OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

このジャケ写どおりの歌と声

2023-08-26 17:49:40 | 歌謡曲

死ねない女の子守唄 c/w 夜明けの街に恋が死ぬ / 三井ゆう子 (日本コロムビア)

昭和40年代の我が国歌謡曲は以前にも増して洋楽との結び付きを強くしていった事は、例えばエレキ ~ GS歌謡の大流行にも顕著ですし、それが演歌と称されるジャンルにおいては普通に用いられる「コブシ」が洋楽の黒人大衆音楽やゴスペルの「メリマス」という歌唱技法に通底しているところがあるからでしょうか、所謂R&B歌謡とかソウル演歌と呼ばれる楽曲も多数制作されていた現実として、そんなこんなのレコードが中古市場では今でも愛好者を喜ばせる「お宝」になっているんじゃ~ないでしょうか。

本日掲載のシングル盤にしても、これはサイケおやじが最近入手した1枚なんですが、三井ゆう子と名乗る女性歌手が残してくれた収録両面2曲が共に、なかなか発売された昭和46(1971)年5月の雰囲気を今に伝える仕上がりで、本当に嬉しくなってしまいました (^^)

特にジャケ写の雰囲気、この美しく不貞腐れている印象の三井ゆりのポートレートがあればこそ、まずは作詞:わたなべ研一&作曲:立川輝明が提供のA面曲「死ねない女の子守唄」が基本は演歌、しかし、荒木圭男がアレンジしたサウンドの妙はロック色が強いフォーク歌謡に接近しているもんですから、出来上がったのはミディアムテンポのソウル歌謡でもあり、ふて節ズベ公歌謡でもあるという、好きな人には好きとしか言えないスタイルなんですから、たまりません。

そして主役たる三井ゆう子の声質がエグ味の強いウナリ系であり、このあたりは日吉ミミのフォロワー的なフィーリングも確かにあるわけで、だからこそ、諦観と情念が渦巻く女の独白が強いビートを敲き出すドラムスや旨味のあるフレーズを披露するギターに彩られ、ビンビンに伝わって来るんですねぇ~~♪

あぁ……、正に……、このルックスにして、この歌声、この節回し ♪♪~♪

ですから、作詞:喜多条忠&作曲::立川輝明の提供したB面曲「夜明けの街に恋が死ぬ」が、やはり荒木圭男のアレンジによって同系のロック演歌に仕上がってはいるものの、こちらはミディアムアップでブラスセクションも大きく前に出たカラオケパートがありますから、三井ゆう子の節回しもテンションが高いと申しましょうか、黒人ソウルっぽいコブシ、つまりは微妙なメリマスの使い方等々は結果論かもしれませんが、今度は平山三紀を想起させられるあたりは、ニクイばかり (^^♪

ちなみに彼女については、ジャケットスリーブ裏に簡単なプロフィールが記載してあり、我が国プロ野球界の大投手・金田正一が設立したプロダクションの最初のタレントであり、それ以前から歌の勉強は積んでいたという、当時は19歳の有望新人だったわけですが……。

ということで、この1枚、結果的にブレイクしたとは言い難い彼女が残してくれた2曲は、なかなかサイケおやじの好みにはジャストミートしておりますので、今後も他のレコードを探索する所存です。

うむ、こ~ゆ~エネルギーは地球沸騰化には還元されないと信じております。

コメント
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