目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

調布名誉市民水木しげるさん逝く

2015-12-06 | 日記


調布市文化会館たづくりに設置されていた、水木しげるさんの献花台

2015年11月30日(月)水木しげるさんは永眠した。私は水木さんを調布で3度ばかり目撃している。最初は調布パルコの入口だった。顔を見た刹那、どこかで見たことのある人だなと思っていると、服の左袖がたなびいているではないか。戦争で左腕を失ったまさしく水木さんだと、その瞬間にわかった。あとの2回は布田天神の参道である天神通りだった。訃報のニュースにも登場していた今川焼きの「あずきや安堂」の近くや、布田天神方向から調布駅に向かって歩いてくる姿をお見かけした。こうして3度もお見かけすると、親近感も湧いてくるというものだ。

もしかするとそのたびに水木さんの本を読んでいたのかもしれない。家の書棚にあったのは、以下4冊だった。本人の著書ではないが、奥さんの武良布枝さんの『ゲゲゲの女房』も読んだ。図書館で借りて読んだのか家にはなかった。

『生まれたときから「妖怪」だった』(単行本;現在講談社+α文庫)
『神秘家水木しげる伝記』(単行本;現在角川文庫)
『水木しげる 魍魎 貸本・短編名作選 地獄・地底の足音』(集英社文庫)
『水木しげる 怪異 貸本・短編名作選 墓の町』(集英社文庫)

なかでも『神秘家水木しげる伝』は、自らの半生をマンガ化したもので、水木さんを知るには格好の読み物だ。いま本の帯を見て気づいたが、「百歳まで生きねばならんね。」と入っている。どうやら、ずっと御本人は百歳まで生きるつもりだったようだ。そういえば数年前、テレビで荒俣宏氏がこんなことを言っていたのを思い出した。「生前墓をたてると、長生きするという俗説があって、水木さんもお墓をつくったから、長生きしているのでしょう」。でも残念ながら百歳はかなわなかった。


たくさんのお花と水木さんの記事が展示されていた

最後に、これだけは記しておきたい。なぜこの山ブログに水木さんのことを書いたかといえば、奇しくも私は、9年前に訪れた伯耆大山(ほうきだいせん)の山行記録をまとめようとしていて、水木さんを思い出していたのだ。恐ろしい偶然だ。

伯耆大山といえば、水木さんの育った町、境港にほど近い。登山後、境港に足を伸ばしてもいいかなと思い始めていた。米子で妖怪がペインティングされている電車を見てしまったことも、その後押しになった。しかし山の神がすげなく却下。後ろ髪引かれる思いだったが、行ったにせよ、水木しげるロードがあるくらいだよなと自分に言い聞かせて、あきらめてしまった。いずれまた彼の地を踏むことがあれば、ぜひとも訪れたいものだ。

私はゲゲゲ 神秘家水木しげる伝 (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)
コメント
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