毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




楽しませてもらった「新・ブランデンブルク協奏曲集」(ATMA Classique ACD22565)も、これからきく第12番でおわり。この第12番は、2ヴィオラ・ダ・ガンバ、2チェロ、通奏低音のための協奏曲で、バッハのオリジナルな「ブランデンブルク」の第6番を、さらに渋くしたような楽器編成です。原曲は、第1楽章(アレグロ)がBWV163第3曲(アリア)、第2楽章(アンダンテ)がBWV80第7曲(二重唱)、第3楽章(アレグロ)がBWV18第1曲(シンフォニア)と、いずれもカンタータ楽章からの編曲です。演奏はスジー・ナッパー(チェロ)をはじめとするモントリオール・バロック・バンドのメンバー(全6人)。底光りのような、ちょっときいたことのないような響きを楽しむことができます。

ACD22565

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ブルース・ヘインズ編曲、エリック・ミルンズとモントリオール・バロック・バンドによる「新・ブランデンブルク協奏曲集」(ATMA Classique ACD22565)。これからきく第11番は、オーボエ、チェンバロ、 弦楽と通奏低音のための協奏曲。原曲は、第1楽章(アレグロ)がBWV35第1曲(シンフォニア)、第2楽章(アダージョ)はBWV1063第2楽章(アラ・シチリアーナ)、第3楽章(アレグロ)がBWV35第5曲(合唱)です。

この原曲からして、これはBWV1059(第1楽章第9小節まで現存のチェンバロ協奏曲)の復元かと思わせます。しかし、ヘインズの再構成・編曲は、第2楽章をBWV35第2曲(アリア)からではなく、3台のチェンバロ協奏曲第1番第2楽章から編曲し、オーボエ、チェンバロのための協奏曲としているところがらしいところ。じっさい、アラ・シチリアーナをオーボエで吹くと、美しい旋律がいっそうひきたちます。

ACD22565

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ある時期、といってもずいぶん昔のことですが、NHK-FMの「現代の音楽」をよくきいていました。そのころのテーマ音楽は、アントン・ヴェーベルン編曲の「リチェルカーレ 第2番」で、原曲はバッハの6声のリチェルカーレ(「音楽の捧げもの」)。これぞ換骨奪胎といえる絶妙の編曲ゆえに、完全に現代音楽にきこえてしまうすぐれものです。そんなことをふと思いだしたので、今宵はそのリチェルカーレを、エサ・ペッカ・サロネン指揮、ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団で演奏(SONY CLASSICAL SK 89012)できいてみようと思います。ちなみに、このCDには、グスタフ・マーラー編曲の管弦楽組曲も収録されており、おもしろい選曲になっています。

SK 89012

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エリック・ミルンズとモントリオール・バロック・バンドによる「新・ブランデンブルク協奏曲集」(ATMA Classique ACD22565)。これまできいてきた第7番から第9番までの協奏曲はすべて長調でしたが、第10番から第12番までは短調となります。今日きくニ短調の第10番は、2アルト・リコーダー、2ヴォイス・フルート、ファゴット、 弦楽と通奏低音のための協奏曲。

原曲は、第1楽章(アンダンテ)がBWV235第1曲(合唱)、第2楽章(アレグロ)はBWV78第2曲(二重唱)、第3楽章(プレスト)がBWV235第6曲(合唱)です。BWV235はト短調のミサ曲で、その第1曲と第6曲は、それぞれBWV102第1曲(合唱)、BWV187第1曲(合唱)からの転用。BWV78は有名なカンタータ「イエスよ、汝はわが魂を」です。

ACD22565

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オーボエ奏者ブルース・ヘインズが、バッハのカンタータ楽章などから自由に再構成・編曲してまとめた曲集「新・ブランデンブルク協奏曲集」(ATMA Classique ACD22565)。「新・ブランデンブルク」は、オリジナルの「ブランデンブルク」と楽器編成を相似させて曲集が組まれていて(完全ではありませんが)、これからきく第9番は弦楽と通奏低音のための協奏曲は、オリジナルの第3番に似せています。

原曲は、第1楽章(アレグロ)がBWV11第1曲(合唱)、第2楽章(アダージョ)は即興、第3楽章(アレグロ)がBWV34第5曲(合唱)で、ともに、3トランペット、ティンパニ、2フルート(BWV11のみ)、2オーボエと、管楽器がはいった編成です。演奏はエリック・ミルンズとモントリオール・バロック・バンドで、第9番では、ヴァイオリンが5人、ヴィオラが2人、チェロが2人、コントラバス、チェンバロが各1人という編成。

ACD22565

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昨日からききはじめたエリック・ミルンズとモントリオール・バロック・バンドによる「新・ブランデンブルク協奏曲集」(ATMA Classique ACD22565)。この「新・ブランデンブルク」は、オーボエ奏者ブルース・ヘインズが、バッハのカンタータ楽章から自由に再構成・編曲してまとめた曲集です。今日きく第8番は、リコーダー、フルート、オーボエ・ダ・カッチャ、ファゴット、ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲。原曲は、第1楽章(アレグロ)がBWV74第7曲(アリア)、第2楽章(アフェットゥオーソ)がBWV99第5曲(二重唱)、第3楽章(アレグロ)がBWV65第6曲(アリア)と、すべてカンタータのアリアです。

ACD22565

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今週きいていくのは、エリック・ミルンズとモントリオール・バロック・バンドによる「新・ブランデンブルク協奏曲集」(ATMA Classique ACD22565)です。この「新・ブランデンブルク」は、時空を超えたバッハの弟子であるブルース・ヘインズが、師バッハの作品ストック(ほとんどがカンタータ楽章)から編曲してまとめた曲集。「ブランデンブルク協奏曲集」を手本にし、コレギウム・ムジクムのための消失した協奏曲には、「こんなのもあったかも」、と自由に再構成しています。

「新・ブランデンブルク」は、バッハのオリジナルな「ブランデンブルク」と同じく6曲で構成されていますが、オリジナルと異なり、長調と短調が3曲ずつ。これからきく第7番はニ長調で、トランペット、オーボエ、ヴァイオリン、ホルン、ファゴット、ティンパニ、弦楽と通奏低音のための協奏曲で、その原曲は、第1楽章(アレグロ)がBWV34の第1曲(合唱)、第2楽章(アダージョ)がBWV150の第1曲(シンフォニア)、第3楽章(アレグロ)がBWV31の第1曲(ソナタ)です。

編曲しているヘインズは、1942年、アメリカ生まれのオーボエ奏者で、その音色や歌いまわしは、きけばすぐにそれとわかるほど特色のあるものでした。いつぞや紹介した「グスタフ・レオンハルトによる『この同じ安息日の夕べ』のシンフォニア」では、若き日のヘインズのオーボエ(髭の奏者。右隣はク・エビンゲ)をきくことができます。なお、ヘインズは、2011年5月17日に亡くなっており、このCD(録音は2011年6月)への寄稿は、最後の仕事のひとつだったかもしれません。

ACD22565

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これからきくのは、トン・コープマンたちによるカンタータ「飢えたる者に汝のパンを分かち与えよ」です。このBWV39は三位一体節後第1日曜日のためので、1726年6月23日に初演。カンタータは2部からなり、第1部が、合唱、レチタティーヴォ(バス)、アリア(アルト)、第2部が、アリア(バス)、アリア(ソプラノ)、レチタティーヴォ(アルト)、コラールという構成。第1曲や第5曲でのリコーダーの響きが印象的です。

CD : CC 72216(Challenge Classics)

CC 72216

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ゲルハルト・ヴァインベルガーのオルガンできいてきた「シュープラー・コラール集」(「種々の技法による6つのコラール」)、今日は最後の「イエスよ、汝いまぞ天より下りたまい」です。このBWV650(3声楽曲)の原曲は、カンタータ「主を頌めまつれ、力つよき栄光の王をば」(BWV137)の第2曲(アルトのアリア)。原曲の編成は、ヴァイオリン、アルト、通奏低音で、原曲ではアルトがになっていたコラール旋律は、BWV650ではペダルに装飾されてあらわれます。

CD : 777018-2(CPO)

777018-2

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京都も入梅して、午後からは雨がしとしと。むし暑い夕べですが、ひとときの楽しみとして、「CARESTINI - THE STORY OF A CASTRATO」(Virgin classics 00946 3 95242 2 8)から、カール・ハインリヒ・グラウンのアリア「自らの不遇を眺めつつ」をきくことにします。カウンターテナーのフィリップ・ジャルスキー、エマニュエル・アイムとル・コンセール・ダストレエによるCDで、ジャルスキーはいつもながら美しい歌唱(低域は弱いですが)です。

カール・ハインリヒ・グラウンは、バッハと面識があったというヨーハン・ゴットリープ・グラウンの弟で、オペラ作曲家として名高く、また、兄と同じくヴァイオリンの名手としても知られています。ハインリヒは1704年生まれ(兄は1703年生)で、世代としてはバッハの長男フリーデマン(1710年生)に近く、バッハからみれば次世代の音楽家ということになり、音楽の趣味もずいぶんちがいます。ここできくアリアはオペラ「オルフェオ」(1752年初演)のもの。

このCDの主題は、ハッセやグラウン兄弟と同世代のカストラート、ジョヴァンニ・カレスティーニ(1700年生)の足跡を音楽でたどる趣旨で、いわばカレスティーニへのトリビュート・アルバムといえるものです。ヘンデル、ハッセ、グラウン、グルックのほか、ニコラ・ポルポラ、ジョヴァンニ・マリア・カペッリ、レオナルド・レーオといった、当時有数のオペラ作曲家が、カレスティーニのために作曲したアリアがずらっと並んでいて、まずまず楽しめます。

00946 3 95242 2 8

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ゲルハルト・ヴァインベルガーの「シュープラー・コラール集」(「種々の技法による6つのコラール」)、今日きくのは「ああ、われらとともに留まりたまえ、主イエス・キリストよ」です。このBWV649(3声楽曲)の原曲は、同名カンタータであるBWV6の第3曲(コラール)で、ヴィオロンチェロ・ピッコロ、ソプラノ(コラール旋律)、通奏低音という編成。編曲にあたって、ヴィオロンチェロ・ピッコロを左手に、ソプラノを右手に、通奏低音をペダルにうつしています。

CD : 777018-2(CPO)

777018-2

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ゲルハルト・ヴァインベルガー(オルガン)による「シュープラー・コラール集」、今日きくのは「わがこころは主をあがめ」です。このBWV648は、昨日きいたBWV647と同じ4声楽曲。原曲も同じように二重唱(アルトとテノール)で、同名カンタータであるBWV10の第5曲です。原曲で2部のオーボエとトランペットがになっていたコラール旋律は、BWV648では右手で奏されます。

CD : 777018-2(CPO)

777018-2

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ゲルハルト・ヴァインベルガーのオルガンできいている「シュープラー・コラール集」。今日きくのは「尊き御神の統べしらすままにまつろい」です。このBWV647(4声楽曲)の原曲は、同名カンタータであるBWV93の第4曲で、ソプラノとアルトの二重唱。原曲では2部のヴァイオリンとヴィオラがコラール旋律を奏しますが、BWV647ではペダルにうつされています。

CD : 777018-2(CPO)

777018-2

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日中、雨こそ降りませんでしたが、今日はずっと曇天でした。そのためか、今夜はかなり冷んやりした風が吹いています。こういう夜は、ヘッドホンでの音楽も苦になりませんから、日曜日にきこうと思っていてきけなかった、ボヘミアの音楽家、ヤン・ディスマス・ゼレンカのミサ曲をきくことにします。

きくのは、マレク・シュトリンツルとムジカ・フロレア、そしてソリストたちによる「聖三位一体のミサ」(Matous MK 0017-2231)です。このミサ曲は1736年に作曲され、ヨーハン・ヨーゼフ・フックスの弟子らしく、精緻な対位法によっています(第2キリエや同じ音楽によるドナ・ノービス・パーチェムのフーガなど)。

「聖三位一体のミサ」では、そうした対位法にくわえて、イタリア的な流麗さもきわだちます。ドレースデンの宮廷楽長の最右翼であったにもかかわらず、ヨーハン・アードルフ・ハッセにその座を奪われたゼレンカ。当世風の音楽も自在に作曲できることを示し、選帝侯にささやかに反論したのかもしれません。

MK 0017-2231

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ゲルハルト・ヴァインベルガーによる「シュープラー・コラール集」、これからきくのは「われはいずこにか逃れゆくべき」です。このBWV646のみ原曲が不明ですが、ほかから類推すれば、これもカンタータ楽章(失われた)を編曲したものと思われます。昨日のBWV645と同じく3声楽曲で、せわしなく模倣する上2声(手鍵)に対し、コラール旋律が最下声(ペダル)でゆったりと奏されます。

CD : 777018-2(CPO)

777018-2

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