「罪に手むかうべし」は、1714年3月4日に初演されたとされる復活節前第3日曜日のためのカンタータ。「曲は青年期ならではの覇気に満ちていており、呪わしい罪と、それに対抗しようとする意志の相克を、厳しい筆致によってえぐり出し」(『バッハ事典』)たものです。
これからきくのは、一昨年の記事「『罪に手むかうべし』 BWV54」でふれたロバート・キングたちによる最初の録音(1986年)。第1曲を10分11秒という、驚くほどゆっくりしたテンポで演奏し、「意志の相克」というより瞑想的な雰囲気を感じさせるものになっています。
なお、キングス・コンソートは、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、第1ヴィオラ、第2ヴィオラ、チェロ、ヴィオローネ、オルガンを、すべてパート1人で編成しています。
CD : CDE 84138(Meridian)