OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

アッパー気分な恋は流星

2019-08-28 16:54:21 | Singer Song Writer
■恋は流星 part Ⅰ c/w 同 part Ⅱ / 吉田美奈子 (RCA / RVC)

掲載したのは吉田美奈子が昭和52(1977)年春に出したシングル盤なんですが、実は同時に新作LP「TWILIGHT ZONE」も発売されていながら、当時のサイケおやじは金欠病で、彼女の熱烈なファンだったにもかかわらず、そのアルバムが買えず……。

という苦渋の選択という次第でこれを入手したわけですが、それでもジャケットスリーブの裏に、アルバムとは別バージョン云々という注意書き(?)があったので、無理に自分を納得させていましたですね、恥ずかしながら。

しかし帰宅して針を落とした瞬間、おぉ~~~っ! なんてカッコイイ~~フュージョンディスコ歌謡なんだっ!

もちろん当時は既にニューミュージックという概念が、その業界用語よりも先にリスナーには自覚されていた頃でしたから、洋楽っぽさが濃くも薄くも入っていなければ、所謂売センではなかったわけで、その意味では立派に商業主義を標榜出来る仕上がりという見方も、今日では当たり前かもしれません。

しかしリアルタイムでは、相当に前のめりというか、A面に収録の「part Ⅰ」こそ気持ちの良いリズム&ビートにソウルっぽさ満点のボーカルが乗っかったキャッチーな仕上がりも、これがB面の「同 part Ⅱ」になると基本は同じ演奏の延長にある中で、ほとんどインスト主体のホーンのアドリブ合戦や柔軟なリズム隊の遊び(?)が楽しめる、まさに同時期に流行っていたクロスオーバー&フュージョンがそのまんまなんですねぇ~~~!?!

で、クレジットを確認してみると作詞作曲は当然ながら吉田美奈子、しかし編曲は山下達郎という、今となっては自然の成り行きの如く、すんなり受け入れられるのかもしれませんが、個人的には誰か、もっと演奏やアレンジでスタジオワークに携わっている専門家の仕業かと思っていましたですねぇ~~。

このあたりは後に知った事ではありますが、基本的にこのレコーディングセッションはスタジオでの一発録りで、それゆえに用意されていたアレンジ譜から自然発生していくグルーヴが大切にされるプロデュースが狙いだったのでしょうか。

その場に集められたミュージシャンの凄腕も必然的なポイントかと思います。

そして、それこそが、この「恋は流星」も収録されている前述のLP「TWILIGHT ZONE」が吉田美奈子の代表的な傑作盤と今も称賛される要因かもしれません。

ですから、矢も楯もたまらず、ど~にか金策してゲットした件の「TWILIGHT ZONE」が、忽ちサイケおやじの愛聴盤になったのは言わずもがな、問題(?)の「恋は流星」のアルバムバージョンを聴いてみると、う~ん、やっぱり分割されたシングルバージョンよりも自然に楽しめるなぁ~~~♪

と感じたのも束の間、やっぱりシングルバージョンはスリーブ裏に掲載されていたとおり、単なるシングルカットじゃ~ありませんっ!

イントロには宇宙的なSEが被せられているし、ボーカルのミックスが多少強くなっている気がします。そして何よりもリズムアレンジが決定的に異なり、特に「part Ⅱ」ではアドリブパートが完全主役という仕上がりで、演奏時間そのものもAB面合わせるとアルバムバージョンよりも長くなっているんですから、今となってはマニア泣かせでありましょう。

ただし現在ではCD化もされていますし、両バージョン共に聴き比べが可能であれば、それこそリスナーの好みの問題かもしれません。

ということで、実は冒頭に述べたとおり、このシングル盤を思い出す時、サイケおやじはやっぱりその頃の自分の生活あれこれが……。

あぁ……、勉強に身も入りず、お気楽な学生生活の中にあって、ロマンポルノをメインに洋ピン物や独立系成人映画に夢中になって闇に蠢き、またそこから進んで所謂フルーフィルムの探求&研究に足を踏み入れ、無責任なバンド活動やバイクのガソリン代を稼ぐためのバイトに勤しんでいたという日々こそが、実はサイケおやじにとっては人生最良の時期だったと思うばかりです。

そして今でも「恋は流星」を聴く時、だからこそなんでしょう、気分が高揚するのでした。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 生かされているのがこの世の真理 | トップ | 自然はなんて残酷なんだろう »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Singer Song Writer」カテゴリの最新記事