いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
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地名で判る地域の特徴

2014-08-26 13:31:46 | Weblog
                             分類:外
   消えた地名には崇りがある!?
 多くの死者・行方不明者を出した広島市の土砂災害は、平地が少ない日本の地形がもたらすリスクを改めて浮き彫りにした。
 土石流などの危険箇所を抱える自治体は少なくないと思うが、現象や結果からばかり学ぶのではなく、古くからその地に残っている伝説や、土地名の由来も改めて研究し対策をとる必要があると考えられる。
 今回、被害者が最も多い安佐南区の八木地区は、昔の地名が 「蛇落地悪谷」 だったそうだが、これは水の流れる通り道で谷の蛇さえ落ちてしまうという意味なのだそうだ。
 地名変更でスマートな 「八木」 に改名されたが、残念なことにその地の過去が判らなくなってしまった。古人たちは生活体験上から後々に住む人々に、注意を喚起するのに適合した名前と思って付たのだろう。
 同じく、光広(みつひろ)神社には「激流の絵」の額が掛けられていて、龍を討伐した武将と激しく流れる水が描かれているという。
 いずれも無意味ではなく、現代の人たちに予期せぬ惨劇に遭わぬよう、重大な警鐘を鳴らしていたような気がするのだが如何だろうか。

 時代と共に地名が変わってしまったり、長い間に文字が書き換えられたりしてしまう地名は全国に幾らでもある。一例を挙げてみる。

  黒門町=現在の東上野(東京都台東区) ※都庁の区画整理に伴い、新名への変更  
  粕壁= 〃 春日部(埼玉県) ※イメージ的なものから
  御鷹= 〃 三鷹(東京都三鷹市) ※かつて、この地は天皇の鷹狩りの場所だった  
  加須市(かすし)=加須市(かぞし) ※イメージ的なものから

  5年前まで市内の 「いわき地名調査研究会」 というサークルに所属していたが、会長が亡くなってからは尻切れトンボになって、いつの間にか自然消滅してしまった。
 名のある人たちも参加して積極的な活動が行われ、学ぶべきところが多かった。
 「地名の由来」という研究課題があり、その中で先人たちが経験した事件や事故を後世に残すために、意識的に付けた地名と思われる名前が幾つも見受けられた。
 「さんずい」の付く地名は、水害が起きる危険性があるというのもその一つだった。
 「沢」「津」「港」「流」「滝」「洋」「洗」「浜」等々がそれに該当する。

 ●ここ、いわき市では平成23(2011)年3月11日に発生した東日本大震災で、地震と
  津波による甚大な被害を受けた。
         
           《何もなかったような江名の青い海と被害家屋
 いわきの海岸沿いの地名を辿っていくと、改めて「さんずい」の付く地名が多いのに驚かされる。
 ちょっと列記してみると、小浜、渚、小湊、小名浜,江ノ津、江名、薄磯、浜街,沼ノ内、久ノ浜、中浜、金ケ沢、深谷、長沢などがある。
 久之浜町金ヶ沢地区では、全壊家屋が総戸数の88%を占めたというのはまだ耳に新しい。
         

           久之浜の旧浜街道(水戸街道)辺りの惨状

註釈 : 写真は何れも、平成23年に被害に遭って数日経った時の写真です。

 
コメント
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