37稜線765m地点9:45--10:27神居尻山山頂10:31--10:50B・Cコース分岐--11:05 道標685m地点(昼食)11:40--12:10林道(一部通行止めにつき迂回)--12:33駐車場

7月19日(土)23:15に新潟を出航したフェリーは、翌20日(日)17時半頃苫小牧に着いた。そこから予定通り高速道を使って美唄まで移動。予約をしていた美唄ホテルスエヒロに19:15頃チェックインした。さあて腹が減ったと、ホテルのフロントで近所においしい店はないかと聞くと、「美唄名物は焼き鳥。人気の“たつみ”はどうですか。席が空いているかどうか調べましょう」と問い合わせてくれたのだが、あいにく満席だった。かなりの人気店のようだ。代わりに近所にあった和食の店“寿楽”へ。山の神とともにせいろ、天ぷら、海鮮三色丼がセットになった空定食をオーダーした。ボリューム満点で大満足だった。席は広くてゆったりスペース、くつろぐにはもってこいだった。

さて、7月21日は5:00に起床。昨晩ホテル近くのコンビニで買っておいた朝食を部屋でとり、道民の森へ向けて出発した。まずは月形のコンビニで昼食を調達。それから当別浜益港線に入り、ひたすら北上する。

一概に道民の森といっても、「道民の森何々地区」という標示がいたるところに出てきて、その広さに驚かされる。やっとお目当ての道民の森神居尻地区が出てきた。右折して、まっすぐ上がっていくと、終点に案内所があった。

 

01img_7592 02img_7594
左:森林学習センター登山者用駐車場 右:Aコース登山口

7:20案内所に到着したのだが、登山口がわからない。どこだろうと、駐車場に車を置いて周辺を歩いてみた。たまたまそこにボランティアの年配の方がいて尋ねてみると、親切にも地図をもってきてくれる。その地図によると、登山口は案内所手前を曲がるのだった。

地図どおり曲がると、森林学習センターがあって、登山者用駐車場が用意されていた。すでに何台か駐車している。身支度をして7:40山の神とともに歩き始めた。車道を少し行くと、まもなくAコースの登山口が出てくる。

余談だが、この山の登山コースはA・B・Cと表記されていてまったく味気ない。ダケカンバコースとか、パノラマコースとか、何か名前をつければいいものをと思ってしまうのは、私だけではないだろう。でも強引に名前をつけると、スキー場みたいになるか。

03img_7595 04img_7606
左:ダケカンバの美しい森 右:神居尻山小屋(避難小屋)と山頂

階段を上がっていくと、すぐにダケカンバの美しい森になる。そのうち単独者とカップルが下山してきた。キャンプ場に泊まっていたのだろうか。だいぶ早い下山だ。しばらく進むと登山道は林道と交わる。山の神といったんそこでザックを下ろした。ふと杭に巻きついたトラロープを見ると、セミの抜け殻があった。もしやと杭の裏側に回ってみると、羽化して羽を乾かしているエゾゼミがいた(冒頭写真)。夏だねえ。

稜線にあがるといっきに見晴らしがよくなり、気持ちよく歩ける。

05img_7607 06img_7608
左:近くにはピンネシリが見える 右:気持ちのいい道が続く

間近にピンネシリが見える。以前はピンネシリへ向かう登山道があったのだが、いまは崩落しているようで、通行止めとなっている。

この辺りは風の通り道らしく、ダケカンバの幹や枝が風によって曲がりくねった造形を見せている。それを解説した案内板も登山道の傍らには立てられていた。

07img_7611 002img_7614
左:神居尻山小屋(避難小屋) 右:神居尻山山頂

神居尻山小屋に近づくと、山頂付近に人影が見えた。B・Cコースからもだいぶ登っているのだろう。

10:27神居尻山山頂に到着した。年配の単独行のおじさんが山頂からの景色を独り占めしていた。360度のパノラマ。みごとだ。山はこうでなければ。明日登る予定の暑寒別岳もたおやかな山容を見せていた。

003img_7617
暑寒別岳を遠望できる。上空には神秘的なハケ雲が出ていた

暑寒別岳を見た山の神いわく、山頂に雲がかかっているけど、あれは雨が降ってるかもね。明日はだいじょうぶかしら。たしかに日本海側だから海からの水蒸気が集まりそうだ。通年雨が多いのかもしれない。

08img_7618 09img_7629
左:山頂からは急な下りが続く 右:背の高いタンポポの大群落

山頂は風が強く、おちおち休憩もしていられなかった。山の神と風が来ないところまで早く下ろうと、先を急ぐことにした。登山道には這いつくばるようにタカネナデシコがちらほら咲いている。やがてB・Cコースの分岐に到着。水分補給をし、Bコースに入る。単独者とすれ違いながら、下降していくと、指導標のあるちょっとしたスペースに出た(11:05)。カラスがうるさいが、ここで昼食にすることにした。少しして、7人くらいのパーティが登ってきて、賑わうことになる。

昼食後サクサク下っていくと、あっという間に林道に出た。しかし一部道が崩落しており、通行止めで迂回路をたどることになった。意外にもこれがラッキーだった。迂回路にはタンポポの大群落があった。一面タンポポの黄色い花。背の高い独特なタンポポで、風に吹かれて1株1株が思い思いに揺れている。何か神々しいといおうか、神秘的な光景をつくっていた。

 

10img_7632

駐車場には、12:33に到着した。車はほとんど増えていない。みなさん違う場所に置いているのだろうか。

車にザックを積み、靴を履き替え、山の神と森林学習センター前の自動販売機へ向かった。何か飲んで木陰で涼んでから、雨竜ゲートパークへ向けて出発することにしよう。それにしても暑い。

13:00頃道民の森を出る。道すがら見つけたCOOPに入り、買出しをする。店頭にはメロンが大量に陳列してあり、さすがは北海道と山の神と顔を見合わせる。メロン1つ買っても食べきれないしなあと、代わりに大きなトマトを2つ買った。

雨竜ゲートパークへの道は舗装路と未舗装路が交互に出てきて、山深さを痛感させてくれた。狭い未舗装路では、山から下りてくる車何台もとすれ違うことになり、だいぶ難儀した。いずれ道幅を拡張したり、舗装したりするのだろうけど、それまではこの不便は辛抱しなければならないのだろう。

15:00頃雨竜ゲートパークに到着。テントを張っていると続々と登山者が下山してくる。暑寒別岳までピストンしてきたという背の高い30代とおぼしき人は、「10時間くらいかかった。水を飲みきってしまって、最後はバテバテ。水はいっぱいもっていったほうがいいですよ」と。通常12時間はかかるコースだから、この御仁はかなり早い。さあ、明日はわれわれの番だ。

「南暑寒別岳」へつづく
前ページ「北海道 増毛山地へGO!」へ戻る
「暑寒別岳~暑寒沢コース」へとぶ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道 増毛山地へGO!

2014-08-01 | 山行~北海道

2014年7月19日(土) 雨

メンバー 山の神と私

15:00すぎ家を出発し、関越をひたすら新潟をめざして走った。新潟港から新日本海フェリーで苫小牧に渡るのだ。途中激しい雨に遭い、これは天然の洗車場だと喜びながら、汚れた車を運転していた。しかし、車がきれいな状態でいられたのは、ほんのつかの間だった。日が落ちてからの北陸道は、虫がすごい。ヘッドライトの明かりに集まってきた虫たちが、フロントガラスでつぶれ、砕け、死骸がこびりついていく。

01img_7587 02img_7591
左:新日本海フェリー乗船を待つ 右:フェリーの個室。狭いながらもくつろげます

新潟には20:00頃到着した。埠頭近くのコンビニで日本のビールより安かったバドワイザーを4本購入し、乗り場へ向かう。乗船開始はそれから2時間後の22:30だった。到着が早かったため、前から5台目といういまだかつてない順番で乗船した。まずフロントへ行き、初めて泊まる個室の部屋鍵をもらう。3畳というこぢんまりとした和室に入って、山の神と早速バドをプシュっとやった。あとは寝るだけ。いつものザコ寝の2等和室とは違い、人目を気にすることなく、肢体を伸ばせる。

03img_7668
移動日に。留萌の黄金岬(おうごんみさき)に立ち寄る

今回の北海道の山旅はこうして始まった。北海道では、週の半ばで雨にたたられたけれども、予定していた今回のメインイベント、暑寒別岳登山はかなった。なかなか機会がないと登れない山なので、まあ、ラッキーだったといえよう。

04img_7692 05img_7719
左:真新しいヒグマのふん 右:暑寒別岳山頂付近のオトギリソウ

暑寒別岳は、ラムサール条約登録地である雨竜沼湿原をその懐に抱え、その湿原や稜線、山頂などでは高山植物の花が咲き乱れており、お花の山としても有名だ。ただアクセスが悪いのと、ロングコースなので、なかなか足を踏み入れにくい山でもある。百名山に入っていないという理由から後回しにされてもいるようだ。まあ、ツウ好みの山なんだろうね。

ところで、昭文社の山地図で暑寒別岳のコースをみると、ヒグマ注意の文字が躍っている。行ってみると、そこには本当にヒグマがいた。彼らが普段生活している場所なのだ。登山道で真新しい緑色の巨大フンを発見したときには、ホントに驚いた。すぐ近くに潜んでいるかもしれないと、熊鈴を盛大に鳴らし、ラジオのボリュームを上げながら通過した。山の神なんて、鈴を引きちぎらんばかりに振り続けていた。でも下山時にもう一度この道を歩いたのだが、のど元過ぎればの言葉通り、ちょっと乾燥したフンでは怖さも半減していた。馴れ、感覚の麻痺とはおそろしいものだ。

さて、次回は足ならしに登った神居尻山の山行記録です。
つづく。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする