今週は、1981年録音のケネス・ギルバートによる「イギリス組曲」を楽しんできました。ギルバートの演奏は、中庸の美が特長だといえると思うのですが、「イギリス組曲」ではときおり、プレリュードやジーグで疾駆するような演奏をきかせることがありました。この組曲のもつ力がそうさせるのでしょうが、ギルバートもやはり情熱のひとだと感じさせる瞬間です。
これからきくニ短調の第6番では、やはりジーグでの疾駆があるかもしれません。使用楽器は1671年にヤン・クーシェが製作したチェンバロ(1759年にブランシェ、1778年にパスカル・タスカンが改修)ですが、1979/80年に、ユベール・ベダールの工房で修復されており、この組曲は修復なったばかりの楽器での録音ということに。そのあたりも疾駆の一因なのかもしれません。
CD : HMC 901074.75(harmonia mundi)