もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

11 003 学習まんが「日本の歴史15 ゆきづまる幕府」(小学館:1982)感想4

2021年09月13日 00時14分17秒 | 一日一冊読書開始
9月12日(日):    

151ページ     所要時間1:40      蔵書

並び称される他の漫画日本史シリーズと比べて、最も古い編集である本書が「最も内容充実、興味深く編集されている」と言って間違いない。ほぼ同じ時代を読んだ先日の集英社版と比べても、本書のほうが圧倒的にサービス精神にあふれて面白かった。何よりも登場人物がみんな史実を踏まえて非常に印象的に描かれていて記憶に残った。特に、本シリーズは全20数巻をすべて一人の漫画家あおむら純氏が書き通していることは、他書籍の追随を許さぬ優れた点である。

読んでいて、内容・解釈ともに全く古さを覚えなかった。むしろ他書籍で疎かにされている必要なエピソード、問題の掘り下げなど本書のほうが簡潔、要を得て優れていると思う。<1980年代の初め>というのは、ある意味で今につながる歴史学の定型・定番が出来上がる時期であり、前向きな開拓精神を維持していた<豊饒な時代>だったのだと思う。

感想4は、実はコスパから言えば感想5である。でもさすがに中学生用漫画本に感想5は付けられなかっただけである。本書が、大学受験日本史の入り口として推奨されるのは正しいと思う。

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