もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

95冊目 永田久「時と暦の科学」(NHK市民大学10月-12月;1989)  評価5

2011年12月09日 06時04分55秒 | 一日一冊読書開始
12月8日(木):

138ページ  所要時間4:35

自分の本棚を物色していて、「こんな本、持ってたんだ!」という出会いだった。以前から、「一週間は、何故、何時頃から7日なのか?、そして中国や日本にいつ頃、伝わったのか?」「太陰暦と太陽暦の関係を要領よく解説した本はないか?」など暦に関心があった。ページ数の少なさにも強く魅かれた。著者64歳。

ただ、油断して鉛筆と付箋でチェックしながら読み始めたのは、失敗だった。解り易くて、面白いのだ!。2時間経っても、わずか50ページ、半分にも達しない。焦ってるのに、後半に大きな落とし穴があった。日本の改暦事情から、陰陽五行説、十干十二支、二十四節気と「節月」の紹介が、わかりやすく展開されるのだ。そして、福沢諭吉の『改暦弁』で、改暦に慌てふためく世間に「日本国中の人民、此改暦を怪しむ人は必らず無学文盲の馬鹿者なり。これを怪しまざる者は、必らず平生学問の心掛ある知者なり。されば、この度の一条は、日本国中の知者と馬鹿者とを区別する吟味の問題といふも可なり」の名調子が紹介され、一方で「光の春は冬至から、気温の春は立春から」などの詩的表現が散りばめられる。わくわく興奮しながら、読みこんでいくうちに4時間半が経ってしまった。

結局、こんな薄い本だが、内容は最高に興味深くて面白かった。何のことはない、読書ではなく、テキストで楽しく「延々勉強してしまったのだ!」。こんなことしてると、読書習慣が維持できないという後悔と、楽しかった!という思いの間でジレンマに、またしても迷い込んでしまった。

この本を、今、入手することは、不可能だけど、著者のほかの著書は入手可能です。私は、「読まれてみては、如何?」と、お勧めします。誰かに伝えたくなる興味深くて、日頃の疑問に答えてくれる内容が、とても良い塩梅で紹介されています。是非ご一読を!  

※例のごとく、寝なければいけません。面白い内容ばかりだけど、紹介できれば紹介します。     

目次:1時間を区切る/2週の成立と順序/3曜日の意味/4太陽暦の源流-エジプトの暦/5十二か月の歩み-ローマの歴史/6月の名の由来/7グレゴリオ暦の構造/8日本の改暦事情/9陰陽五行説/10十干十二支/11二十四節気/12人生の宇宙観

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