もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

170918 NHK「ありのままの最期 末期がんの“看取(みと)り医師” 死までの450日」 感想5

2017年09月19日 01時36分15秒 | 映画・映像
9月18日(月):     (※追記:異常にたくさんの方々がこの記事にご来訪頂きました。有難うございますm(_ _)m。)

今晩放送されたNHKドキュメンタリーを観た。良寛さんの「 うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ 」の句が思い浮かんだ。有り難い姿に最後は合掌した。

夫婦ともに医師で、僧侶。30年近く末期がん患者のホスピス(終末医療)に取り組んできた。夫の医師・僧侶が末期がんを発症し、余命わずかの医師の存在を聞きつけて駆け付けたNHK取材班に自分自身の闘病、衰え、亡くなるまでをすべて隠さず取材することを許可した。見送ったホスピス患者たちから多くのことを教わったので死ぬこと自体は怖くないという。放送は、自分の葬式後でいい。内容を確かめる必要もない。

潔い言葉に魅かれた。死の最期までを撮り切った記録である。後半は本人よりも彼を取り巻く人々の思いも一緒に描き出される。特に奥さんの医師・僧侶の思いの深さに観ているこちらも戸惑った。人間の死が、本人の問題だけでは決してないという当たり前のことを教わった。数日前に、キリスト教もいいかな、と思っていたが、偉いお坊様もきちんといるのだ。

克明な死の記録は、案外少ない。けれど、死に立ち会い、死を目の当たりにすることが多くなると慣れはしないが、極度に恐れる必要もないかな、と思えるようになる。できれば、事故などではなく、病院のベッドで十分な医療措置を受けて安らかに逝ければいいな、とは思うが、こればかりはまじめに努力はするが、求めすぎても仕方のないことかと思う。

亡くなったお坊様(栃木県 西明寺住職・医師 田中雅博 氏)については、偶然だが、4月29日のNHK心の時代~宗教・人生~「いのちの苦しみに向き合って~がんになった「僧医」の遺言~」でも録画が残っているので、後日じっくりとお話を伺いたいと思う。「死して朽ちず」とはこの方のことかもしれない。立派な最期だったと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 170918 【政治断簡】慰めら... | トップ | 170919 イライラする!御託... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画・映像」カテゴリの最新記事