■Love Like A Man / The Ten Years After (Deram / キングレコード)
何事もイメージが大切ってのは、商売の鉄則のひとつではありますが、とにかくイギリスのブルースロックでは、ライプバンドとしての評価を決定的なウリにしていたのが、本日の主役たるテン・イヤーズ・アフターでしょう。
特に我国では、例の映画「ウッドストック」で披露した「I'm Going Home」の超熱演が強烈でしたからねぇ~♪ そこでシングルを出す時には、日本盤ならではのピクチャースリーヴにステージショットを用いるのが慣例の如く!?
掲載した「Love Like A Man」も、全くそのとおりの商品になっています。
しかし、これは絶対的な必然性のあるブツで、なにしろA&B両サイドに同じ曲を収録していながら、A面はアルバム「クリックルウッド・グリーン」に入っていたスタジオテイクを編集&リミックスした45回転バージョンなのに対し、B面は前述アルバムには未収録の長尺ライプバージョンということで、なんとっ! 33回転という変則7吋盤なんですよっ!
で、肝心の曲調は思わせぶりな演出からイカシたリフをメインに据えた、これが典型的なミディアムテンポのブルースロックで、ギターを弾いている者ならば、我知らず件のリフをやってしまうに違いないほどの中毒性がニクイばかり♪♪~♪
ちなみに、前述のアルバム「クリックルウッド・グリーン」、そしてこのシングルが発売された1970年こそが、アルヴィン・リー(vo,g)、チャック・チャーチル(key)、レオ・ライオンズ(b)、リック・リー(ds) というメンバー4人が一番がっちり纏まっていた全盛期で、以降は結果的にマンネリにどっぶり……。
というのが定評かもしれません。
ところが、テン・イヤーズ・アフターも、また同系ブルースロックのバンドそのものが、実はマンネリこそが偉大なるワンパターンとして、何時の時代も人気を集める要素じゃ~ないでしょうか?
そして、その中で如何にしてキャッチーなリフを作り出せるかっ!?
あるいは強靭にして、柔軟なピート&リズムとボーカルのコラポレーションが成立させられるかっ!?
まあ、そういう部分にファン&マニアは一喜一憂させられるように思います。
ということで、ブルースロックというジャンルは今日、相当に思い入れが無ければ親しめない世界になっているような気も致しますが、まあ、それはそれとして、案外と素直に入って行けるのが、テン・イヤーズ・アフターというバンドかもしれません。
全ての音源に接する必要はないと思いますが、とりあえず本日ご紹介の「Love Like A Man」あたりから楽しむのも、ブルースロック入門も兼ねまして、テン・イヤーズ・アフターの存在意義なんでしょうねぇ~~♪
本日も独断と偏見、失礼致しました。
ディヴ・メイスンの三連リフとか、聴けば一発で誰が弾いてるか分かるのもプロ中のプロですかねぇ。
アルヴィン・リーといえば、ウッドストックのステージで最後に担ぎ上げた、でかいスイカを思い出します。
コメントありがとうございます。
アルヴィンの兄貴は、なかなかの変人だったようで、私の友人がサンフランシスコの某ホテルで浮浪者のように扱われていたのを目撃したそうですよ。
なんでも汚~~いジーパンにヨレヨレのTシャツ、しかし持っていたギターには例の「ピースマーク」があったそうで、騒ぎの最中にマネージャーが駆けつけて収まったとか!?
ブルースロックのマンネリ性は、やっている側が楽しいってこともあるでしょうねぇ~♪
ちなみにサイケおやじの得意技がメイソン風三連フレーズなのは、告白しておきます(笑)。