■恋のウォーミング・アップ / 大滝裕子 (Epicソニー)
芸能界には昔っから新しいスタアやアイドルを作り出す目的のコンテストが多数行われてきたわけですが、当然ながら、そこでトップになれたからブレイク出来るというほど現実は甘いものではなく、むしろ意想外の結果に進展する場合が多いんじゃ~ないでしょうか。
例えば、今日では知る人ぞ知る実力派ボーカリストの大滝裕子は「ミス・セブンテイーン」に選ばれ、昭和54(1979)年に公式レコードデビューしたアイドルシンガーという扱いながら、その卓越した歌唱力から作られた最初のシングル曲「A BOY」が当時の一般的なイメージとしての「新人」とは別格の仕上がりだった事から、後にトップアイドルとして業界をリードしていく松田聖子との因縁(?)も含めて、すんなりとは売れなかった事が今や歴史!?
と言えば大袈裟かもしれませんが……。
ですから以降、2作目のシングル曲「ミリオン・キス」からは、ガッツリとアイドル歌謡路線に転じ、続く3作目の「YOKOHAMA 25時」では、湿っぽさをも感じさせる正統派歌謡曲みたいなレコードまで出してしまい、それはそれでサイケおやじは大好きだったんですが、やはり大滝裕子に求めてしまうのは、洋楽系のニューミュージック歌謡!?
という、最大公約数的な願いを叶えてくれたのが、昭和55(1980)年10月に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「恋の恋のウォーミング・アップ」でありました。
なにしろ、これはヤクルトのCMソングに使われ、お茶の間のみならず、あちらこちらで耳にする機会も多かった、実に溌剌としたブラコン歌謡ポップスと申しましょうか、三浦徳子の綴った歌詞の世界は安心印でしたし、椎名和夫の作編曲にしても、殊更山下達郎のツアーバンドでレギュラーギタリストを務めていただけに、そこと同種のサウンドを分かり易くアイドル歌謡に変換したかの如き潔さ♪♪~♪
とにかく、この晴れやかなフィーリングが素敵ですよねぇ~~♪
そ~した「耳に心地よい」仕上がりがあればこそ、大滝裕子の楽曲の中では一番に売れているんじゃ~ないでしょうか。
ただし、個人的には、このシングル盤に収められたトラックのミックスが聊か「あっさり」していると感じるもんですから、聴く時には、思いっきり、許されるだけの大音量で鑑賞する事にしています、もちろん、ヘッドホン装着ですが (^^;
でも、本当に、聴くほどに大滝裕子の歌の上手さが伝わって、リミックス&リマスターのデジタルバージョンを聴きたくなるのが本音でもあります。
ちなみに、彼女は「大滝裕子」名義ではLPを1枚だけ残しているんですが、昭和61(1986)年頃からは「アマゾンズ」をやってしまうので、アイドル期(?)の音源が尚更に過小評価されている気がするのは、なんだかなぁ……。
でも、サイケおやじとしては、アマゾンズもアイドル期の大滝裕子も、つまりは、どっちも好きなんですよ (^^♪
アマゾンズについても追々に、ご紹介したく、今夜あたりは鳴らしてみようかなぁ~~~♪