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サイケおやじの生活と音楽

土居まさるとカレンダーの思い出

2016-09-12 17:08:07 | 歌謡曲
カレンダー / 土居まさる (エレック)
 
昔のニュース映像フィルム等々に接すると、現代と決定的に違うなぁ~、と思ってしまうのが、ナレーションの語り口でしょう。
 
それが何時頃から今のような日常的(?)なスタイルに変わったのか?
 
という素朴な疑問を考察する時、サイケおやじは昭和40年代に登場して忽ち絶大な人気を集めたラジオDJの土居まさるを比定したくなるんですが、いかがなものでしょう。
 
少なくともサイケおやじと同世代の皆様であれば、その時代に文化放送で流れさていた深夜番組「セイ!ヤング」、そして後年はテレビに進出しての「TVジョッキー(日本テレビ)」等々における、カジュアルな雰囲気で語りかけ、ラジオやテレビの前の我々をすんなりと共感させてしまう話術は、様々な意味で忘れられていない思います。
 
そして殊更ラジオの深夜放送という、昭和40~50年代の文化の発信地を社会全般に認識させた功績は言わずもがな、そこからもっと多様なブームを発生させた中で、ラジオのアナウンサーでもスタアになれる!?
 
という、まさに今に繋がる社会的地位の確立は、その一例として平たく言えば、自らが歌手としてレコードを出し、それを関わりのあるマスコミ媒体を使ったとはいえ、立派にヒットさせてしまったという結果から、次なるブームの萌芽を導いたという、ひとつ間違えばキワモノ芸人すれすれの評価と裏腹の活躍だった!?
 
という評価もございましょう。
 
そこで本日掲載したのは、その土居まさるが最初に吹き込んでヒットさせた歌謡ボサノバの名曲「カレンダー」をA面に入れたシングル盤で、しかも制作&発売元が後に吉田拓郎や泉谷しげる等々のレコードを出して爆発的な歌謡フォークブームを牽引したエレックレコード、その第一弾作品という意義も大きなものです。
 
実は「エレック」という会社は本来は出版社だったらしく、各種の通信教育も手掛けていたところから、その課程の作詞作曲講座として最優秀作品に選ばれた作詞:のなかみやこ&作曲:三嶋清正による「カレンダー」をレコード化するにあたり、白羽の矢(?)が立てられたのが既に昭和44(1969)年には人気DJになっていた土居まさる!
 
という経緯があるそうで、必然的に「エレックレコード」というインディーズレーベルを立ち上げての発売は、なかなかベンチャー企業としての意気込みも熱いものが今も感じられます。
 
もちろん、これがそれなりに売れたことから経営も先行きが明るいとの判断で、以降はアングラ系フォークシンガーや学生グループをプロに引き入れてのデビュー企画、レーベル主導のコンサートライブ「唄の市」開催等々の戦略が大当たりして、さらなるレコード売り上げの上昇になっていった事は我が国芸能史に刻まれているところです。
 
また、そういうブームと連動していたというか、当時のフォークシンガーがラジオ深夜放送のDJに起用され、ますます人気を沸騰させていったという相乗効果も、やはり最初に土居まさるが提唱したDJスタイルがあればこそ、シンプルにレコードを流して、時事の話題を語るというのは過去の遺物(?)であり、ラジオのリスナーからのリクエストの他にも、時には悩み相談も書かれていたハガキを紹介し、さらにはラジオドラマ的コントやゲストを招いてのフリートークという、もはや決して音楽だけを楽しむのがラジオの役割ではないという、大胆な方向転換を導いたひとりが、土居まさるという稀代のタレントだったように思います。
 
肝心の楽曲「カレンダー」は既に述べたとおり、歌謡ボサノバのアレンジになっていて、編曲はジャズギタリストの沢田駿吾が担当しただけにバックの演奏も流石にオシャレ♪♪~♪
 
そして皆様ご推察のとおり、土居まさるの歌唱は決して上手いとは言い難い朴訥とした味わいに徹しているのが意図されたものなのか、サポートシンガー(?)の女性ボーカルの存在が眩しいほどに素敵です♪♪~♪ また同時に中盤で入る土居まさるの「語り」が流石の存在感で、妙にトーシロっぽいフィーリングを狙ったとしたら、これは頭脳的大勝利なのでしょうか。
 
まあ、こ~ゆ~ところは皆様に実際に聴いていただきたいところです。
 
ということで、しかし土居まさるは不治の病で還暦を前に早世……。
 
もしも生き続け、活動を継続していたら、今の大衆文化はもうちょっと別な方向へ?
 
等々と思う事も度々です。
 
最後になりましたが、サイケおやじが社会へ出てからの仕事場の先輩が、この「カレンダー」を宴会芸として歌いたがったんですが、その頃はこれがカラオケに無く、既に学生時代にバンドをやっていた事がバレていたサイケおやじに伴奏の命令が下されたものの、実はサイケおやじはボサノバのリズムギターが苦手なもんですから、苦し紛れにリズムボックスを持ち込んで、なんとか体裁だけは繕ったという前科もありました。
 
うむ、やっぱり「カレンダー」は思い出を作るものですねぇ~~。
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2 コメント

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EPが最初とは…? (名無しの権平)
2016-09-12 18:25:18
1969年

出版社エレック社が行っていた音楽通信教育講座の会員作品をレコード化するため、永野譲、浅沼勇らの出資によって、新宿御苑に設立。
初代社長は永野譲。
同年4月、文化放送アナウンサー・土居まさるの歌による4曲入りコンパクト盤の市販をスタート。

☆4曲入りEP
①恋人は壁のむこうに
②ふられ男
③涙はそっと
④カレンダー

4曲目カレンダーの歌詞(ワンコーラス)


♪ある日どこかで(1月)    出会った二人(2月)
愛が芽生えて(3月)     かわすくちずけ(4月)
何て素敵な(5月)      恋の夕暮れ(6月)
二人で駆ける(7月)     白い砂浜(8月)
焼けた素肌を(9月)     くらべあって(10月)
愛は深まり(11月)      結ばれた二人(12月)♪


このシングル盤は持ってますが、4曲EPは知りませんでした。     
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Unknown (RW)
2016-09-13 07:10:09
初めまして、ローリングウエストと申します。新潟県柏崎生れ川崎市在住の58歳(山好き・旅好き・歴史好き・昭和レトロ好き・洋楽好き)の中年オヤジです。洋楽などで趣味が合いそうな方かな?と思い訪問させて頂きました。小生もパンク・ニューウファイブ系は苦手で主に1970年代洋楽系です。1970年スマットヒット集」(ローズガーデン、イエローリバー等)を紹介しておりますので是非とも遊びに来られて見て下さい。これからもお付き合いの程よろしくお願いいたします。

(PS)本編では「ゴジラ映画特集」を公開しております。もし興味があるようでしたら覗いてみてください。
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