さてさて、年末は何かと特別な忙しさに追いまくられて、落ち着きません。
各方面への挨拶回りとか買物、人ごみが鬱陶しいのは何時ものことですが、それでもちょっとは、自分のブツの整理とかも出来ました。
そこで、ながら聴きしていたのが――
ジャズメンはカッコイイ!
特に黒人は、何時の時代もカッコイイ!
音楽センスもそうですが、ファッションセンスも最高です。
そしてこのアルバムは、その両方が存分に楽しめる名盤です!
まずジャケットは、スーツでビシッとキメたリー・モーガンが素晴らしくカッコイイです。
もちろん演奏内容も最高で、録音は1960年2月8日、メンバーはリー・モーガン(tp)、クリフ・ジョーダン(ts)、ウイントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds) という、震えが来るほどの売れっ子ばかりです――
A-1 Terrible“T”
リズム隊3人が各々別のリズムパターンを出すイントロから、エキゾチックなテーマメロディの合奏! ここがまず魅力的です。
そして初っ端から鋭いフレーズとノリでアドリブパートに突入していくリー・モーガンの痛快なトランペット! 背後で煽るアート・ブレイキーの呆れ顔が目に浮かびますねぇ~♪
続くクリフ・ジョーダンも硬質なアプローチで容赦無い雰囲気ですし、なによりもリズム隊が素晴らしすぎます! 粘りに粘った挙句に飛び跳ねるウイントン・ケリーは言うにおよばす、どっしり構えてグルーヴィなポール・チェンバース、大技・小技を織り交ぜて、実はシブイというアート・ブレイキーは、当に名人芸です。
A-2 Mogie
1曲目に続いて、これもリー・モーガンのオリジナルというファンキー節が楽しいテーマメロディは、単なるアドリブの素材を超えた存在感があります。
もちろん即興演奏の醍醐味も満点で、烈しいビートに煽られて燃え上がるリー・モーガンが、やはり最高! クリフ・ジョーダンも烈しく突っ込んで、行く先はもちろんアドリブ地獄という覚悟が見事だと思います。
ウイントン・ケリーも十八番のフレーズと躍動感を披露していますが、実は背後でグルーヴするポール・チェンバースの凄さに、耳を奪われてしまうのでした。もちろんピチカートのソロも強烈です。
演奏はこの後、リー・モーガンとアート・ブレイキーが炎のソロ交換! 熱くなります。
A-3 I'm A Fool To Want You
泣きがたっぷりの人気スタンダード曲を、リー・モーガンはミュートトランペットで期待どおりに吹いてくれますから、もう、たまりません。
またテーマ部分のサビでは、クリフ・ジョーダンも良い味出しまくりですし、上手く絡んでくるリー・モーガンとウイントン・ケリーも流石♪
ちなみにリー・モーガンのミュートは、マイルス・デイビスとは完全に違う世界を構築しているのも凄いところで、しかも負けず劣らずに泣いているんですから、大したもんだと思います。
そしてスローな展開をダレさせないアート・ブレイキーのブラシとポール・チェンバースの絶妙なバッキングも、地味ながら凄みが感じられるのでした。
B-1 Running Brook
盟友ウェイン・ショーター(ts) が書いたモード系の曲を、リー・モーガンは最上級のハードパップに変換させていきます♪ それはもちろんメンバー全員の力量がそうさせているわけで、まずはクリフ・ジョーダンが、かなりツッコミの烈しいアドリブを聴かせてくれます。
そしてリー・モーガンは言わずもがなのファンキー節に加えて、スタッカート多用のリズミックなノリ、あるいは新しめのミステリアスなフレーズまでも混ぜながら、激烈な吹奏です。
さらにウイントン・ケリー以下のリズム隊も強烈な存在感! リラックスしていながら緊張感も満点という、凄い演奏です。
B-2 Off Spring
これがまた、楽しくもリズミックなテーマから、グイノリのハードバップになるという、まさにモダンジャズ全盛期の輝きに満ちた名演です。
特にウイントン・ケリーはイントロから伴奏、自分のソロパートまで素晴らしい出来なんですが、思えば当時は、こんな演奏なんて日常茶飯事という充実期だったわけですから、怖ろしい限りでもあります。
肝心のリー・モーガン、そしてクリフ・ジョーダンも、それぞれに大ハッスルのアドリブを披露していますが、絶妙の軽さもあったりして、和みます♪
B-3 Bess
オーラスは、これも軽妙なノリが魅力というリー・モーガンのオリジナル曲で、ハードバップというよりも楽しいモダンジャズですねっ♪
まずリー・モーガンがミュートで十八番のフレーズを積み重ねてアドリブしていくところが、お約束と言えばミもフタもありませんが、こんなに軽々と即興演奏が出来るなんて、やっぱり天才だと思います。
またクリフ・ジョーダンもライト感覚というか、肩の力が抜けた雰囲気で吹いてくれるサブトーンも素敵です。
それと全篇でアート・ブレイキーのブラシが、もう最高にシブイです♪ もちろんウイントン・ケリーも強烈なスイング感で迫っています。
ということで、これは軽さも魅力という秀作です。
そのポイントはリズム隊の名人芸なんですが、実はこのセッションの前日には、ハンク・モブレーの大名盤「ソウル・ステーション(Blue Note)」でバックを務めているんですねぇ~! 良い時代でした♪
最初に書いたように、本日はBGMっぽく聞きましたが、ジャズ喫茶で聴くと、また別の感動と楽しさに包まれるのは、言わずもがなです。