7月21日(土):
各巻182ページ前後 所要時間、各巻1:30~2:00 全25巻所有
ブログの読書部分が明らかに伸び悩んできている。言い訳はいくらでもできる。今春、職場が変わって新たな環境に対応するのに必死であること。実際、子育ても含め公私にわたり忙しくなったこと。老眼の進行による明らかな読書のし辛さ。さらに加齢に伴う気力体力の衰え。昔のように高橋和巳『邪宗門 上・下』、井上ひさし『吉里吉里人 上・中・下』、大岡昇平『レイテ戦記 上・中・下』を読み通すような離れ業は相当の覚悟がなければやり切れなくなってきている。
また、加齢に伴う体質の変化によるのか、近年俺の体はお握り一個でも食べ物を口にすると、急速に胃腸に血流が集中して、全身を動かさないデスクワークなどで、じっとしていると必ず!30分以内に猛烈な睡魔に襲われて1~2hの睡眠を余儀なくされる体質になっている。
しかし、それらの言い訳をいくら並べても、本を読めない真の理由とはならない。読書家業界の人々(?)からは必ず「それじゃあ、あなたは忙しくなったら毎日ご飯を食べないのですか。忙しければ夜寝ないのですか」という問いが返ってくるはずだ。即ち、「読書とは寝食と同じで、本当に読みたい意思があれば必ず読めるはずだ」ということである。
そこで敢えて、この6月・7月という限定付きで言い訳をさせてもらうと、疲れて帰宅すると緊張から解き放たれるせいか、すぐに強い食欲を覚えて、メインの前の(腹の)虫休めの仮食として食事を始めてしまうようになった。そして、それはほぼ必ず「もっと食べてしまいたい」という食欲に負けてしまってメインの食事に変わってしまうのだ。そのあとはお約束の猛烈な睡魔に襲われて仮眠ぐアウト!(冗談言ってる場合か!?)。
夜9:00なら良い方で、10:30などとんでもない時間に目覚めて、途方に暮れてとりあえず、ニュースの録画や録り溜めた録画DVD(ブラタモリなど)を観ながら日記を書いて(俺は40年近く日記を書いている)、9%チューハイとウィスキー角ビンをがぶ飲みして寝てしまう日々(俺はアル中です)が続いているのだ。
仕事から帰ってすぐに読書に入れれば良いはずなのだが、それができずとりあえずダイニングのいつもの席に陣取ってほっと一息つく。その横には、小さな本棚があり、二ノ宮知子「のだめカンタービレ 全25巻」や、ほったゆみ原作・小畑健漫画「ヒカルの碁 全23巻」、吉田秋生「海街diary 全8巻」などが並べられている。また、近くの他の本棚には、小学館「漫画 日本の歴史 全20+1巻」と集英社「漫画 世界の歴史 全16+2巻」が置いてある。そして、今回ある意味必然的にだが、不覚にも!、「のだめカンタービレ」に手を出してしまったのだ。
帰宅してすぐ食欲が出て仮食をすると言っても、子育て真っ最中の俺の奥さんにも都合というものがある。1~2hはすぐに立つ。その間に「のだめカンタービレ」をランダムに手を出して読み始める。全体の筋は、ほぼ頭に入っているので、どこから読んでも迷うことはない。面白い!。以前に見落としていたところに気づく。面白かったところに再度はまる。前が読みたくなる。後が読みたくなる。
いつのまにか、何度目かの「のだめカンタービレ」のマイ・ブームが訪れ、あの世界にはまり込んでいく。また、俺は「のだめカンタービレ」のアニメ、ドラマ、映画をすべてテレビ放送で録画撮りし、CMを抜いてきれいにDVD保存してある。特に、アニメDVDの出来は超素晴らしい。このアニメDVDを以前から何度もマイ・ブームで見直しているので、コミックだけでは再現できないクラシックの名曲すべてを頭の中で再現しながら、俺は読み通すことができる。
十分に読書が捗らなかった背景の一つに、6月・7月の「のだめカンタービレ」ブームがあったことは間違いない。そして、音楽を頭の中で再現しながら読み直す中でこの作品の素晴らしさを再認識する日々が続いている。
俺の作品に対する評価の基準は、①知ることのできない世界をトータルにまとめてわかりやすく切り拓いて、追体験できるように紹介して見せてくれること。②群像劇として登場人物ひとりひとりに行き届いた魅力があること。③第一段階から、第二段階への展開で、第二段階で失速することなく、さらに面白い展開を見せてくれること。④メインキャラクターの位置づけにどんでん返しがあること。のだめを海外に導くために千秋は日本に釘付けされていた。ヒカルの才能を引き出す研ぎ石となるために塔矢アキラがいた。そう考えると、塔矢アキラは、ヒカルを“陶冶する(育成する)”ために設定された“陶冶アキラ”とも読めるだろうか。
そして、何といっても、⑤メインキャラクターは一人よりも複数が良い。「キングダム」の信、政(始皇帝)、姜かい、蒙恬(てん)、王噴(ほん)。他、歴代大河ドラマの中の名作群「花神」(6月にどはまりしていた)、「翔ぶが如く」(実は今、どはまり中である。明治六年の政変の西郷・大久保の葛藤は胸ふさがれる思いになる)、「太平記」(尊氏・直義、後醍醐、正成・正季、道誉、師直:「父上、母上-、弟を殺した-」)、『軍師官兵衛』(7月初にどはまりしていた。「その時、家康はどちらの手を握った。」「右でございます。」「そのときお前の左手は何をしていた!」)etc.まあ、切りがない。
「のだめカンタービレ」は、俺のクラシック音楽への憧れを十二分に満たしてくれる作品だった。しかも、アニメ録画で俺はその曲を追体験できている。群像劇としてもよくできてるし、1~9巻までの国内編から10巻~23巻の巴里編、さらに24・25巻のアンコールオペラ編まで内容豊かでゆるみがなく発展形で、俺の知識欲を十分に満たしてくれた。特に、外国での音楽活動の様子をきちんと描き出してくれたことはこの作品の最大の価値だろう。音楽の持つ国際性を感じさせてもらえた。
のだめに振り回されながら自らの人生が開かれていく千秋の姿を見ながら、外形的な評価に惑わされることなく、自らの判断基準・能力を優先させることでのだめを選び取ることができた千秋自身の才能の高さも表現されている。「自分の目を信じる」「自分の判断基準を大切にする」ことの大切さにも気づかせてもらえた気がしている。
音楽に携わる人々の姿、彼らにとって、コンクールとは。国内コンクールと国際コンクールの違い。オーケストラとは。コンマス・コンミスとは。コンチェルト(協奏曲)とは。オペラとは。オケピとは。悲しい曲を悲しく奏で過ぎてはいけない、とは。パリ、ウィーン、ベルリン、ロンドン、ニューヨーク:イタリアなど音楽の本場とは。ロシア人ターニャ嬢とセ・グローク(青緑)な黒木君の恋愛事情、国際結婚と言っても特別なことではなく、国境を越えて男女を結ぶ強い絆があるということ。ステージママの存在。表現力の多様さ。
少し考えて振り返っても、このシリーズから様々なことを学べたと思うが、実際のところ最後に、本音を吐けば「ひたすらゲラゲラ、クスリと笑えて面白かった!」のだ。絶妙の間合いで展開される笑えるシーンの連続、知性とともに作者のセンスの良さが光り輝き続けていたのだ。やはり「のだめカンタービレ」の魅力を一言でいえば、「大変センスの良い作品だった!」ということに尽きる。
さて、ここまで書いてきて、顰めっ面で読ませるのが、良い作品とは限らない。むしろ笑いこそが人々の耳目を引き付け、人々を高みに引き上げる原動力ではないか、と考えるに至った次第である。ってことで、6月・7月の読書に「のだめカンタービレ 全25巻」を読書に加えない方がおかしい!。カウントに加えるべきである!、と結論付けさせて頂きましたm(_ _)m。
今、一番恐れているのは、先述のアニメ版「のだめカンタービレ」全DVDのマイ・ブームに再突入する可能性である。『翔ぶが如く』DVDのマイ・ブームが終われば、『のだめ』DVDブームが始まるのか。これはやばいことになっている。まあ、それにしても考えてみれば、我ながら、それなりに楽しい人生を送らせて頂いている。感謝しながら、家族を始め周りの人たちのために生きさせて頂こうと心から思うm(_ _)m。有難や、有難や。 以上6004文字。
各巻182ページ前後 所要時間、各巻1:30~2:00 全25巻所有
ブログの読書部分が明らかに伸び悩んできている。言い訳はいくらでもできる。今春、職場が変わって新たな環境に対応するのに必死であること。実際、子育ても含め公私にわたり忙しくなったこと。老眼の進行による明らかな読書のし辛さ。さらに加齢に伴う気力体力の衰え。昔のように高橋和巳『邪宗門 上・下』、井上ひさし『吉里吉里人 上・中・下』、大岡昇平『レイテ戦記 上・中・下』を読み通すような離れ業は相当の覚悟がなければやり切れなくなってきている。
また、加齢に伴う体質の変化によるのか、近年俺の体はお握り一個でも食べ物を口にすると、急速に胃腸に血流が集中して、全身を動かさないデスクワークなどで、じっとしていると必ず!30分以内に猛烈な睡魔に襲われて1~2hの睡眠を余儀なくされる体質になっている。
しかし、それらの言い訳をいくら並べても、本を読めない真の理由とはならない。読書家業界の人々(?)からは必ず「それじゃあ、あなたは忙しくなったら毎日ご飯を食べないのですか。忙しければ夜寝ないのですか」という問いが返ってくるはずだ。即ち、「読書とは寝食と同じで、本当に読みたい意思があれば必ず読めるはずだ」ということである。
そこで敢えて、この6月・7月という限定付きで言い訳をさせてもらうと、疲れて帰宅すると緊張から解き放たれるせいか、すぐに強い食欲を覚えて、メインの前の(腹の)虫休めの仮食として食事を始めてしまうようになった。そして、それはほぼ必ず「もっと食べてしまいたい」という食欲に負けてしまってメインの食事に変わってしまうのだ。そのあとはお約束の猛烈な睡魔に襲われて仮眠ぐアウト!(冗談言ってる場合か!?)。
夜9:00なら良い方で、10:30などとんでもない時間に目覚めて、途方に暮れてとりあえず、ニュースの録画や録り溜めた録画DVD(ブラタモリなど)を観ながら日記を書いて(俺は40年近く日記を書いている)、9%チューハイとウィスキー角ビンをがぶ飲みして寝てしまう日々(俺はアル中です)が続いているのだ。
仕事から帰ってすぐに読書に入れれば良いはずなのだが、それができずとりあえずダイニングのいつもの席に陣取ってほっと一息つく。その横には、小さな本棚があり、二ノ宮知子「のだめカンタービレ 全25巻」や、ほったゆみ原作・小畑健漫画「ヒカルの碁 全23巻」、吉田秋生「海街diary 全8巻」などが並べられている。また、近くの他の本棚には、小学館「漫画 日本の歴史 全20+1巻」と集英社「漫画 世界の歴史 全16+2巻」が置いてある。そして、今回ある意味必然的にだが、不覚にも!、「のだめカンタービレ」に手を出してしまったのだ。
帰宅してすぐ食欲が出て仮食をすると言っても、子育て真っ最中の俺の奥さんにも都合というものがある。1~2hはすぐに立つ。その間に「のだめカンタービレ」をランダムに手を出して読み始める。全体の筋は、ほぼ頭に入っているので、どこから読んでも迷うことはない。面白い!。以前に見落としていたところに気づく。面白かったところに再度はまる。前が読みたくなる。後が読みたくなる。
いつのまにか、何度目かの「のだめカンタービレ」のマイ・ブームが訪れ、あの世界にはまり込んでいく。また、俺は「のだめカンタービレ」のアニメ、ドラマ、映画をすべてテレビ放送で録画撮りし、CMを抜いてきれいにDVD保存してある。特に、アニメDVDの出来は超素晴らしい。このアニメDVDを以前から何度もマイ・ブームで見直しているので、コミックだけでは再現できないクラシックの名曲すべてを頭の中で再現しながら、俺は読み通すことができる。
十分に読書が捗らなかった背景の一つに、6月・7月の「のだめカンタービレ」ブームがあったことは間違いない。そして、音楽を頭の中で再現しながら読み直す中でこの作品の素晴らしさを再認識する日々が続いている。
俺の作品に対する評価の基準は、①知ることのできない世界をトータルにまとめてわかりやすく切り拓いて、追体験できるように紹介して見せてくれること。②群像劇として登場人物ひとりひとりに行き届いた魅力があること。③第一段階から、第二段階への展開で、第二段階で失速することなく、さらに面白い展開を見せてくれること。④メインキャラクターの位置づけにどんでん返しがあること。のだめを海外に導くために千秋は日本に釘付けされていた。ヒカルの才能を引き出す研ぎ石となるために塔矢アキラがいた。そう考えると、塔矢アキラは、ヒカルを“陶冶する(育成する)”ために設定された“陶冶アキラ”とも読めるだろうか。
そして、何といっても、⑤メインキャラクターは一人よりも複数が良い。「キングダム」の信、政(始皇帝)、姜かい、蒙恬(てん)、王噴(ほん)。他、歴代大河ドラマの中の名作群「花神」(6月にどはまりしていた)、「翔ぶが如く」(実は今、どはまり中である。明治六年の政変の西郷・大久保の葛藤は胸ふさがれる思いになる)、「太平記」(尊氏・直義、後醍醐、正成・正季、道誉、師直:「父上、母上-、弟を殺した-」)、『軍師官兵衛』(7月初にどはまりしていた。「その時、家康はどちらの手を握った。」「右でございます。」「そのときお前の左手は何をしていた!」)etc.まあ、切りがない。
「のだめカンタービレ」は、俺のクラシック音楽への憧れを十二分に満たしてくれる作品だった。しかも、アニメ録画で俺はその曲を追体験できている。群像劇としてもよくできてるし、1~9巻までの国内編から10巻~23巻の巴里編、さらに24・25巻のアンコールオペラ編まで内容豊かでゆるみがなく発展形で、俺の知識欲を十分に満たしてくれた。特に、外国での音楽活動の様子をきちんと描き出してくれたことはこの作品の最大の価値だろう。音楽の持つ国際性を感じさせてもらえた。
のだめに振り回されながら自らの人生が開かれていく千秋の姿を見ながら、外形的な評価に惑わされることなく、自らの判断基準・能力を優先させることでのだめを選び取ることができた千秋自身の才能の高さも表現されている。「自分の目を信じる」「自分の判断基準を大切にする」ことの大切さにも気づかせてもらえた気がしている。
音楽に携わる人々の姿、彼らにとって、コンクールとは。国内コンクールと国際コンクールの違い。オーケストラとは。コンマス・コンミスとは。コンチェルト(協奏曲)とは。オペラとは。オケピとは。悲しい曲を悲しく奏で過ぎてはいけない、とは。パリ、ウィーン、ベルリン、ロンドン、ニューヨーク:イタリアなど音楽の本場とは。ロシア人ターニャ嬢とセ・グローク(青緑)な黒木君の恋愛事情、国際結婚と言っても特別なことではなく、国境を越えて男女を結ぶ強い絆があるということ。ステージママの存在。表現力の多様さ。
少し考えて振り返っても、このシリーズから様々なことを学べたと思うが、実際のところ最後に、本音を吐けば「ひたすらゲラゲラ、クスリと笑えて面白かった!」のだ。絶妙の間合いで展開される笑えるシーンの連続、知性とともに作者のセンスの良さが光り輝き続けていたのだ。やはり「のだめカンタービレ」の魅力を一言でいえば、「大変センスの良い作品だった!」ということに尽きる。
さて、ここまで書いてきて、顰めっ面で読ませるのが、良い作品とは限らない。むしろ笑いこそが人々の耳目を引き付け、人々を高みに引き上げる原動力ではないか、と考えるに至った次第である。ってことで、6月・7月の読書に「のだめカンタービレ 全25巻」を読書に加えない方がおかしい!。カウントに加えるべきである!、と結論付けさせて頂きましたm(_ _)m。
今、一番恐れているのは、先述のアニメ版「のだめカンタービレ」全DVDのマイ・ブームに再突入する可能性である。『翔ぶが如く』DVDのマイ・ブームが終われば、『のだめ』DVDブームが始まるのか。これはやばいことになっている。まあ、それにしても考えてみれば、我ながら、それなりに楽しい人生を送らせて頂いている。感謝しながら、家族を始め周りの人たちのために生きさせて頂こうと心から思うm(_ _)m。有難や、有難や。 以上6004文字。