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~サッカーを中心に日々の雑感など~

嗅覚

2014年07月21日 | 雑感

 この頃ニュースのトップに出てくるのはウクライナ上空で起こったマレーシア旅客機撃墜事件。誰が撃墜したのかと言われている中で、ウクライナ東部で反政府軍事行動を取り続けている親ロシア派が軍用機と判断して誤射したのではないかとウクライナ政府は音声や動画を証拠として発表し、アメリカ政府もこれを裏付ける証拠があるなどと、後押ししている。

だけどどうしてそんな危険な紛争地域上空に旅客機を飛行させていたのだろうか。証拠とするものはちゃんと検証しなくていいのだろうか。大かたが予想しているように親ロシア派が間違って撃ち落としたというのであれば、誤射事件は過去の歴史にもあったことだ。

あまりにも欧米よりの一方的な情報の洪水が流されていると、そのまま信用していいのかと疑ってみるような嗅覚が働く。だってアメリカはイラク戦争のときだって、ブッシュ大統領は自信満々イラクに大量破壊兵器があるといっておきながら、後になってあれは間違いでした…だからねえ。

前にネットで取り上げられていたような、ウクライナ南部のオデッサであった親ロシア派が立てこもった労働組合のビルが放火され、住民46人が死亡、200人以上が負傷したとされるような事件は、アメリカでもヨーロッパ諸国でも報道されてないそうだ。ウクライナ政府の胡散臭い部分には目をつぶっている。

この放火はウクライナ民族主義者の過激派右派セクター(ネオナチ、反ユダヤ、反ロシア)によるものと言われているが、ウクライナの新政府の中には彼らも入り込んでいるために捜査に乗り出すこともなかったという。

まあ、こっちの方を一番に持って来れば、インパクトも強いし、イスラエルによるパレスチナガザ地区への空爆や地上侵攻によって、民間人、特に子供の犠牲者がどんどん出ているというニュースは2番手の後ろへ追いやられてしまう。

オバマ大統領がロシアを非難するのであれば、残虐行為を続けるイスラエルを止めようとしないアメリカは、ダブルスタンダードと批判されて当然。オバマ大統領は世界中の目をイスラエルから引き離そうとしているのだろう。

以前に放送された世界のドキュメンタリー「もう一つのアメリカ史」で、オリバー・ストーン監督はロシア人こそ最もナチスと戦って多くの犠牲者を出したと言われていたが、ソチオリンピック前、2月3日に放送された「サンクトペテルブルク音楽の都~ゲルギエフと辿る栄光と苦難~」でも、900日に及ぶナチスの封鎖の中で64万人の犠牲者を出しながら、最後まで屈せず戦ったレニングラード(サンクトペテルブルクの前身)の人々を音楽が支えたという歴史には深い感銘を受けたものだ。

ショスタコービッチの「交響曲第7番レニングラード」の最後のところではたたたたーという音が刻まれ、それはモールス信号でビクトリー=勝利を表す信号音、ファシズムに勝利するという強い決意が音楽になっていたのだ。4日「トルストイの大地」~辻井喬のロシア・ユートピア巡礼~、5日知られざるロシア・アバンギャルドの遺産~スターリン弾圧を生き延びた名画~。ロシアにも素晴らしい思想と芸術があることを再認識…



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