今日のハイライトは、やはり亀田&金平の謝罪会見でしたね。
長男として父親と意見が対立している部分がモロ出しになっていましたが、あんまり卑小なんで拍子抜け……。プロの勝負師なんだから、もう少しエグイ事を言っても許されたと思うのですが、結局は腰抜けぶりを露呈したのですね。
精神に異常とされる、当事者の弟の存在も情け無いです。
これでは先が……、なんて私が心配してどうなるもんでもありませんね。
ということで、本日は仲良し兄弟の――
■Presenting“Cannonball”/ Julian Cannonball Adderley (Savoy)
キャンノンボール・アダレイの初リーダーアルバムとして有名な1枚ですが、皆様が良くご存知のとおり、実弟のナット・アダレイと共にニューヨークに出てきたキャノンボール・アダレイが、直ぐにサボイレコードと契約して、この作品を発売出来たのは運否天賦の成せるところでしょう。
カフェ・ボヘミアでの飛び入りで、その場を圧倒したという伝説は、そればかりが一人歩きしている感もありますが、しかし直後に行われたセッションから作られた数枚のアルバムには、既にして完成されていたキャノンボール・アダレイのスタイルが記録されていますから、あながち伝説ばかりとは言えません。
この作品も、その中のひとつで、録音は1955年7月14日、メンバーはナット・アダレイ(cor)、キャノンボール・アダレイ(as)、ハンク・ジョーンズ(p)、ホール・チェンバース(b)、ケニー・クラーク(ds) という、今では夢の顔合わせになっています――
A-1 Spontaneous Combustion
後々までキャノンボールのハンドでは大切な演目になったオリジナル曲で、「イン・サンフランシスコ(Riverside)」でのゴスペルファンキーな熱演があまりにも有名ですが、ここでのリラックスしたノリも素晴らしいと思います。
ハンク・ジョーンズが余裕で作る軽いブギウギ調のイントロから、覚え易いテーマメロディ、さらに自然体でアドリブをスタートさせるキャノンボール・アダレイのグルーヴィなアルトサックスまで、これは美しき流れです! もちろんチャーリー・パーカー直系のフレーズも用いながら、独自のアタックと息遣いを聞かせてくれるんですねぇ~♪ 烈しい倍テンポにも揺るがない鉄壁のリズム隊が、また凄いです。
そして続くナット・アダレイも熱いですが、トランペットよりも小さいコルネットというラッパを吹いているのがミソなんでしょうか……? どういう違いがあるのか、ド素人の私には分かりかねますが、よりハイノートが出ている感じです。
またハンク・ジョーンズの上品なピアノも光ります。というか、単純には熱くならないという意気地があるようです。そのあたりはリズム隊全員の総意かもしれません。ポール・チェンバースも流石のベースプレイを聞かせてくれます。
A-2 Still Talkin' To Ya
キャンノンボール・アダレイが書いたブルース歌謡曲♪ 如何にもという様式美がブルース&ソウルに溢れていますが、ほとんどアドリブフレーズの積み重ねという雰囲気が、たまりません♪
ミディアムテンポでジンワリとしたグルーヴを作り出すリズム隊も流石ですから、キャノンボール・アダレイも心置きなくブルースの魂を発揮しているようです。もう、臭味、ギリギリなんですよっ!
するとナット・アダレイは、些かノーテンキな駆け足スタイルも披露しますが、ちょっと古典ジャズっぽいフレーズまでも使った、ミエミエの狙いが微笑ましいところ♪
またハンク・ジョーンズのソフトなフィーリングとグリグリのポール・チェンバース、さらに淡々としたケニー・クラークという、個性がマゼコゼのリズム隊が、鮮やかな存在感を示すのでした。
B-1 A Little Taste
明るく軽快なハードバップ曲ですが、アドリブパートに入るとキャノンボール・アダレイのアルトサックスは真っ黒! 豊かな音量とソウルフルなフレーズの洪水は、唯我独尊の響きです。
またナット・アダレー
イはミュートで勝負していますが、マイルス・デイビスにはなっておらず、もうひとつ古い感じが憎めません。
それとハンク・ジョーンズのアドリブが素晴らしい歌心♪
B-2 Caribbean Cutie
タイトルどおり、陽気でノンビリしたアフロキューバン系の曲ですが、正統派4ビートになるアドリブパートでは、異様に黒いキャノンボール・アダレイのサックスが本当に黒光りです。
また、その前段としてアドリブの先発を務めるハンク・ジョーンズが、これまた素晴らしいです! あぁ、このソフトな歌心! このまんま終わっても、ノー文句じゃないでしょうか。
それとナット・アダレイの泣きじゃくるコルネットも良い味ですし、ブンブンブンのポール・チェンバースとか、これもハードバップの隠れ名演だと思います。
B-3 Falmingo
オーラスはR&B系アルトサックス奏者のアール・ボスティックが大ヒットさせた人気曲ですから、ここでもキャノンボール・アダレイがワンホーン体制でじっくりと、独自の歌心を披露してくれます。
それはテーマメロディの艶っぽい変奏からして、もう、辛抱たらまらん状態♪ 豊かな音量を活かしたアルトサックスの「鳴り」も、大変な魅力ですし、魂を込めたアドリブパートも実に説得力があります。
もちろんハンク・ジョーンズはムード満点の粋なピアノを聞かせてくれますよ♪
ということで、後年に比べれば、まだまだ地味な演奏かもしれませんが、その基本スタイルは、既にここで出来上がっていたと思います。
ちなみに同時期のセッションからは、ケニー・クラークのリーダー盤「ボヘミア・アフター・ダーク(Savoy)」が作られ、さらに1980年代になってからは、別テイク集も発掘発売されていますから、合わせて聴く楽しみもございます。
個人的には真正面から歌物スローバラードを演奏するキャノンボール・アダレイが好きなので、「Falmingo」を愛聴しているのでした。