アナーキー小池の反体制日記

世界中のひとが 仲良く助け合い ほほえみながら 平和に暮らしていくために (イマジン)

#3339 暗号④ 小説“ミレニアム”(中)

2020年03月25日 | 犯罪と防犯と審判
ラーソンが書いた3部作は、自国のスウェーデンと隣接するロシアなどが主な舞台でしたが、第4部は自国スウェーデンとアメリカが舞台となっています。
何を隠そうアメリカは、アメリカ国家安全保障局(NSA)がその舞台なのです。
NSAは世界中の情報を一手に集めるスパイ組織です。
世界中の空を飛び交う情報を一時的にすべて収集している、って言うんですから驚きです。
ボクもあなたも、個人情報がNSAに筒抜けなのです。

そんなNSAに、“ミレニアム”の少女主人公はハッキングで侵入し、悪事をバラすのです。
ハッキング集団のNSAがハッキングされたんですから、NSAは大恥です。
この少女主人公は独自の正義感を持ち、彼女が信じる正義のためならハッキングをすることは平気なんです。

スパイ活動をしているところはどこも、個人や企業や団体や国の秘密を握り、秘密を匂わせることにより権力を持つものです。
その秘密を“ミレニアム”の少女主人公はハッキングにより手に入れます。
ハッキングされた内容は暴かれましたが、本丸のNSAそのものの秘密(悪事)は厳重な暗号により保護され、解読できないのです。

ハッキングされて大恥をかいたNSAは、必死にその犯人を捜します。
少女主人公は追及を逃れながら、重要事項が記された秘密のフォルダーの暗号の解析に励みます。
その暗号とは、RSA暗号を用いたブロックチェーンなんです。
いくら数学の天才少女でも、素因数分解は解けません。

そんな時、人工知能を研究・開発している研究者が殺されます。
重大な発見をした、としていろいろな機関からその成果を狙われていた、矢先でした。
その研究者には、自閉症でサヴァン症候群で画像直感能力があり数学に天才的才能を持つ息子がいたんです。

その少年の力を借り、少女は楕円曲線方程式を直感的に操り、素因数分解を解きました。
NSAの秘密が記されたボックスの鍵(カギ)が開けられたのです。
アメリカ国家安全保障局(NSA)の悪事が公になり、世界は大騒動です。
国による情報機関の持つ闇について、これほどにか!と発信する痛快な冒険小説でした。

・・・
この小説、国による情報機関の持つ闇について、RSA暗号を用いたブロックチェーンを解くことにより伝えていますが、もう一つ重大な課題を提供しています。
AIによる人工知能の行く末、についてです。
次回に記しましょう。
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