満月
真冬の空に なんと華やかで透明で 哀しい風情の月
ドビュッシーの 月の光が脳に聞こえてきます。
しばらくすると
ヴェルレーヌの詩 月の光の
一節を思い出しました。
あー
昔
フオーレ作曲のフランス歌曲 月の光を
歌いながら
酔いしれた 透明な官能
フランス音楽への 誘い。
私の声には
フオーレ歌曲は似合わなかったけれども
いま
月を眺めながら文学と音楽に酔いしれる
私がいて
私の過去から 続く美への憧憬の道を完結している。
ふと
懐かしむ。
あーなんと 切なく なんと豊穣な音楽の人生。
捕らわれた私の魂。
溜め息の イマジネーション。
時が止まって欲しい。脳と魂が私を私でない私に
変えてゆく。
満月には
不思議な作用がある。
私は地球にいるのではなく
違う場所に浮いている気がする。
眠ってしまえば
この神秘は消えて
また明日の現実に戻るのよ。