9月6日(金):
227ページ 所要時間 2:30 図書館
著者57歳(1953生まれ)。宗教学者。本書は「14歳の世渡り術」シリーズの一冊。
時間的に余裕の無い中での、<繋ぎ読書>のつもりで手にした本だが、まずまずの内容だった。予め知っている内容も多く、ページもよく進んだが、一方でより深め、よく整理されている部分や、新たに知り得た部分、特に著者が宗教の問題を、<現代の問題>として新しい資料や知見に拘った部分は、「なるほど、いまはそうなっているのか…」とかなり参考にもなった。
実際14歳の子どもにも読める。かなり使い勝手の良い内容になっている良書と言える。親子の対話に使えれば、一層良いかもしれない。
村上春樹「1Q84」に、エホバの証人が「証人会」、ヤマギシ会が「さきがけ」として登場する。村上は、地下鉄サリン事件の被害者への取材をまとめた「アンダーグラウンド」(講談社;1997)の翌年、オウム真理教の現役・元信者に取材した「約束された場所で」(文芸春秋;1998)を編んでいる。その中で河合隼雄と対談して、
*オウムの人に会っていて思ったんですが、「けっこういいやつだな」という人が多いんですね。はっきり言っちゃうと、被害者のほうが強い個性のある人は多かったです。良くも悪くも「ああ、これが社会だ」と思いました。それに比べると、オウムの人はおしなべて「感じがいい」としか言いようがなかったです。
*でもね、話をしていると、意外にみんな簡単に出家しちゃうんですね。話をしていても、突然「それで出家しちゃいましてえ」みたいなことになるんです。182~183ページ
統一教会元信者の体験記=金沢大学教授仲正昌樹「Nの肖像 ― 統一教会で過ごした日々の記録 ―」(2009)には、かなり食指が動いた。
目次: ※コピペ
はじめに
第1章 君はもう信者だ!
◆信者の数は人口より多い? ◆日本人なら誰もが信者◆七五三のお祝いも宗教!?◆生まれたら神様へ、死んだら仏様へ◆宗教からは離れられない
第2章 親に押しつけられる宗教もある
◆ちょっと変だなと思う宗教は? ◆新しい教団ほど勧誘は激しい ◆子どもにも信じさせようとする親◆生活がまるごと宗教活動になることも◆宗教が夫婦喧嘩の原因に◆たくさんのお金をつぎ込んでしまう理由◆信じるか、親を捨てるか◆一生続く信仰の影響
第3章 学校が宗教!
◆知らぬ間に教えこまれる宗教◆影響を受けやすいのはミッション系◆批判は許されない◆意外と消極的な新宗教系◆性の目覚めが信仰につながる◆ミッション系の倫理観は現在もカタイ◆信仰の強制につながることも◆他人の宗教を否定するのは危険
第4章 友だちの宗教
◆友だちが宗教を信じていたら?◆どうして鳥居をくぐらないのだろう?◆教団の教えと一般常識は違う◆付き合っている人に勧誘されたら?◆「無宗教」な日本人は変わり者?◆食べ物や衣服のルールが違う◆異なる宗教同士で仲よくするために
第5章 宗教って何だろう
◆かかわりをもつときに備えて◆信仰とはどういうものか◆信じるかどうかで価値が変わる◆宗教の真理は科学で証明できない◆すべてを信じているのはごく一部◆ある宗教を「怖い」と感じる理由◆開祖の共通点◆誰にでも起こるイニシエーション◆信者の世界観を変えるために◆入信後も試練だらけ◆信仰したから見えてくるもの
第6章 どうして宗教にハマるのか
◆きっかけは身近な人◆貧しさと病気と争いごとが原因◆宗教が流行した経済成長期◆前向きに生きることを求める新宗教◆発展のために勧誘活動は不可欠◆世の終わりへの恐怖が新新宗教を生んだ◆オウム真理教にひかれた若者たち◆「自分探し」の場所を求めて◆狙われやすい大学生◆誰もが信者の予備軍である
第7章 危険な宗教もある
◆一度生まれた宗教は残り続ける◆「カルト」って何?◆「洗脳」と「マインド・コントロール」◆信者を増やすための手段◆効果的な「世の終わり」論◆時間が経てばこころは変わる◆巨大な施設を作って活気づける!◆過度の熱狂は危険!
第8章 信者は操り人形にすぎないのか
◆信者にもそれぞれ個性がある◆勧誘で信仰を強化する◆教団の内側で見えるもの◆信者との対話で分かること◆統一教会信者の体験◆活動にハマった理由◆信仰の実践としての霊感商売◆左翼との暴行事件も◆二重の落ちこぼれ◆ヤマギシ会での私の体験◆やめる人、やめない人の違いとは?◆重要なのは、人間関係
第9章 宗教にかかわった経験を生かす
◆信仰を捨てた後のこころ◆〈特別インタビュー〉両親の影響で「法の華三法行」に入信した、元信者A君(24歳)◆信仰の経験は生かせる◆宗教の存在を意識して生きよう◆客観的な比較が重要
おわりに
227ページ 所要時間 2:30 図書館
著者57歳(1953生まれ)。宗教学者。本書は「14歳の世渡り術」シリーズの一冊。
時間的に余裕の無い中での、<繋ぎ読書>のつもりで手にした本だが、まずまずの内容だった。予め知っている内容も多く、ページもよく進んだが、一方でより深め、よく整理されている部分や、新たに知り得た部分、特に著者が宗教の問題を、<現代の問題>として新しい資料や知見に拘った部分は、「なるほど、いまはそうなっているのか…」とかなり参考にもなった。
実際14歳の子どもにも読める。かなり使い勝手の良い内容になっている良書と言える。親子の対話に使えれば、一層良いかもしれない。
村上春樹「1Q84」に、エホバの証人が「証人会」、ヤマギシ会が「さきがけ」として登場する。村上は、地下鉄サリン事件の被害者への取材をまとめた「アンダーグラウンド」(講談社;1997)の翌年、オウム真理教の現役・元信者に取材した「約束された場所で」(文芸春秋;1998)を編んでいる。その中で河合隼雄と対談して、
*オウムの人に会っていて思ったんですが、「けっこういいやつだな」という人が多いんですね。はっきり言っちゃうと、被害者のほうが強い個性のある人は多かったです。良くも悪くも「ああ、これが社会だ」と思いました。それに比べると、オウムの人はおしなべて「感じがいい」としか言いようがなかったです。
*でもね、話をしていると、意外にみんな簡単に出家しちゃうんですね。話をしていても、突然「それで出家しちゃいましてえ」みたいなことになるんです。182~183ページ
統一教会元信者の体験記=金沢大学教授仲正昌樹「Nの肖像 ― 統一教会で過ごした日々の記録 ―」(2009)には、かなり食指が動いた。
目次: ※コピペ
はじめに
第1章 君はもう信者だ!
◆信者の数は人口より多い? ◆日本人なら誰もが信者◆七五三のお祝いも宗教!?◆生まれたら神様へ、死んだら仏様へ◆宗教からは離れられない
第2章 親に押しつけられる宗教もある
◆ちょっと変だなと思う宗教は? ◆新しい教団ほど勧誘は激しい ◆子どもにも信じさせようとする親◆生活がまるごと宗教活動になることも◆宗教が夫婦喧嘩の原因に◆たくさんのお金をつぎ込んでしまう理由◆信じるか、親を捨てるか◆一生続く信仰の影響
第3章 学校が宗教!
◆知らぬ間に教えこまれる宗教◆影響を受けやすいのはミッション系◆批判は許されない◆意外と消極的な新宗教系◆性の目覚めが信仰につながる◆ミッション系の倫理観は現在もカタイ◆信仰の強制につながることも◆他人の宗教を否定するのは危険
第4章 友だちの宗教
◆友だちが宗教を信じていたら?◆どうして鳥居をくぐらないのだろう?◆教団の教えと一般常識は違う◆付き合っている人に勧誘されたら?◆「無宗教」な日本人は変わり者?◆食べ物や衣服のルールが違う◆異なる宗教同士で仲よくするために
第5章 宗教って何だろう
◆かかわりをもつときに備えて◆信仰とはどういうものか◆信じるかどうかで価値が変わる◆宗教の真理は科学で証明できない◆すべてを信じているのはごく一部◆ある宗教を「怖い」と感じる理由◆開祖の共通点◆誰にでも起こるイニシエーション◆信者の世界観を変えるために◆入信後も試練だらけ◆信仰したから見えてくるもの
第6章 どうして宗教にハマるのか
◆きっかけは身近な人◆貧しさと病気と争いごとが原因◆宗教が流行した経済成長期◆前向きに生きることを求める新宗教◆発展のために勧誘活動は不可欠◆世の終わりへの恐怖が新新宗教を生んだ◆オウム真理教にひかれた若者たち◆「自分探し」の場所を求めて◆狙われやすい大学生◆誰もが信者の予備軍である
第7章 危険な宗教もある
◆一度生まれた宗教は残り続ける◆「カルト」って何?◆「洗脳」と「マインド・コントロール」◆信者を増やすための手段◆効果的な「世の終わり」論◆時間が経てばこころは変わる◆巨大な施設を作って活気づける!◆過度の熱狂は危険!
第8章 信者は操り人形にすぎないのか
◆信者にもそれぞれ個性がある◆勧誘で信仰を強化する◆教団の内側で見えるもの◆信者との対話で分かること◆統一教会信者の体験◆活動にハマった理由◆信仰の実践としての霊感商売◆左翼との暴行事件も◆二重の落ちこぼれ◆ヤマギシ会での私の体験◆やめる人、やめない人の違いとは?◆重要なのは、人間関係
第9章 宗教にかかわった経験を生かす
◆信仰を捨てた後のこころ◆〈特別インタビュー〉両親の影響で「法の華三法行」に入信した、元信者A君(24歳)◆信仰の経験は生かせる◆宗教の存在を意識して生きよう◆客観的な比較が重要
おわりに