OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

今日は倦怠

2007-03-27 18:05:13 | Weblog

いろいろあって、倦怠した1日でした。

こういう日には、自然体で聞ける、このアルバムを――

Tiny Caper / Jon Hazilla (Double-Time)

リーダーについては、私は知らない人なんですが、ピアノトリオで演目が良いので、買ってしまったCDです。しかも中古バーゲンの叩き売り! 3枚1000円位でしたね、3年ほど前ですが……。

で、リーダーの Jon Hazilla は白人ドラマーです。

録音は2000年11月30日、メンバーはブルース・バース(p)、ジョン・ロックウッド(b)、そして Jon Hazilla(ds) となっています。そして気になる演目は――

01 Vernell
02 Hello Young Lovers
03 Tiny Caper
04 Spindo
05 Tivolli
06 Fractals
07 Paper Moon
08 Footprints
09 Misty Night / Lights Are Low

という、なかなかシブイ選曲です♪

特に有名スタンダードの「Hello Young Lovers」や「Paper Moon」には気を惹かれるところで、恥ずかしながら私は、いきなりCDの選曲ボタンを合わせてしまったほどです。

すると前者はボサノバアレンジで爽やかに、後者はメリハリの効いた4ビートで、全くの正統派に演奏されていましたから、まずは一安心♪ Jon Hazilla のドラムスもシャープなライト感覚で好ましいかぎりですし、ブルース・バースも歌心優先の中にも新主流派っぽいニュアンスを織り交ぜて聞かせてくれます。

またアルバムタイトルになった「Tiny Caper」は、ご存知、クリフォード・ブラウン(tp) が書いた西海岸的な名曲ですから、ここでも穏やかな解釈で和みます。

しかし、Jon Hazilla のオリジナルという「Vernell」「Spindo」「Fractals」の3曲では、けっこう硬派なアプローチが展開され、ブルース・バースが十八番の1970年代風ジャズピアノの真髄が楽しめます。それはモードとハードバップをセロニアス・モンクで味付けしたような好ましい演奏なんです♪

まあ、些かジャズ喫茶的な表現になりましたけれど、これが本当に往年のジャズ喫茶モードなんですねぇ~~~♪ ジョン・ロックウッドのベースにも落ち着きと重さがありますし、Jon Hazilla も大ハッスルしていますが、必要以上の力みが無いので好感が持てます。

またその意味で、ウェイン・ショーター(ts) が書いた有名モード曲「Footprints」が秀逸な解釈になっています。トリオの3者が、かなりバラバラをやりながら進行する演奏なんですが、暗黙の了解の絆がしっかりしていますから、聴いていて自然と熱くなります! あぁ、演奏時間が4分半というのが、勿体無いです!

こうして向かえた大団円のメドレーが、また和みます♪ この緩やかグループは気抜け寸前なんですが、サウナの後の生ビールのような♪ 心地良い汗と倦怠感がたまりません。

ということで、全篇を通してリーダーのブラシとステックが共に嫌味無く、ブルース・バースもでしゃばる事が無く、さらに縁の下の力持ちに撤するベースの存在という、ちょっと地味な表現ながら、これが所謂「三本の矢」なのです。

おそらく、これは、どうってことない出来栄えなんでしょう。ただ、こういうブツを、こよなく愛してしまうのがサイケおやじです。

それにしてもブルース・バースは、往年のノリがあって好きですねぇ♪

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