■されどわが愛は死なず / 浅丘ルリ子 (テイチク)
我が国歌謡界において、現在は全く廃れてしまったジャンルのひとつが、サイケおやじの独断と偏見ではありますが、所謂「メロドラマ歌謡」かもしれません。
もちろん、件の「メロドラマ歌謡」という分類名はサイケおやじの個人的嗜好からの勝手な造語ではありますが、ひとつの基準としているのがスローテンポでマイナーキーのメロディラインに欧州系ポップスの味わいを塗し、歌詞の世界は不条理なピュアハートと申しましょうか、言い訳にも純愛とはならない大人の悲恋?
―― みたいなムード歌謡とは似て非なる雰囲気を醸し出している歌謡曲だと思えば、必然として、それを歌うボーカリストには、ある意味での「芝居っ気」が求められるんじゃ~ないでしょうか?
ですから、これは完全に「女優の歌」であった方が成功率も高いはずで、本日掲載したのは、サイケおやじが、これこそっ!
「メロドラマ歌謡」と典型と崇める名曲・名唱として、作詞:なかにし礼&作編曲:川口真が提供の「されどわが愛は死なず」を取り上げてみました。
もちろん、歌っているのは浅丘ルリ子なんですから、サイケおやじにはノー文句の歌謡世界と思い込むばかりなんですが、いかがなものでしょう。
なにしろ、イントロから欧州系ポップスサウンドが全開というチェンバロやギターの響きに加えて、思わせぶりで流麗なストリングスや程好いグルーヴを作り出すベースのウネリでムード設定は万全であり、湿っぽくてオシャレな本篇曲メロを節回す浅丘ルリ子の歌唱というよりも、演技が実に素晴らしいんですねぇ~~♪
これは、もう、完全に彼女が主演のメロドラマのワンシーンを積み重ねたクライマックスに流れても違和感が無いと思われるほどで、このあたりこそが、女優の歌の大きな魅力じゃ~ないでしょうか。
う~ん、これが世に出たのは昭和46(1971)年という歴史に鑑み、現在の歌謡界において、こ~ゆ~雰囲気の歌を表現しうる女性シンガーが、ちょいと見当たらないと思ってしまうんですよ、サイケおやじには……。
そりゃ~、そんなこんなは確かにサイケおやじの生意気な暴言であり、各方面からのお叱りは覚悟せねばなりませんが、それなりに自分が好んでいる「メロドラマ歌謡」というジャンルを今だからこそ、復活させていただきたいという願いからの告白であります <(_ _)>
ということで、本日は野暮用が多くて、借りているトランクルームでのネタの入れ替えも捗りませんでした (^^;
久々にジャズのレコードを持ち帰りたかったんですが、あれやこれや迷っているうちに時ばかりが過ぎ去って…… (^^;
好きな事を好きなだけ出来る時間を持つことが、サイケおやじのとっての幸せへの希求かものかもしれません。
失礼いたしました <(_ _)>