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サイケおやじの生活と音楽

今も最高な辺見マリの恋

2011-12-22 15:18:45 | 歌謡曲

サンドラの恋 c/w  光の季節 / 辺見マリ (ワーナーパイオニア)

最近の芸能人の結婚には、ほとんどが「デキ婚」なぁ~んて話題がつきまとっていますが、なにかそうでなくてはマスコミが困ってしまうような風潮は???

しかし、そうだとしても、確かにおめでたい話題の中で新婦がアイドルやスタア女優であれば、少しでも彼女を気にかけていた野郎どもの心中は穏やかではありません。

尤も、何れは「破局」とか「別居」とか、ついには別れ話の縺れも含め、それが後々には続く予想さえも、これまたマスコミを浮かれさせるのですから、やりきれませんねぇ……。

さて、そこで本日の主役たる辺見マリは皆様もご存じのとおり、日米ハーフの美女としてタレント活動の後、昭和44(1969)年に歌手デビューし、その最初のシングル曲「ダニエル・モナムール」から大ヒットを連発!

なにしろ当時、二十歳前という若さと芳醇なエロキューションのアンバランスな魅力は、忽ちにして日本男児を虜にする、所謂セクシー歌謡路線の新しき曙を到来させ、以降は「経験」「私生活」「めまい」「とまどい」等々、如何にものタイトルが思わせぶりな楽曲をクールな情熱で歌いまくってくれたのですから、たまりませんでしたねぇ~~♪

もちろん当時の慣例としてキワドイ衣装や水着姿も出し惜しみせずに披露し、ヒット曲の歌謡映画化に際しては、ちょい役での出演もあり、加えて様々なCMにも登場する等々の大活躍は、まさに昭和元禄を彩るものとして忘れられません。

ですから、これまた当時のスタア俳優だった西郷輝彦との結婚により、昭和46(1971)年末に芸能界からの引退発表は、あまりにも人気絶頂の最中に潔すぎる決断として、世間を騒がせました。

そして本日ご紹介するのが、そのラストシングルとして企画され、同年12月に発売された、今も不滅の名曲名唱です。

ちなみに、ここで「企画され」と、あえて書いたのは、辺見マリの結婚引退は既に同年秋の時点で所属事務所とレコード会社から許諾されていたという事実が後に公表されたからで、そのポイントにおいての用意周到さは、年月を超えて流石の感服というところでしょう。

特に収録された楽曲両面ともが、彼女のデビュー盤となった「ダニアル・モナムール c/w ふりむかない季節」に関わった作詞:安井かずみ、作曲:村井邦彦、そして編曲:川口真という黄金のヒットメーカートリオによって作られたという部分は、その出来栄えの見事さ共々に圧倒的な成果だと思います。

それはまずA面の「サンドラの恋」からして傑作の極みであり、所謂ソフトロック歌謡ポップス最高峰のひとつと断言して、後悔しないものがあるほどっ! 当然ながら、そこには彼女の結婚を祝福する高揚感が歌詞とサウンドの双方から確立されていますし、ウキウキ感と微妙な胸キュンフィーリングをフレッシュに歌いあげる辺見マリのリアルな実在が本当に素晴らしいですよ♪♪~♪

ちなみに同時期の我国で東映が制作公開した成人映画「現代ポルノ伝・先天性淫婦」への出演で大ブレイクしたサンドラ・ジュリアンというフランス系のポルノ女優が自ら歌って発売したシングル曲「サンドラの森」は、作曲が同じ村井邦彦のフレンチポップス系歌謡曲とあって、こちらの「サンドラの恋」との関連も各方面で指摘されているようですが、どうなんでしょうねぇ~~。

個人的にはあまり気にしてはいないのですが、念のために書き添えておきます。

閑話休題。

一方、B面に収録された「光の季節」はスローな情感を表出させる名曲で、失礼ながら本来はこうした曲調が不得手と思われる当時の辺見マリが、じっくりと歌いあげる仕上がりは侮れません。何か万感の思いを込めたような雰囲気の良さこそが、大きな魅力じゃないでしょうか。

ということで、このシングル盤を出して間もなく、彼女は引退~結婚し、生まれた愛娘は今やタレントの辺見えみりというわけですが、そういう事でしばらくは専業主婦をやっていた辺見マリも1980年代には芸能界に復帰し、西郷輝彦とは離婚に至りました。

まあ、そういう道は別に芸能人でなくとも、大人であれば充分に納得も理解も出来るはずですし、現実に同じ状況を歩んでいる人だって大勢いることは言わずもがなでしょう。

しかし辺見マリには正式デビュー時から夥しいファンがつくという、ある意味では幸せな重荷があり、また生まれついての美貌と長じてからのフェロモン放出度の高さは、もう罪作りだったかもしれません。

それゆえに昭和46(1971)年の結婚から引退は実に勿体無いなかったというのが、大方の本音じゃないでしょうか。

ただ、それでも全てを許容するのがファンの心得である事も間違いではありませんから、このシングル盤を含めた彼女の全ての楽曲を楽しませていただける幸せは大切にするべきと思います。

ド派手な付け睫毛も強すぎるインパクトのジャケ写ではありますが、それも愛おしいかぎりなのでした。

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2 コメント

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西郷輝彦 (セブン)
2013-11-29 22:15:07
旦那さんも頑張ってたんですね。

ローリングスト~ンズ♪
ジョン・レノ~ン♪
サンタナ・シカ~ゴ~♪
http://www.youtube.com/watch?v=K_txCWpHb2U
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枯れない人だなぁ~ (サイケおやじ)
2013-11-30 15:59:18
☆セブン様
コメント&懐かしいご紹介、感謝です。

これはシングル盤、持っていますよ♪
でも、当時は所謂「ネタ」として、真正面からは相手にされていなかったと思うんですよ。

なんで、テルテルが、こんな歌を!?

それが正直なファンの気持ちだったのでしょう。

個人的には演奏パートの雰囲気、非常に好みのど真ん中です。
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