で、「プラド美術案所蔵ゴヤ~光と影」。プラド美術館の「着衣のマハ」がメイン。
なので、今、プラドに行った人は、「裸のマハ」の隣は壁だけに違いない。
土曜日の午後だったのに、思ったより混んでなかった。
プラドのは油彩20点位と版画&素描50点。それに国立西洋美術館所蔵の版画&素描50点!のコラボだ。3時間近く観てた。
プラド所蔵の素描(版画のための下書き)の隣に、その完成品である日本の西洋美術館所蔵の版画が並んでる。すごいなあ。上野の、この展示会でしかみられないんだよ。世界中で、上野で、今だけだよお~。
プラドは行ったことあるけど、1987年だから(スペインに留学してた友人が村上春樹の出たばかりの「ノルウェイの森」を持って来いと言ったので)、ほんの24年前?
しかもツアーで駆け足で観たので、ゴヤは「裸のマハ」と「着衣のマハ」が並んでたのしか覚えてない。個人的(ホラー好きだから)には、プラドの上の階にあった「黒い絵」シリーズを観たかったんだけど・・・。行ってもらえなかった。
タペストリーの下絵画家→宮廷画家として肖像画を油彩で書きながら、自分で書きたい油彩も書いて版画(エッチング)集を何冊出版→黒の絵シリーズ。
ホラー絵画みたいのは、「黒の絵」でいきなり始まった訳ではなくて、宮廷画家になって有頂天になってたのに、聴力を奪われた頃の版画からだったんだねえ。
ゴヤって、肖像画は「おおっ!さすが!」って思うんだけど、タペストリーの下絵(「日傘」とか「洗濯女たち」)とか「マハ」とか、人間の骨格とか小物を手に持ってるはずなの上手に持ってなかったりして、うまいんだかなんだか良く分からないところがあって、個人的にはあまり好きではないんだ。
ただ、混乱の時期にスペインに生きて、67歳で子供も作って、80歳近くになってからフランスのボルドーに移り住んで、黒の絵シリーズを描いて、82歳で亡くなったというはすごいと思うけど。
今回、一番よかったのは、やっぱり肖像画で、名作「カルロス4世の家族」のための油彩スケッチ「スペイン王子フランシスコ・デ・パウラ・アントニオの肖像」。可愛かったんだもん。
←この絵(「カルロス4世の家族」)の真ん中の男の子がアントニオ君!
あと、プラドの、私が行った頃はゴヤ作だった「巨人」って、今はゴヤの弟子作になったんだねえ。歴史というか、過ぎ去った出来事は、何が真実か分からないし、後世の研究で、いろんな事が解明されるから面白い。
出口でチラシを観てたら、なんと来年の6月30日の、東京都美術館のリニューアルオープンにマウリッツが来るんだって。メインはフェルメールの(唯一美人の女の子)「真珠の耳飾りの少女」。他にルーベンスやファン・ダイクなど。あんなちっちゃい美術館からメインが来ちゃうんだ・・・。来年の6月から9月は、マウリッツに行かない方がいいようだ。