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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

パーカー対グレイ

2008-04-12 17:36:19 | Weblog

昨夜の宴会は水着でキューティハニーを歌ったコンパニオンも登場し、久々に楽しかったですね♪ やっぱり酒席はこうでなくては!

ということで、本日は――

Happy“Bird”/ Charlie Parker (Charlie Parker / Musidisc)

昨日掲載したマイルス・デイビスは放送音源集ということで、本日はそういう話になると決して素通り出来ないチャーリー・パーカーです。

もちろんチャーリー・パーカーはモダンジャズを創成した天才アルトサックス奏者ですが、その時期の録音フォームはSPでしたから、ライブでは縦横無尽に吹きまくっていたアドリブも、正規のレコードでは3分前後しか聴くことが出来ませんでした。

しかし当時のラジオではジャズのライブも放送されており、一番ヒップでカッコイイ音楽だったビバップの王様というチャーリー・パーカーの演奏も、世界遺産として残されています。

ただしそれは1940年代から1950年代前半にかけてのものですから、音質は劣悪……。発売形態もほとんどが海賊盤、つまりブートということで、アナログLPは盤質も悪く、初心者や現代の高音質ブートに慣れている皆様にはとてもオススメ出来ません。

ところが人間の耳というのは大変良く出来ていて、よしっ、聴くぞ! と意気込めば、お目当ての音がしっかりと認識出来るようです。つまりある種の雑音カットフィルターのようなものが脳内に形成されるんじゃないでしょうか?

ですから、どんなに音質が劣悪でも、チャーリー・パーカーが唯一無二のジャズ魂に満ちたアドリブフレーズの奔流は、リスナーを極大に興奮させ、感動させるのです。

もちろんこれはチャーリー・パーカーに限ったことではなく、ストーンズでもマイルス・デイビスでも、リスナーの気持ちひとつでどうにでもなるのですが、そこで本日の1枚です。

録音は1951年4月12日、ボストンからの放送録音で、メンバーはチャーリー・パーカー(as)、ワーデル・グレイ(ts)、ウォルター・ビショップ(p)、テディ・コティック(b)、ロイ・ヘインズ(ds) というのクインテットで3曲、残りの1曲はジャムセッションらしく、チャールス・ミンガス(b)、マックス・ローチ(ds)、リチャード・ツワーディック(p)、それに正体不明のトランペッター等々が参加していますが、告白すると、私はワーデル・グレイがお目当てでした――

A-1 Happy Bird Blues
 これはチャーリー・パーカーのアドリブだけという短い演奏ですが、アッテンポで天衣無縫に吹きまくる天才の真髄にはゾクゾクさせられます。アップテンポながらツッコミするどいリズム隊も緊張感がありますねぇ。

A-2 Scrapple From The Apple
 さて、これが私のお目当てというワーデル・グレイが大活躍のビバップ曲♪ アップテンポでグイグイと十八番のフレーズを積み重ねていきますから、ファンには感涙しかないでしょう。独特のリズム感と歌心には、どこかしら胸キュンのフィーリングがあるんです。まあ、この人も正規録音はSP中心でしたから、長いアドリブはライブ録音しかないわけで、マニアともなれば、どんな劣悪な音源でも集めずにはいられないのです。その中で、この音源は比較的良好というわけです。
 肝心のチャーリー・パーカーもドライブしまくった天衣無縫なアドリブは痛快なれど、ここではロイ・ヘインズの凄まじいドラミングと観客の興奮がガッチリ録音されているのが、なんとも嬉しくなってしまいます。
 ちなみに演奏時間は15分を超えています。

B-1 I'll Remember April
 データによれば、これだけがチャーリー・ミンガスやマックス・ローチの入ったセッションで、緊張感と音質は些か落ちてしまいます……。
 ただしその中でもチャーリー・パーカーは太くて逞しい音色でスリル満点のアドリブを聞かせていますから、実際のライブでの音やノリは豪快至極、天国への直行便だった思いますねぇ~♪
 またピアノの音が極端に小さくしか録音されていないので、チャールス・ミンガスのベースワークがしっかりと聞こえます。これがまた、野太い音でグイノリという恐さなのでした。もちろんベースソロも強烈です。
 ちなみにこのトラックにはテープ編集の疑惑がありますね。まあ、いいか……。

B-2 Lullaby In Rhythm
 再びワーデル・グレイが聴かれるクインテットの演奏ですが、誰かがしきりと「ブロ~、ワ~デル♪」なんて掛声を飛ばすもんですから、本人も大ハッスル♪ 録音の按配で些か軽い音色という雰囲気も、逆に結果オーライかもしれません。あの、せつないフレーズが止め処なく流れてきますから、たまりません。
 ところがチャーリー・パーカーが出ると、忽ち場に緊張感が広がります! ハードな音色とエッジの鋭いフレーズ、さらに緩急自在のノリと天才的なリズム感には心底、興奮させられます。
 するとワーデル・グレイが、またまたアドリブに突入です! 今度はかなり荒々しい感じですが、こういう事って当時は日常茶飯事のモダンジャズ的瞬間芸だったんでしょうねぇ~♪ 演奏時間は12分半!

ということで、もちろん音質は良くありませんが、ワーデル・グレイのロングアドリブソロが楽しめるというマニア感涙の1枚です。

ちなみにこのアルバムの初出はチャーリー・バーカー・レコードという会社から出ていましたが、私有盤は多分フランスプレスでしょう。実は日本盤も某社から発売されていましたが、寝ぼけた音質で……。

そこで入手したのが、この盤というわけで、けっこうメリハリの効いたカッティングで満足しています。ちなみにCDも様々に出ているようですから、またまたチャーリー・パーカー熱が再燃しそうで、ちょっと恐くなっています。

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