西都モノクローム

西都大好きな市議会議員が、徒然なるままに街のこと、写真のこと、空手のこと語ります。

火の鳥

2010-09-18 22:28:14 | 日記
口蹄疫復興イベントの一つアニメ映画祭をみました。映画は巨匠手塚治虫原作の「火の鳥」です。会場は子供達がほとんどでした。

とって良い映画だったけど、手塚さんの哲学を元にしたアニメなので、子供達は理解できたかな?と思ってしまいました。まあでも、手塚という世界に誇れるアニメ巨匠の作品を見たと言う記憶が残れったとしたなら、それは素晴らしいことです。

まず映画がハッピーエンドに終わっていない事。不死鳥「火の鳥」の役目が単純でなく、とても深淵であること。このことだけでも大人向けのアニメでしょう、映画のことを考えれば考えるほど、作者の意図(手塚さんの哲学)はなんだろうと思ってしまいます。

火の鳥は主人公に、不死の力を与えていきます、その与え方が深いのです。ヤマト編では異族間の王子と姫が捕まり死んだ王と共に、殉死にされる事になります。80名の他の殉死者と共に不死の力を与えらます。これがアメリカ映画なら、その力を使い殉死者を助け、卑怯な王子の兄弟達を成敗して、王子と姫で幸せに暮らしましたとなるでしょうが、哲学者手塚は違います、まるでシェークスピアのように苦悩とあがなえない宿命を与えます。

妻とみていて「ターボー連れてきたら、どういうこと、なんでこうなるの、と質問攻めに遭うね」と言いました。
宇宙編はさらにキリスト教のテーマ「原罪」を強く意識しています、映画「2001年宇宙の旅」(これも難解でしたね)に似た誕生と死と輪廻を描いていました。不死というはある意味、最大不幸であると伝えています。メメント・モリと同じように、死があるからこそ、生があり、それは輝くものになると伝えているようでした。

手塚さんのマンガはそういったものでしょう、「鉄腕アトム」の中の最強ロボット戦士決定戦(言葉は多分違いますが、アトムが世界中のロボットと戦うところ)のなかのプルートとの戦いの編は子供心にやるせなさ、戦いの無意味さを感じたものでした。
コメント
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